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74話 洗脳には抗えない
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2人はエレナを書庫へ迎えに行き、アークの執務室に集まった。
王に言われたことをエレナにも説明したが、もう既に覚悟ができていたのか、エレナは驚かなかった。
「アーク様、私考えていたのですが…
もしこの無効化の魔法が訓練次第でいつでも使えるようになったり、
もしかしたらカトリーナさんの闇魔法自体を取り除ける可能性があるなら、
私は今すぐにでも研究所へ行ってやれることをやりたいと思います。
その間、アーク様はカトリーナさんと婚約してしまったとしても、
カトリーナさんが卒業するまでに私がどうにかできれば、その婚約を解消できるはず。
私はフェリス殿下にもこの無効化の魔法の噂のせいでご迷惑をおかけしたくはないですから、訓練中はどなたとも婚約は致しません。
それは父の方から陛下に進言して頂き、どうにかしたいと思います。
婚約破棄をのむのですから、そのくらいのことはさすがの王でも聞いてくださるはず。
アーク様、フェリス殿下、どうでしょう、この考え?」
「……魔女が見つからないとあっては、方法はそれしかないのか…
……ではこうしよう。
俺はエレナとはいったん形式上婚約解消はするが、カトリーナが卒業するまでは俺も誰とも婚約しない。
なんとかそれで父上を説得してみよう。
フェリス、お前はそれで構わないか?」
「…ええ、もちろんです」
アークの問いかけに、フェリスは少し悲し気に微笑んで了承した。
その2日後、アークとエレナの父が、王を説得しに行ったが、
洗脳された王は受け入れることはなかった。
2人とも粘ったが、どうにもならず、
結局、婚約解消と、新たな婚約の正式発表が1ヶ月後に大々的に行われることになってしまった。
それを聞いたエレナは、前の時のことを無意識に思い出し、あの時の辛かった気持ちまで蘇ってきて、嗚咽した。
アークはエレナを抱きしめて落ち着かせようとしたが、泣き疲れて眠るまでエレナは泣き止まなかった。
フェリスはその様子を見て、黙って部屋を後にし、自室に籠ると、
公爵家へと帰っていくエレナの乗った馬車を、窓から悲しい目をして見送った。
王に言われたことをエレナにも説明したが、もう既に覚悟ができていたのか、エレナは驚かなかった。
「アーク様、私考えていたのですが…
もしこの無効化の魔法が訓練次第でいつでも使えるようになったり、
もしかしたらカトリーナさんの闇魔法自体を取り除ける可能性があるなら、
私は今すぐにでも研究所へ行ってやれることをやりたいと思います。
その間、アーク様はカトリーナさんと婚約してしまったとしても、
カトリーナさんが卒業するまでに私がどうにかできれば、その婚約を解消できるはず。
私はフェリス殿下にもこの無効化の魔法の噂のせいでご迷惑をおかけしたくはないですから、訓練中はどなたとも婚約は致しません。
それは父の方から陛下に進言して頂き、どうにかしたいと思います。
婚約破棄をのむのですから、そのくらいのことはさすがの王でも聞いてくださるはず。
アーク様、フェリス殿下、どうでしょう、この考え?」
「……魔女が見つからないとあっては、方法はそれしかないのか…
……ではこうしよう。
俺はエレナとはいったん形式上婚約解消はするが、カトリーナが卒業するまでは俺も誰とも婚約しない。
なんとかそれで父上を説得してみよう。
フェリス、お前はそれで構わないか?」
「…ええ、もちろんです」
アークの問いかけに、フェリスは少し悲し気に微笑んで了承した。
その2日後、アークとエレナの父が、王を説得しに行ったが、
洗脳された王は受け入れることはなかった。
2人とも粘ったが、どうにもならず、
結局、婚約解消と、新たな婚約の正式発表が1ヶ月後に大々的に行われることになってしまった。
それを聞いたエレナは、前の時のことを無意識に思い出し、あの時の辛かった気持ちまで蘇ってきて、嗚咽した。
アークはエレナを抱きしめて落ち着かせようとしたが、泣き疲れて眠るまでエレナは泣き止まなかった。
フェリスはその様子を見て、黙って部屋を後にし、自室に籠ると、
公爵家へと帰っていくエレナの乗った馬車を、窓から悲しい目をして見送った。
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