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パーティー集め
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新展開。
姫をつけ狙う魔王の手下一匹。
何度も俺を追放した非情な追放官と俺を餌場に置き去りにする執行官。
今までの恨みを込めて国王の名のもとに三人を追放する。
こうして三人を追放した勇者たちは姫と共に第二の村ヘ向かう。
気分がいい。
まさか自分でも諦めていた。追放されずに済む未来。
これも日頃の行いがいいから。
即死モードだとしても十回に一回は回避できるのだろう。
問題はこの即死モードをどうにかすること。
「おい。もっと速く走れないのか! 」
いい気分を台無しにする困った奴。
「俺は疲れやすいんだ。早く行ってもらわないと困る! 」
急いだ方が疲れる気がするが。悪気はないらしい。
「お前とは話してなかったな。俺はヘビー。よろしくな」
ヘビーは辺境の地ドライスランドの者。
ドライスランドはとにかく環境が良くない。
冬は寒く夏は信じられないくらい暑いそうだ。
だから皆家に閉じ籠ってる。
運動もできずに体力がつかない。
子供が遊ぶ姿と言ったら雪合戦がいいところ。
それも初めのころでないと危なくてさせておけない。
まあそんな辺境の地出身のヘビーだから他の奴とは違う。
遊ぶよりも本を読むのを好むここには珍しい読書家。
今何を読んでるのか教えてもらった。
伝説の国の滞在記だそうだ。
何だそれと思うが確かイスラとかって島。
俺も話しだけは聞いたことがある。
あれは……
「おいそこ集中しろ! 」
先頭を任されたウエスティンに叱られる。
張り切ってるなウエスティンの奴。
本来だったらあれだけ助けてやってるんだから俺には頭が上がらないはず。
だがそれはやはりすべて俺の記憶にしかない。彼には今回の記憶しかないらしい。
おかしいな。これどういうことだろう?
森が見えた。
ここを通り過ぎると次の町が見えてくる。
第二の村・ネルを目指して進軍中。
そうこうしてるうちにお出ましだ。
森のくまさんが現れた。
可愛いさは微塵もない。
ただ俺たちを喰らおうとしている。
百人近くがいる。皆でかかれば怖くない。
「うおおお! 」
誰の剣が当たったのか逃走する森のくまさん。
数人の姿がいつの間にか消え失せたが何とか撃退に成功。
レベルアップ。
レベルが六になった。
力が一上がった。
速さが一上がった。
知能が一上がった。
謙虚さが一下がった。
思いやりが一下がった。
予算が一増えた。
森のくまさんははちみつを落としていった。
「そろそろ休憩にするぞ」
「はーい」
食事は今流行のグナッシイ。要するに素パンだ。
リザに食わせてもらったけどいい加減飽きそう。
各自自由時間とする。
ウエスティンの姿を捉えた。
そうだ。ちょっと誘ってみるか。
「旅? 今してるだろ? 」
「いやそうじゃなくて…… 」
「僕は今回の旅にかけてるんだ。うまくいったら姫と恋仲になれるかもしれない」
こいつもそんな邪な心を持っていたか。後で神に罰してもらおう。
「なあいいだろ? サーマ姫だって誘うからさ。一緒にどう? 」
「おいおい本当かよ? 」
「誘うだけだけどね」
「分かった分かった。次があったら行ってやるよ」
さすがはウエスティンただの汗っかきじゃない。
「ほらそれよりもそろそろ出発するぞ。皆を集めてくれ」
「お姫様は? 」
「それなら心配ない。交代で見張りを置いている。
異変があれば知らせるように言ってある」
「ではリーダーさん頑張って」
これで一人確保。
あとはやっぱり姫様だよね。
休憩を終え全員集まった。
「よし出発だ。行くぞ! 」
「オウ! 」
「ミュウ! 」
「ギャア! 」
随分と張り切っている様子のウエスティン。落とし穴に嵌らなければいいが。
それにしてもどうも増えた気がする。仲間と言うか敵と言うか。
勇者と姫が着いたのは夜遅くであった。
「ずいぶんかかったな」
「ウエスティンの奴が道を間違えたらしいぜ」
「ははは! これだからイシコロ村の連中は当てにならない」
「そうだそうだ! 」
酒場ではウエスティンのへまの話題で持ち切り。
「だってよ。左に曲がるんだぜ」
「そうそう。海に出ちまうのが分からないのかなあ」
「イシコロ村の奴は馬鹿だからしょうがないだろ」
「ははは! 同意。同意」
ここにイシコロ村が二名いるのを無視して騒ぎ出す始末。
「お…… 俺…… 」
元気が無いウエスティンを励ます。
「そんなに気にするなよ。誰でもあることさ」
「いいんだ。なあもうここを出よう。酒なんか飲んでられない」
仕方なく部屋に戻る。
これは間違いなく追放候補にウエスティンの名前が挙がるな。
ついでにイシコロ村出身の俺まで巻き添えを……
同郷なばかりにとばっちりを受ける。
これも即死モードのなせる技。
ただウエスティンが旅を通し使えないと分かってながら何もしなかったのも事実。
再び追放されてしまう運命?
おお! ウエスティン!
続く
姫をつけ狙う魔王の手下一匹。
何度も俺を追放した非情な追放官と俺を餌場に置き去りにする執行官。
今までの恨みを込めて国王の名のもとに三人を追放する。
こうして三人を追放した勇者たちは姫と共に第二の村ヘ向かう。
気分がいい。
まさか自分でも諦めていた。追放されずに済む未来。
これも日頃の行いがいいから。
即死モードだとしても十回に一回は回避できるのだろう。
問題はこの即死モードをどうにかすること。
「おい。もっと速く走れないのか! 」
いい気分を台無しにする困った奴。
「俺は疲れやすいんだ。早く行ってもらわないと困る! 」
急いだ方が疲れる気がするが。悪気はないらしい。
「お前とは話してなかったな。俺はヘビー。よろしくな」
ヘビーは辺境の地ドライスランドの者。
ドライスランドはとにかく環境が良くない。
冬は寒く夏は信じられないくらい暑いそうだ。
だから皆家に閉じ籠ってる。
運動もできずに体力がつかない。
子供が遊ぶ姿と言ったら雪合戦がいいところ。
それも初めのころでないと危なくてさせておけない。
まあそんな辺境の地出身のヘビーだから他の奴とは違う。
遊ぶよりも本を読むのを好むここには珍しい読書家。
今何を読んでるのか教えてもらった。
伝説の国の滞在記だそうだ。
何だそれと思うが確かイスラとかって島。
俺も話しだけは聞いたことがある。
あれは……
「おいそこ集中しろ! 」
先頭を任されたウエスティンに叱られる。
張り切ってるなウエスティンの奴。
本来だったらあれだけ助けてやってるんだから俺には頭が上がらないはず。
だがそれはやはりすべて俺の記憶にしかない。彼には今回の記憶しかないらしい。
おかしいな。これどういうことだろう?
森が見えた。
ここを通り過ぎると次の町が見えてくる。
第二の村・ネルを目指して進軍中。
そうこうしてるうちにお出ましだ。
森のくまさんが現れた。
可愛いさは微塵もない。
ただ俺たちを喰らおうとしている。
百人近くがいる。皆でかかれば怖くない。
「うおおお! 」
誰の剣が当たったのか逃走する森のくまさん。
数人の姿がいつの間にか消え失せたが何とか撃退に成功。
レベルアップ。
レベルが六になった。
力が一上がった。
速さが一上がった。
知能が一上がった。
謙虚さが一下がった。
思いやりが一下がった。
予算が一増えた。
森のくまさんははちみつを落としていった。
「そろそろ休憩にするぞ」
「はーい」
食事は今流行のグナッシイ。要するに素パンだ。
リザに食わせてもらったけどいい加減飽きそう。
各自自由時間とする。
ウエスティンの姿を捉えた。
そうだ。ちょっと誘ってみるか。
「旅? 今してるだろ? 」
「いやそうじゃなくて…… 」
「僕は今回の旅にかけてるんだ。うまくいったら姫と恋仲になれるかもしれない」
こいつもそんな邪な心を持っていたか。後で神に罰してもらおう。
「なあいいだろ? サーマ姫だって誘うからさ。一緒にどう? 」
「おいおい本当かよ? 」
「誘うだけだけどね」
「分かった分かった。次があったら行ってやるよ」
さすがはウエスティンただの汗っかきじゃない。
「ほらそれよりもそろそろ出発するぞ。皆を集めてくれ」
「お姫様は? 」
「それなら心配ない。交代で見張りを置いている。
異変があれば知らせるように言ってある」
「ではリーダーさん頑張って」
これで一人確保。
あとはやっぱり姫様だよね。
休憩を終え全員集まった。
「よし出発だ。行くぞ! 」
「オウ! 」
「ミュウ! 」
「ギャア! 」
随分と張り切っている様子のウエスティン。落とし穴に嵌らなければいいが。
それにしてもどうも増えた気がする。仲間と言うか敵と言うか。
勇者と姫が着いたのは夜遅くであった。
「ずいぶんかかったな」
「ウエスティンの奴が道を間違えたらしいぜ」
「ははは! これだからイシコロ村の連中は当てにならない」
「そうだそうだ! 」
酒場ではウエスティンのへまの話題で持ち切り。
「だってよ。左に曲がるんだぜ」
「そうそう。海に出ちまうのが分からないのかなあ」
「イシコロ村の奴は馬鹿だからしょうがないだろ」
「ははは! 同意。同意」
ここにイシコロ村が二名いるのを無視して騒ぎ出す始末。
「お…… 俺…… 」
元気が無いウエスティンを励ます。
「そんなに気にするなよ。誰でもあることさ」
「いいんだ。なあもうここを出よう。酒なんか飲んでられない」
仕方なく部屋に戻る。
これは間違いなく追放候補にウエスティンの名前が挙がるな。
ついでにイシコロ村出身の俺まで巻き添えを……
同郷なばかりにとばっちりを受ける。
これも即死モードのなせる技。
ただウエスティンが旅を通し使えないと分かってながら何もしなかったのも事実。
再び追放されてしまう運命?
おお! ウエスティン!
続く
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