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72話 勲章
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———何も出来ないまま、1週間が経ち、その間にもカトリーナは教会での治療活動を続け、王都民の聖女人気は確かなものとなっていった…
「大変だ!エレナ!フェリス!」
王宮書庫の見ていない本棚も、ついに終わりに差し掛かり、最後の本棚にエレナとフェリスで取り掛かろうとしていると、
アークが書庫内に慌てて駆け込んできた。
「どうしたの兄上?そんなに慌てて」
「はぁ、はぁ、まずいことになった!」
アークは息を切らせながら話した。
よっぽどな事が起きたのだと悟ったフェリスとエレナはアークを不安気に見る。
「あの女!父上に謁見してしまった‼︎」
「⁈」
「なんだって⁈」
エレナは青ざめて口を手で覆い、フェリスは険しい表情で驚いた。
「それが、王都民を助ける高尚な聖女に勲章を与えるとかで、呼び出されていたらしい。
ただ、聖女を王妃にと推す声が上がっていたから、父上が気を遣って俺たちに何も教えなかったみたいだ。
先程王宮から出ていく女の姿があの女に似てたから、気になって衛兵に問い詰めたら分かったんだ。
…クソっ、もっと早く分かっていれば止められたのに!」
「…そんな…じゃあもしかして…陛下は闇魔法で洗脳されたということ…?」
エレナは嫌な予感がした。
「…間違いないだろうな」
アークは軽く俯いて、悔しそうに顔を歪めた。
フェリスはずっと黙っている。
「大変だ!エレナ!フェリス!」
王宮書庫の見ていない本棚も、ついに終わりに差し掛かり、最後の本棚にエレナとフェリスで取り掛かろうとしていると、
アークが書庫内に慌てて駆け込んできた。
「どうしたの兄上?そんなに慌てて」
「はぁ、はぁ、まずいことになった!」
アークは息を切らせながら話した。
よっぽどな事が起きたのだと悟ったフェリスとエレナはアークを不安気に見る。
「あの女!父上に謁見してしまった‼︎」
「⁈」
「なんだって⁈」
エレナは青ざめて口を手で覆い、フェリスは険しい表情で驚いた。
「それが、王都民を助ける高尚な聖女に勲章を与えるとかで、呼び出されていたらしい。
ただ、聖女を王妃にと推す声が上がっていたから、父上が気を遣って俺たちに何も教えなかったみたいだ。
先程王宮から出ていく女の姿があの女に似てたから、気になって衛兵に問い詰めたら分かったんだ。
…クソっ、もっと早く分かっていれば止められたのに!」
「…そんな…じゃあもしかして…陛下は闇魔法で洗脳されたということ…?」
エレナは嫌な予感がした。
「…間違いないだろうな」
アークは軽く俯いて、悔しそうに顔を歪めた。
フェリスはずっと黙っている。
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