【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない

かまり

文字の大きさ
4 / 92

4話 恋する2人

しおりを挟む
…危険だ!
あの弟、血が繋がってない上に、もう14歳だぞ?普通、姉にその歳で抱きつくか?

…あれは絶対可愛い弟のフリしてるだけで、エレナを狙ってる…

エレナも、いつまでもルーカスを子どもだと思って警戒しなさすぎなのもいけない。
今度しっかり教えてやらないとだめだな…

いや、ぼんやりしたエレナのことだ、
そんなこと教えてわかるのか?

…エレナをこの家に置いておくのは危険だな
早く結婚したい…

「アーク様?」

「ん?何?」

アークは、早くルーカスの居るこの邸を離れようと、無意識に急ぎ足で歩きながら聞き返した。

「迎えに来てくださってありがとうございます」

アークはそう言われて振り返ると、

エレナが手を引かれ、慌ててアークについて行きつつ、それでもとても可愛らしく微笑んで礼を言う姿に一瞬見惚れて、立ち止まる。

「…ごめん、早く歩いてしまって」

自分だけに向けられたエレナの笑顔を見て冷静になったアークは、

無理に自分の速さについて来させていたことを反省した。

「いえ、大丈夫ですよ?遅刻してはいけませんものね。私の方こそ歩くのが遅くてごめんなさい」

エレナは優しく微笑んで、アークを責めるどころか、自分を責めた。

「い、いや。俺の方こそ、すまない。
エレナ、さっき言いそびれたが、

その白い制服、エレナの薄紫の髪に良く似合ってる。とっても可愛いよ」

微笑んで言うアークに

「アーク様こそ、天から降りていらっしゃったのかと思うほど、とっても素敵です」

と言って微笑み返す。

エレナは本当にそう思っていた。 

銀色の髪と白い制服が、窓から差し込む日の光を帯びて、そのアークの美貌と共に輝いて見えた。

いつ見ても本当に美しい方だけど、初めての制服姿は新鮮で、いつにも増して素敵だわ…

と、エレナはぽーっとなってアークを見つめていた。

相思相愛で幸せな雰囲気を漂わせる2人は、アークのエスコートでエントランスの階段をゆっくり降りると、

アークが乗ってきた王家の馬車へ一緒に乗り込んだ。


やっぱり夢よね?
こんなに優しい笑顔のアーク様が、あんな風に変わってしまうなんてこと、きっとないわ…

私だって、こんなに大好きな人なのに、復讐したい気持ちでいっぱいになるなんて、なんてこわい夢だったのかしら…

エレナはやはり夢だったんだと、確信した。

しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ

汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。 ※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。

【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。

buchi
恋愛
ポーシャは、平民の特待生として貴族の学園に入学したが、容貌もパッとしなければ魔力もなさそうと蔑視の対象に。それなのに、入学早々、第二王子のルーカス殿下はポーシャのことを婚約者と呼んで付きまとう。デロ甘・辛辣・溺愛・鈍感コメディ(?)。殿下の一方通行がかわいそう。ポジティブで金儲けに熱心なポーシャは、殿下を無視して自分の道を突き進む。がんばれ、殿下! がんばれ、ポーシャ? 

白い結婚で結構ですわ。殿下より、私の自由のほうが大事ですので

鍛高譚
恋愛
「第二王子との婚約? でも殿下には平民の恋人がいるらしいんですけど? ――なら、私たち“白い結婚”で結構ですわ。お好きになさってくださいな、殿下」 自由気ままに読書とお茶を楽しむのがモットーの侯爵令嬢・ルージュ。 ある日、突然“第二王子リオネルとの政略結婚”を押しつけられてしまう。 ところが当の殿下は平民の恋人に夢中で、 「形式上の夫婦だから干渉しないでほしい」などと言い出す始末。 むしろ好都合とばかりに、ルージュは優雅な“独身気分”を満喫するはずが…… いつしか、リナという愛人と妙に仲良くなり、 彼女を巡る宮廷スキャンダルに巻き込まれ、 しまいには婚約が白紙になってしまって――!? けれどこれは、ルージュが本当の幸せを掴む始まりにすぎなかった。 自分を心から大切にしてくれる“新しい旦那様”候補が現れて、 さあ、思い切り自由に愛されましょう! ……そして、かの王子様の結末は“ざまぁ”なのか“自業自得”なのか? 自由気ままな侯爵令嬢が切り開く、 “白い結婚破談”からの痛快ざまぁ&本当の恋愛譚、はじまります。

【完結】うちの悪役令嬢はヒロインよりも愛らしい

らんか
恋愛
前世の記憶を思い出した今なら分かる。  ヒロインだからって、簡単に王子様を手に入れていいの?  婚約者である悪役令嬢は、幼い頃から王子妃になる為に、厳しい淑女教育を受けて、頑張ってきたのに。  そりゃ、高圧的な態度を取る悪役令嬢も悪いけど、断罪するほどの事はしていないでしょ。  しかも、孤独な悪役令嬢である彼女を誰も助けようとしない。    だから私は悪役令嬢の味方なると決めた。  ゲームのあらすじ無視ちゃいますが、問題ないよね?

冷遇された令嬢は婚約破棄されましたが、最強王子に一途に溺愛されています

nacat
恋愛
社交界で“地味令嬢”と蔑まれていた侯爵令嬢リシェル。婚約者の王太子が妹を選び、盛大な婚約破棄を言い渡したその瞬間、彼女の運命は大きく動き出す――。 笑顔で去ろうとした彼女を引き止めたのは、冷徹と名高い第二王子。 「君を手放すなど、馬鹿げているな」 裏切りと陰謀の果てに明かされる真実、そして待ち受けるのは“ざまぁ”と“溺愛”の極上ハッピーエンド。 恋と正義が交錯する、痛快王道ラブファンタジー。

【完】相手が宜しくないヤツだから、とりあえず婚約破棄したい(切実)

桜 鴬
恋愛
私は公爵家令嬢のエリザベート。弟と妹がおりますわ。嫡男の弟には隣国の姫君。妹には侯爵子息。私には皇太子様の婚約者がおります。勿論、政略結婚です。でもこればかりは仕方が有りません。貴族としての義務ですから。ですから私は私なりに、婚約者様の良い所を見つけようと努力をして参りました。尊敬し寄り添える様にと努力を重ねたのです。でも無理!ムリ!絶対に嫌!あからさまな変態加減。更には引きこもりの妹から明かされる真実?もう開いた口が塞がらない。 ヒロインに隠しキャラ?妹も私も悪役令嬢?ならそちらから婚約破棄して下さい。私だけなら国外追放喜んで!なのに何故か執着されてる。 ヒロイン!死ぬ気で攻略しろ! 勿論、やられたら倍返ししますけど。 (異世界転生者が登場しますが、主人公は異世界転生者では有りません。) 続編として【まだまだ宜しくないヤツだけど、とりあえず婚約破棄しない。】があります。

その結婚は、白紙にしましょう

香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。 彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。 念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。 浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」 身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。 けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。 「分かりました。その提案を、受け入れ──」 全然受け入れられませんけど!? 形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。 武骨で不器用な王国騎士団長。 二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

処理中です...