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ゴールドカード 女神様からの贈り物
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目が覚めるとそこは……
第四の泉。
正解は二番のアナコンダサイズの蛇。
蛇はドラゴン同様水を司る神の化身とも言われている。
究極の選択を迫られた五人は奇跡の生還を果たす。
「助かったみたいっすね師匠」
「うむ。そうじゃここじゃ。見覚えがある。
まさしくこの辺りで野ぐそを垂れたんじゃ。
女神たちがよく似ていて見分けがつかないものだから勘違いしたわ」
爺の告白は衝撃的なものだった。
女神様たちが似てると言うが本当は単に爺だから見分けがつかず適当だったのでは。
「師匠この辺に本当にあるんですね? 信用しますよ」
「うむ。間違いない! さあここだ。目当てのルーレットが必ずあるはずじゃ」
ついに爺は記憶を取り戻す。
「どう見つかったアモ? 」
「ううん。まったく」
「おかしいの。絶体にこの近くにあるはずなんじゃが」
そう言ってもないものはない。
一時間以上探し回ったが影も形もない。
最悪ブツが残っていれば目印になるがさすがに放置してないだろう。
「くそ! くそ! くそ! 」
爺が吠える。ただこの場合怒りの感情なのか目印を探してるのか判断がつかない。
どちらにしても下品に変わりはないが。
「どうするアモ? 」
サーマの眼差し。完全に俺を頼り切っている。
そうだよな。この元神の爺じゃ当てにならないよな。
従者ウエスティンでは余計にだ。
あれ…… リザが大人しい。口出しを一切しない。
疲れ果てもうどうでも良くなったのか?
「そうだ。せっかくだから第四の女神様を呼ぼう! 何か知ってるかもしれない」
「よし儂に任せろ! 確か…… 」
呪文を唱えるでもなく願うでもなくただ石を投げ入れるのだった。
泉が騒ぎ始める。
波が立ちブクブク言いだした。
これは予兆?
光と共に女神様が姿を見せる。
第四の女神様。
「この石を落としたのはお前か? 」
首を振り否定する。
「儂じゃ! 儂が落としました! 」
「よろしい。では褒美に正直者のお前には金の石を投げる。受け取るがいい」
そう言うと大量の小石が飛んでくる。黄金に輝く石。
これだけでもかなりの価値があるだろう。
ただそれは元の世界での場合。ここではただの小石でしかない。
「うわああ! 痛い! 痛い! 何をする? 」
きちんと爺に返ってくる。
これこそ情けは人の為にならずのいいお手本。
ついに伝説の泉を発見。
斧がなかったので石を投げ込むいい加減な爺。
対抗するように金の石を投げ返す大人げない女神様。
少々伝説とは違う気もするが許容範囲。
実際爺以外は被害を被っていない。
第四の泉を見つけ女神様も降臨した。
女神様には何でも金に変える特殊な能力がある。
女神様は泉へ。
一通り済ましたので満足したのか姿を見せる気配がない。
もういくら呼びかけても出て来そうにない。
コソコソ
コソコソ
「やはりここは師匠が」
「いやいやウエスティンが適任じゃ」
金の石を投げつけられたので様子を窺っている。
慎重なのはいいが従者を実験に使うのはいくら何でもあり得ない。
「師匠は経験者でしょう? お願いしますよ」
「しかし何を落とせばいい? 」
「決まってるじゃない。そのルーレット! 」
リザは何も分かっていない。
「これはダメじゃ! いくら八しか出なくても貴重なアイテム。
欠けてしまえばルーレットは完成しない。
だから無闇に落とし戻ってこなければ破滅を招く。
泉に沈んではシャレにならない。
「だったらどうしたいの? 」
まずはクエストを済ますのが先決。
「手紙を投げ捨てるのだ」
果たして爺の口車に乗り手紙を捨てていいものか?
届けるのであって捨てるのではない。
要望通りに届けてこそのクエスト。
まだクエストコンプリートには程遠い。
突風が吹く。
まだどうするか決め切れずにいたが手紙は風に乗り第四の泉へ。
あっと言う間に沈み消え去った。
手紙は渡せずクエスト失敗。
泉が騒ぎ出し再びブクブク言い始める。
女神降臨の前兆。
眩しい。
黄金色に光る女神様が姿を現しになる。
「あなた方が落とした手紙はこの金色の手紙ですか? 」
ここは正直に答えるのがいい。
「違います。それではありません。私が落としたのはごく一般的な手紙です」
「ですが現在あまり手紙は使用されてませんね。お年賀ぐらいでしょうか? 」
「うむ実に嘆かわしい」
「そうするとあなたは? 」
「ああ時代遅れの爺さ。認めるわ」
「まあ何と。あなたは正直者ですね。そして親切にも手紙を届けてくれました。
そんなあなたにはこの黄金の手紙…… ではなくゴールドカードを差し上げます。
どうぞお受け取り下さい」
感謝の気持ちを込めゴールドカードが贈られる。
女神様によるギフト。
ありがたく受け取ることにする。
続く
第四の泉。
正解は二番のアナコンダサイズの蛇。
蛇はドラゴン同様水を司る神の化身とも言われている。
究極の選択を迫られた五人は奇跡の生還を果たす。
「助かったみたいっすね師匠」
「うむ。そうじゃここじゃ。見覚えがある。
まさしくこの辺りで野ぐそを垂れたんじゃ。
女神たちがよく似ていて見分けがつかないものだから勘違いしたわ」
爺の告白は衝撃的なものだった。
女神様たちが似てると言うが本当は単に爺だから見分けがつかず適当だったのでは。
「師匠この辺に本当にあるんですね? 信用しますよ」
「うむ。間違いない! さあここだ。目当てのルーレットが必ずあるはずじゃ」
ついに爺は記憶を取り戻す。
「どう見つかったアモ? 」
「ううん。まったく」
「おかしいの。絶体にこの近くにあるはずなんじゃが」
そう言ってもないものはない。
一時間以上探し回ったが影も形もない。
最悪ブツが残っていれば目印になるがさすがに放置してないだろう。
「くそ! くそ! くそ! 」
爺が吠える。ただこの場合怒りの感情なのか目印を探してるのか判断がつかない。
どちらにしても下品に変わりはないが。
「どうするアモ? 」
サーマの眼差し。完全に俺を頼り切っている。
そうだよな。この元神の爺じゃ当てにならないよな。
従者ウエスティンでは余計にだ。
あれ…… リザが大人しい。口出しを一切しない。
疲れ果てもうどうでも良くなったのか?
「そうだ。せっかくだから第四の女神様を呼ぼう! 何か知ってるかもしれない」
「よし儂に任せろ! 確か…… 」
呪文を唱えるでもなく願うでもなくただ石を投げ入れるのだった。
泉が騒ぎ始める。
波が立ちブクブク言いだした。
これは予兆?
光と共に女神様が姿を見せる。
第四の女神様。
「この石を落としたのはお前か? 」
首を振り否定する。
「儂じゃ! 儂が落としました! 」
「よろしい。では褒美に正直者のお前には金の石を投げる。受け取るがいい」
そう言うと大量の小石が飛んでくる。黄金に輝く石。
これだけでもかなりの価値があるだろう。
ただそれは元の世界での場合。ここではただの小石でしかない。
「うわああ! 痛い! 痛い! 何をする? 」
きちんと爺に返ってくる。
これこそ情けは人の為にならずのいいお手本。
ついに伝説の泉を発見。
斧がなかったので石を投げ込むいい加減な爺。
対抗するように金の石を投げ返す大人げない女神様。
少々伝説とは違う気もするが許容範囲。
実際爺以外は被害を被っていない。
第四の泉を見つけ女神様も降臨した。
女神様には何でも金に変える特殊な能力がある。
女神様は泉へ。
一通り済ましたので満足したのか姿を見せる気配がない。
もういくら呼びかけても出て来そうにない。
コソコソ
コソコソ
「やはりここは師匠が」
「いやいやウエスティンが適任じゃ」
金の石を投げつけられたので様子を窺っている。
慎重なのはいいが従者を実験に使うのはいくら何でもあり得ない。
「師匠は経験者でしょう? お願いしますよ」
「しかし何を落とせばいい? 」
「決まってるじゃない。そのルーレット! 」
リザは何も分かっていない。
「これはダメじゃ! いくら八しか出なくても貴重なアイテム。
欠けてしまえばルーレットは完成しない。
だから無闇に落とし戻ってこなければ破滅を招く。
泉に沈んではシャレにならない。
「だったらどうしたいの? 」
まずはクエストを済ますのが先決。
「手紙を投げ捨てるのだ」
果たして爺の口車に乗り手紙を捨てていいものか?
届けるのであって捨てるのではない。
要望通りに届けてこそのクエスト。
まだクエストコンプリートには程遠い。
突風が吹く。
まだどうするか決め切れずにいたが手紙は風に乗り第四の泉へ。
あっと言う間に沈み消え去った。
手紙は渡せずクエスト失敗。
泉が騒ぎ出し再びブクブク言い始める。
女神降臨の前兆。
眩しい。
黄金色に光る女神様が姿を現しになる。
「あなた方が落とした手紙はこの金色の手紙ですか? 」
ここは正直に答えるのがいい。
「違います。それではありません。私が落としたのはごく一般的な手紙です」
「ですが現在あまり手紙は使用されてませんね。お年賀ぐらいでしょうか? 」
「うむ実に嘆かわしい」
「そうするとあなたは? 」
「ああ時代遅れの爺さ。認めるわ」
「まあ何と。あなたは正直者ですね。そして親切にも手紙を届けてくれました。
そんなあなたにはこの黄金の手紙…… ではなくゴールドカードを差し上げます。
どうぞお受け取り下さい」
感謝の気持ちを込めゴールドカードが贈られる。
女神様によるギフト。
ありがたく受け取ることにする。
続く
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