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第一関門突破 ご褒美の剣
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現実逃避中。
「兄貴! 」
「カン! 」
仕方がない。運を天に任せて。
靴を飛ばす。
何回転かして止まった。
「よし、こっちだ」
つま先が向いた方に歩き出そうとする。
「ちょっと待って! 冗談でしょう? 」
「こちらだとおっしゃっている」
「本当? どの辺に根拠が? 」
「兄貴を信じましょうぜ。もうそれしか道はねいっす」
パックには迷いが無い。
「ちょっと。滅茶苦茶に歩き出したらもう本当に帰ってこられないわよ! 」
「どうしろと? 」
「落ち着いて! 絶対に何かある。手掛かりを探すのよ」
「いや、兄貴についっていた方が良いっす。
次はサイコロ振りましょうぜ」
「おお、いい考えだ」
もう完全に考えるのを放棄している。
現実逃避以外に心を保っていられないようだ。
「そんなの絶対ダメ! 」
その時だった。
ニャア!
ニャゴゴゴ!
「ボトル? どうしたの? 」
ボトルは危なくないように薬草を入れた大きな袋の中。
そのボトルがお目覚めのようだ。
シャー!
ウゴゴゴ!
警戒してる。
進むべき道が違うらしい。
ニャ!
次の瞬間反対方面に走り出した。
「着いてきてだって! 」
「本当? 」
「適当じゃないすっか」
「良いから走って! 」
「おい! 決定権はリーダーの俺にある! 」
「そうっすよ。猫と兄貴どちらを信じるんすか? 」
「うるさい! 現実逃避してたくせに! 」
「まったく仕方ないなあ」
渋々走り出す。
ボトルは遠くの方まで行き、もう視界から消えそうだ。
「ダッシュ! 」
ニャ!
一度立ち止りまた走り出す。
着いてきているか確認しているのだろう。
賢い猫だ。
「はあ。はあ。待って! 」
反応したのか止まる。
方向をずらして再度駆けていく。
左、右。
左、右。
くねくねとした線を描く。
再び止まると左へ。
そしてようやくストップ。
景色はほぼ変わらない。
そのため違いが分からない。
人間にはどうすることもできない。
しかし猫はどうだろう。
猫だけではない。犬やその他の動物でも導いてくれるかもしれない。
「ボトル! 」
何か門のようなものが見えた。
ボトルのおかげで第一関門突破。
音なのか?
臭いなのか?
知っていたのか?
謎は残るもののボトルが答えてくれるはずもなく。
でっかい門を潜る。
第二関門へ。
うん?
目の前に神々の森にはふさわしくない建物があった。
山小屋みたいなもので休憩できるようだ。
「どうするカン? 」
「うーん。少しぐらい休憩してもいいがこれも罠かもしれない」
「そうっすよ。自分はまだ行けます」
「そうね。ボトルのおかげで無駄に体力を使わずに済んだし」
ニャア!
「とりあえず中に入ってみよう。食い物ぐらいあるかもしれない」
トントン
ノックをして中に入る。
室内は二つに分かれていた。
手前の部屋を探る。
テーブルと椅子があるだけで他は何もなくすっきりしている。
「何かあった? 」
「ううん。何もないよ」
「兄貴。奥にも部屋があるみたいっす」
「食糧があるかもしれない。行ってみよう」
奥の扉を開く。
やはりすっきりしている。
中心に何か置かれていた。
「うん? これは木箱」
「中身はなんすかね」
「開けるぞ」
ギイイ
嫌な音を立てて露わになった物。それは……
これは?
剣?
伝説の剣。
槍?
ハンマー?
ドリル?
斧?
木箱からすべてを取り出し中身を確認。
「何かしらこれ? 」
「武器だよ」
「どういうことカン? 」
「これを装備しろってことじゃないの」
「重い! いや! 」
「はっはは。プラスティ―には無理かもね」
「これなんかどうっすか? 」
「ビリビリ
敵も一発でダウンて品物だ」
「へえ。いいわね。そんなのもあったの? 」
「他にも色々と。好きなのを選ぶといいっすよ」
「じゃあ。一斉に」
「俺はこれ! 」
「それなら自分はこっちっす! 」
「待ってよ。何かおかしくない? 」
「気にしない気にしない。カッコイイじゃん」
「まったくもう単純なんだから」
カンは伝説の剣を
パックは破壊力抜群の斧を
プラスティ―は護身用のビリビリを
それぞれ手に取った。
「プラスティ―は面白いのを選んだね」
「悪い? 一番現実的じゃないかしら」
「実際に装備してみるとダサイっすよそれ」
「うるさい! ほっといてよね。気に入ってるんだから」
「後は防具でもあると完璧なんすけどね。
兄貴もそう思いませんか? 」
「うん。あと魔法なんかもいいかもね」
「おお! 忘れていた。さすが兄貴! 」
「二人ともふざけないの! 」
「はっはは」
「もう! 」
順調に進んでいるのか?
一時間ほど休憩してから外へ。
改めて第二関門。
「誰か? 居ませんか? 」
「俺らどうすりゃいいんだろう? 」
「ボトル! 」
じゃれついている。
紙?
ボトルによって虫食いになった指令を確認。
【攻撃を受ける事無く突破せよ! 】
「はあ? いたずらかなあ」
「とにかく進むのよ二人とも」
紫の空と鬱蒼とした緑。
ところどころに白い靄。
まったく一緒だ。
違いがあるとすれば紫が薄くなっているぐらいと雄たけびが聞こえるぐらいだが。
雄たけび?
どこからともなく耳を刺激する獣の鳴き声。
ヤバイ!
「ここを突破しろってか? 兄貴行ましょう! 」
「おう! やるぞ! 」
「ちょっと待って! 考えもなしに行くなんて無謀よ」
「男っす。兄貴は」
「はあ? 」
「もう誰も兄貴を止められません! 」
「バカ言ってないで止めなさいよ! もし攻撃を受けたらどうするの? 」
「さあ、そん時はそん時。何とかなるっしょ」
カンに続きパックも走り出した。
「もうバカなんだから! 」
プラスティ―は追いかけるが間に合わない。
続く
「兄貴! 」
「カン! 」
仕方がない。運を天に任せて。
靴を飛ばす。
何回転かして止まった。
「よし、こっちだ」
つま先が向いた方に歩き出そうとする。
「ちょっと待って! 冗談でしょう? 」
「こちらだとおっしゃっている」
「本当? どの辺に根拠が? 」
「兄貴を信じましょうぜ。もうそれしか道はねいっす」
パックには迷いが無い。
「ちょっと。滅茶苦茶に歩き出したらもう本当に帰ってこられないわよ! 」
「どうしろと? 」
「落ち着いて! 絶対に何かある。手掛かりを探すのよ」
「いや、兄貴についっていた方が良いっす。
次はサイコロ振りましょうぜ」
「おお、いい考えだ」
もう完全に考えるのを放棄している。
現実逃避以外に心を保っていられないようだ。
「そんなの絶対ダメ! 」
その時だった。
ニャア!
ニャゴゴゴ!
「ボトル? どうしたの? 」
ボトルは危なくないように薬草を入れた大きな袋の中。
そのボトルがお目覚めのようだ。
シャー!
ウゴゴゴ!
警戒してる。
進むべき道が違うらしい。
ニャ!
次の瞬間反対方面に走り出した。
「着いてきてだって! 」
「本当? 」
「適当じゃないすっか」
「良いから走って! 」
「おい! 決定権はリーダーの俺にある! 」
「そうっすよ。猫と兄貴どちらを信じるんすか? 」
「うるさい! 現実逃避してたくせに! 」
「まったく仕方ないなあ」
渋々走り出す。
ボトルは遠くの方まで行き、もう視界から消えそうだ。
「ダッシュ! 」
ニャ!
一度立ち止りまた走り出す。
着いてきているか確認しているのだろう。
賢い猫だ。
「はあ。はあ。待って! 」
反応したのか止まる。
方向をずらして再度駆けていく。
左、右。
左、右。
くねくねとした線を描く。
再び止まると左へ。
そしてようやくストップ。
景色はほぼ変わらない。
そのため違いが分からない。
人間にはどうすることもできない。
しかし猫はどうだろう。
猫だけではない。犬やその他の動物でも導いてくれるかもしれない。
「ボトル! 」
何か門のようなものが見えた。
ボトルのおかげで第一関門突破。
音なのか?
臭いなのか?
知っていたのか?
謎は残るもののボトルが答えてくれるはずもなく。
でっかい門を潜る。
第二関門へ。
うん?
目の前に神々の森にはふさわしくない建物があった。
山小屋みたいなもので休憩できるようだ。
「どうするカン? 」
「うーん。少しぐらい休憩してもいいがこれも罠かもしれない」
「そうっすよ。自分はまだ行けます」
「そうね。ボトルのおかげで無駄に体力を使わずに済んだし」
ニャア!
「とりあえず中に入ってみよう。食い物ぐらいあるかもしれない」
トントン
ノックをして中に入る。
室内は二つに分かれていた。
手前の部屋を探る。
テーブルと椅子があるだけで他は何もなくすっきりしている。
「何かあった? 」
「ううん。何もないよ」
「兄貴。奥にも部屋があるみたいっす」
「食糧があるかもしれない。行ってみよう」
奥の扉を開く。
やはりすっきりしている。
中心に何か置かれていた。
「うん? これは木箱」
「中身はなんすかね」
「開けるぞ」
ギイイ
嫌な音を立てて露わになった物。それは……
これは?
剣?
伝説の剣。
槍?
ハンマー?
ドリル?
斧?
木箱からすべてを取り出し中身を確認。
「何かしらこれ? 」
「武器だよ」
「どういうことカン? 」
「これを装備しろってことじゃないの」
「重い! いや! 」
「はっはは。プラスティ―には無理かもね」
「これなんかどうっすか? 」
「ビリビリ
敵も一発でダウンて品物だ」
「へえ。いいわね。そんなのもあったの? 」
「他にも色々と。好きなのを選ぶといいっすよ」
「じゃあ。一斉に」
「俺はこれ! 」
「それなら自分はこっちっす! 」
「待ってよ。何かおかしくない? 」
「気にしない気にしない。カッコイイじゃん」
「まったくもう単純なんだから」
カンは伝説の剣を
パックは破壊力抜群の斧を
プラスティ―は護身用のビリビリを
それぞれ手に取った。
「プラスティ―は面白いのを選んだね」
「悪い? 一番現実的じゃないかしら」
「実際に装備してみるとダサイっすよそれ」
「うるさい! ほっといてよね。気に入ってるんだから」
「後は防具でもあると完璧なんすけどね。
兄貴もそう思いませんか? 」
「うん。あと魔法なんかもいいかもね」
「おお! 忘れていた。さすが兄貴! 」
「二人ともふざけないの! 」
「はっはは」
「もう! 」
順調に進んでいるのか?
一時間ほど休憩してから外へ。
改めて第二関門。
「誰か? 居ませんか? 」
「俺らどうすりゃいいんだろう? 」
「ボトル! 」
じゃれついている。
紙?
ボトルによって虫食いになった指令を確認。
【攻撃を受ける事無く突破せよ! 】
「はあ? いたずらかなあ」
「とにかく進むのよ二人とも」
紫の空と鬱蒼とした緑。
ところどころに白い靄。
まったく一緒だ。
違いがあるとすれば紫が薄くなっているぐらいと雄たけびが聞こえるぐらいだが。
雄たけび?
どこからともなく耳を刺激する獣の鳴き声。
ヤバイ!
「ここを突破しろってか? 兄貴行ましょう! 」
「おう! やるぞ! 」
「ちょっと待って! 考えもなしに行くなんて無謀よ」
「男っす。兄貴は」
「はあ? 」
「もう誰も兄貴を止められません! 」
「バカ言ってないで止めなさいよ! もし攻撃を受けたらどうするの? 」
「さあ、そん時はそん時。何とかなるっしょ」
カンに続きパックも走り出した。
「もうバカなんだから! 」
プラスティ―は追いかけるが間に合わない。
続く
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