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16話 方向音痴のエレナ
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———ワイワイ、ザワザワ
「エレナ、どこ行くの?こっちだよ」
そう言って、たくさんの生徒で混雑する中、違うグループに紛れ込もうとしていたエレナの手をフェリスが掴んで引き寄せた。
「あっ、ありがとう、フェリス」
「グループからはぐれないようにね?エレナ?」
慌てるエレナを安心させるようにフェリスは優しく微笑んで言った。
「エレナ、俺の腕に掴まってるといい」
そう言ってアークが腕を差し出した。
それを見たフェリスは、
「兄上、それはエレナが可哀想ですよ?
入学したての学園の合宿で、こんなに生徒が大勢いる中、男子の腕に女子が手を添えて歩くなんて、
いくら婚約者といえど、悪目立ちしてしまいますよ?」
苦笑いしてそう言うと、エレナをマーガレットのそばへそっと近づけて、
「マーガレット?君は頼りになるから、一緒にそばにいてあげてくれるかい?」
と優しく微笑んで言った。
「もっ、もちろんですわ!私にお任せください!」
フェリスに頼まれたことと、エレナの一番近くにいられることに大興奮したマーガレットは、鼻息を荒くして頼みに応じた。
「ごめんね?マーガレット。私ちょっと方向音痴なところがあって、迷ったらもうお終いなの」
エレナはバツが悪そうに笑う。
「そうなのね。エレナ!大丈夫よ!
私方向感覚はバッチリだから、任しておいて!」
胸を張ってそう言うマーガレットに、
「ありがとう、マーガレット、大好き」
とエレナが微笑んで言うと、マーガレットは倒れそうになり、それをフェリスが
「おっと、大丈夫かい?」
と、背中を支えてくれたものだから、
エレナとフェリスのサンドイッチ状態に、
もういつ死んでもいい…
神よ、ありがとうございます
と心で神にお礼を言いながら、
「あっ、すみません、大丈夫です」
と現実ではすぐにフェリスに謝って、慌ててマーガレットは体勢を立て直した。
その様子を見たアークは、
「みんな疲れたらすぐに声掛けてくれよ?
魔物討伐の場所までもう少し歩かないといけないから、女子の足ではキツイかもしれない。
ゆっくり行くが、早ければ遠慮なく言ってくれ」
と、遠慮させないように優しく微笑んでそう言った。
「ありがとうございます、アーク様」
「ありがとうございます、アーク殿下」
と、エレナとマーガレットは同時にお礼を言うと、揃ったのがおかしくて、2人は顔を見合わせた。
「エレナ、どこ行くの?こっちだよ」
そう言って、たくさんの生徒で混雑する中、違うグループに紛れ込もうとしていたエレナの手をフェリスが掴んで引き寄せた。
「あっ、ありがとう、フェリス」
「グループからはぐれないようにね?エレナ?」
慌てるエレナを安心させるようにフェリスは優しく微笑んで言った。
「エレナ、俺の腕に掴まってるといい」
そう言ってアークが腕を差し出した。
それを見たフェリスは、
「兄上、それはエレナが可哀想ですよ?
入学したての学園の合宿で、こんなに生徒が大勢いる中、男子の腕に女子が手を添えて歩くなんて、
いくら婚約者といえど、悪目立ちしてしまいますよ?」
苦笑いしてそう言うと、エレナをマーガレットのそばへそっと近づけて、
「マーガレット?君は頼りになるから、一緒にそばにいてあげてくれるかい?」
と優しく微笑んで言った。
「もっ、もちろんですわ!私にお任せください!」
フェリスに頼まれたことと、エレナの一番近くにいられることに大興奮したマーガレットは、鼻息を荒くして頼みに応じた。
「ごめんね?マーガレット。私ちょっと方向音痴なところがあって、迷ったらもうお終いなの」
エレナはバツが悪そうに笑う。
「そうなのね。エレナ!大丈夫よ!
私方向感覚はバッチリだから、任しておいて!」
胸を張ってそう言うマーガレットに、
「ありがとう、マーガレット、大好き」
とエレナが微笑んで言うと、マーガレットは倒れそうになり、それをフェリスが
「おっと、大丈夫かい?」
と、背中を支えてくれたものだから、
エレナとフェリスのサンドイッチ状態に、
もういつ死んでもいい…
神よ、ありがとうございます
と心で神にお礼を言いながら、
「あっ、すみません、大丈夫です」
と現実ではすぐにフェリスに謝って、慌ててマーガレットは体勢を立て直した。
その様子を見たアークは、
「みんな疲れたらすぐに声掛けてくれよ?
魔物討伐の場所までもう少し歩かないといけないから、女子の足ではキツイかもしれない。
ゆっくり行くが、早ければ遠慮なく言ってくれ」
と、遠慮させないように優しく微笑んでそう言った。
「ありがとうございます、アーク様」
「ありがとうございます、アーク殿下」
と、エレナとマーガレットは同時にお礼を言うと、揃ったのがおかしくて、2人は顔を見合わせた。
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