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83話 悪巧み

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「君にしか言えない話なんだけど…」

と特別感を持たせ、フェリスは真顔になってカトリーナを見つめながら話し始める。

「これはまだ発表前だから内緒なんだけど、兄上とエレナが婚約解消する予定なんだ」

それを聞いたカトリーナは内心バンザイして大喜びしたが、今はにやけないよう、なんとか堪えた。

「そうなったのは、君が聖女として王妃の座に就くよう、民衆からも王からも望まれているからなんだよ?

それに父上からは、兄上と婚約解消したエレナを、今度は僕の婚約者として迎えるようにも言われてるんだ。

…僕とカトリーナは両思いなのに、このままだったらお互い別の人と婚約させられてしまうんだよ?

でも逆に考えると…

あの二人がいなくなれば、弟の僕が繰り上がって王になれるし、君を王妃に迎える事ができると思うんだ。

ねえ、…これって…どう思う?」

「⁉︎」

カトリーナは口に手を当てて目を瞠った。


そ、それって、つまり?
二人を殺すってこと⁇

え、まずくない?だって相手は第一王子よ?
でも…たしかにそうすれば、闇魔法なしで私を好きなこの王子と結婚できる上に、王妃にもなれるのね…

それ、もしかして一番いいんじゃない?

しかもあのエレナって女、いい子ぶってて本当に嫌いだし、いなくなればいいと思ってたから、ちょうどいいじゃない!

うん、その話のった!

それにしてもこの第二王子、私のこと好き過ぎじゃない⁉︎結婚詐欺なんてとんでもないわ。

好き過ぎて盲目になるってこういうことなのね!
納得!


完全に信用したカトリーナは、フェリスを見つめて口を開いた。

「…私もフェリス殿下と結婚したいです…

でもそれが叶わないなら、フェリス様のおっしゃるような方法も…あるのかと…」

「カトリーナ!ありがとう!わかってくれて嬉しいよ!」

フェリスはそう言ってカトリーナを抱きしめると、耳元に口を寄せて、小さな声で囁いた。

「でも王子と公爵家の娘なんて、…どうやってヤればいいと思う?」

カトリーナは、ハッと思い出す。あの魔女と毒の事を。

「そっ、それなら私、実は1つあてがありますっ」

「あて?」

フェリスは体を離して、顔を覗き込みながら聞き返した。

「え、ええ。あの、これは本当に内緒にして貰いたいんですけど…実は私、知り合いの魔女がいるんです」

「なんだって⁈」

フェリスはわざと大袈裟に驚いて見せる。

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