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57話 死に戻りってなんだ?

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「つまり俺が、さっき出会った女生徒のカトリーナを好きになって、邪魔になったエレナやお前のことを、その女と一緒になって毒殺したり処刑したというのか⁇

なんだ、それ⁉︎

馬鹿馬鹿しいにもほどがあるぞ?

なんで俺がこんなに大事なエレナと別れた挙句に殺すんだよ?しかもフェリスのことまで毒殺するなんて、ありえないだろう?」

エレナの夢の話を聞いたアークは笑い飛ばしたが、エレナとフェリスに大真面目な顔で見つめられ、

2人が冗談を言っているとも思えなかったので、アークの顔から笑顔が消えた。

「…まさか…本当なのか?」

確認してくるアークに、2人は無言で頷き返した。

「予知夢、…なのか?」

「違います」

フェリスは断言した。

「じゃあ、なんだ?」

「それは……死に戻りです」

死に戻りと聞いて恐ろしくなったエレナは、アークにまたしがみついた。

「うわっ、エレナ⁈」

と、アークはびっくりしたが、聞いた内容が半信半疑ではあっても、エレナがこんなに辛そうにしていることは事実なのだから好きにさせてやろうと、抱きつかれたままで背中を撫でる。

アークはそのままフェリスを見て、不思議そうな顔で聞いた。

「フェリス、お前の言う死に戻りとは…なんだ?」

「はい、…死んでから、もう一度同じ人生を、ある地点に戻って繰り返すことです」

アークが理解するかはわからないが、ここまで来たら教えた方が得策だと思ったフェリスは、冷静に説明する。

「なんだって⁉︎…じゃあ、それがもし本当だと言うなら、エレナやお前は本当に死んで、また戻ってるってことか?俺も、お前も、エレナも?何度も繰り返してるのか?」

「そうなるでしょうね」

「じゃあなんで俺だけその記憶がない?」

「それは場合によるんじゃないでしょうか?エレナも僕も全て覚えているとは限りませんよ」

エレナも実際は何度も繰り返している死に戻りの全ては覚えていない。

とにかくフェリスもよくわからないややこしい質問は適当に返した。
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