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29話 狼
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「なっ、なんだ!これは‼︎一体どうなってる⁉︎」
地下牢に降りたマクロスはその惨状をみて叫んだ。見張りの兵士たちが皆倒れ、意識を失っている。
マクロスは嫌な予感が頭をよぎり、急いでカイルを入れていた牢のそばへ走った。
「……っ⁉︎」
あまりに尋常ではない光景を目の当たりにし、マクロスは言葉を失った。
マクロスが見たものは、太い鉄の柵がぐにゃりとまるで細い針金かのように曲げられ、その牢の中はもぬけの殻で、繋いでいた鎖はいとも容易く引きちぎられていた。
「…こんな力…兄上ではない…協力者がいるのか⁉︎」
そう言ったマクロスは、すぐに兵士のところへ行くと、
「おい!起きろ!大丈夫か⁉︎」
見たところ兵士たちに怪我はない。当て身を食らい意識を失っているだけのようだった。
しかしそばに落ちていた剣には血が付いている。
「ぅゔっ…」
「おい!しっかりしろ!どうなってるんだこれは⁉︎何があった⁉︎」
「ぅゔっ…お、狼が…大きな銀色の…狼が…」
「狼⁉︎狼が兄上を逃したと言うのかっ⁉︎」
「わ…わかりません。…気づいたら狼が地下牢にいて…やられました…申し訳…ございません」
「いい!ではこの剣についている血は誰のものだ⁉︎兄上を斬ったのか⁉︎」
「い、いえ、飛びかかってきた狼を…斬りつけた時の血です…」
「…わかった…お前たちは少し休んでいろ」
そう言ってマクロスは地下牢を急いで出ると、兵をかき集め狼とカイルを捜索した。
(兄上は狼使いなのか?戦争でその技を身につけたのだろうか…?
しかし、狼を見たものがいるのは事実。
それにあの鉄の柵を曲げられるとなると、相当な大型か?
…心してかからねば、人と戦うのとは違う難しさがあるだろうな)
そう覚悟していたが、結局その狼もカイルのこともマクロスは見つけることが出来なかった。
地下牢に降りたマクロスはその惨状をみて叫んだ。見張りの兵士たちが皆倒れ、意識を失っている。
マクロスは嫌な予感が頭をよぎり、急いでカイルを入れていた牢のそばへ走った。
「……っ⁉︎」
あまりに尋常ではない光景を目の当たりにし、マクロスは言葉を失った。
マクロスが見たものは、太い鉄の柵がぐにゃりとまるで細い針金かのように曲げられ、その牢の中はもぬけの殻で、繋いでいた鎖はいとも容易く引きちぎられていた。
「…こんな力…兄上ではない…協力者がいるのか⁉︎」
そう言ったマクロスは、すぐに兵士のところへ行くと、
「おい!起きろ!大丈夫か⁉︎」
見たところ兵士たちに怪我はない。当て身を食らい意識を失っているだけのようだった。
しかしそばに落ちていた剣には血が付いている。
「ぅゔっ…」
「おい!しっかりしろ!どうなってるんだこれは⁉︎何があった⁉︎」
「ぅゔっ…お、狼が…大きな銀色の…狼が…」
「狼⁉︎狼が兄上を逃したと言うのかっ⁉︎」
「わ…わかりません。…気づいたら狼が地下牢にいて…やられました…申し訳…ございません」
「いい!ではこの剣についている血は誰のものだ⁉︎兄上を斬ったのか⁉︎」
「い、いえ、飛びかかってきた狼を…斬りつけた時の血です…」
「…わかった…お前たちは少し休んでいろ」
そう言ってマクロスは地下牢を急いで出ると、兵をかき集め狼とカイルを捜索した。
(兄上は狼使いなのか?戦争でその技を身につけたのだろうか…?
しかし、狼を見たものがいるのは事実。
それにあの鉄の柵を曲げられるとなると、相当な大型か?
…心してかからねば、人と戦うのとは違う難しさがあるだろうな)
そう覚悟していたが、結局その狼もカイルのこともマクロスは見つけることが出来なかった。
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