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24章-2 魔の大陸-魔人が治める国
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シェリーに向かられた無数の氷の刃。例え、最初の刃を交わしたとしても、四方八方から結界内に満たされた氷の刃が次々に襲って来ることになるだろう。
そして、例え全ての氷の刃を避けたとしてもプラエフェクト将軍の魔剣が襲って来るはずだ。
しかし、シェリーはその無数の氷の刃の前でも表情に変わりはなくいつもどおり無表情である。
ただ、いつもどおりの姿だ。そして、一言呟く。
「『白き業火の灰燼』」
シェリーを中心に白い炎が燃え広がった。白き炎が氷の刃を燃やし尽くしていく。
全ての氷の刃が白き炎に包まれた。シェリーの白き炎が結界の内側を舐めるように蹂躙していく。その炎が揺らめき、白き炎の中から禍々しい魔力を纏った魔剣がシェリーに向かってきた。プラエフェクト将軍が炎の中を抜けてシェリーに魔剣を振るってきたのだ。
その剣をシェリーは受け流し、黒刀を向け攻撃をするが、弾かれ、振るわれ、往なし、突きつけられ、魔剣と魔刀で互いを互いでぶつけ合う。
その間でもプラエフェクト将軍は炎の刃を風の刃を氷の刃を放ち続ける。それをシェリーは結界で、または白い炎で撃ち落とす。
武器を振るいながら、魔術も放ち続ける。これがプラエフェクト将軍の戦い方だ。エルフ族の特有の魔力の多さに加え、凶悪な魔剣を扱いきる武力を持つことで、世界を蹂躙したのだ。
「なんか。すげー」
結界の外で見ていたオルクスの感想だ。ただ、それしか言えないようだ。
「これが猛将プラエフェクト将軍の力。あの複数の魔術の連続技。あんな使い方はありえない」
スーウェンからすれば、プラエフェクト将軍の魔術の使い方が普通ではない使い方のようだ。
「はぁ、なんだか頭が痛くなってきたわ。この部屋であれほど動けるなんて、それも宙に浮いているし」
オーウィルディアは頭が痛いと片手で頭を押さえている。そう、シェリーが宙に、最小の盾の上に立っているということは、攻撃しているプラエフェクト将軍も宙に浮いているということだ。
恐らく今は廃れてしまった浮遊の魔術を使っているのだろう。
浮遊の魔術を使いながら、複数の属性の魔術を連発し、魔剣の制御も行い攻撃をしている。それはスーウェンが信じられないという表情をするはずだ。
「これは流石に私では無理だったな」
そんな事を言いながら、ミゲルロディアが弟のオーウィルディアいる場所にやってきた。今までミゲルロディアは結界の反対側にいたのだ。
超越者と呼ばれる者の力を間近で見て、自分では手に負えないと感じたのだろう。
彼らはシェリーとプラエフェクト将軍の戦いを部屋の端で見ていた。カイルはただ一人結界の側で二人の戦いの成り行きを見ていた。その手には大剣が握られている。いざとなれば、全力で結界を叩き斬るつもりなのだろう。
赤き炎の結界の中では二人の猛攻が続いていた。
「小娘。まだ、本気を出さないのか?」
プラエフェクト将軍がシェリーに向かって、剣を振りながらそんな事を言った。シェリーの本気。
「5人で戦っているときは、なりふり構わず魔術を連発して、その魔眼もつかっていたが、使わないのか?」
「魔眼を使う必要性を感じません。それに、将軍も本気を出していませんし、ただ、この場で互いがなりふり構わず力を奮えば部屋を壊す事になるではないですか」
魔眼を使う必要が感じられないと言ったシェリーの言葉にプラエフェクト将軍は笑った。声を上げて高々に笑った。
「ハハハッ!必要性を感じない?俺如きではということか!」
プラエフェクト将軍は笑いながら怒っていた。怒りを顕にするプラエフェクト将軍に対しシェリーは淡々と答える。
「私は将軍を負かしたラースの当主ではないですよ」
「そうだ!あいつもそう言ったのだ!俺に魔眼を使う必要は無いと!馬鹿にしたように言い切ったあのラース!」
シェリーはその言葉にため息を吐く。恐らく馬鹿にはしていないだろう。ラースの魔眼はチートの中のチート物だ。逆らう者でもその意思に反して従わせることができるものだ。
その魔眼の使い手にもよるが、プラエフェクト将軍に平伏せと命じれば、将軍は従うしかない。
だが、シェリーは魔眼を使う必要性を感じないと言ったのは事実だ。これは手合わせだ。そんな魔眼を使う行為は意味をなさない。
プラエフェクト将軍が言っているラースの当主のことはわからないが、彼も何かしらの思いがあって、プラエフェクト将軍に魔眼を使う事に意味がないと思ったのだろう。
「ラース!!何が女神のお言葉だ。何処が俺が哀れなんだ!答えろ!ラース!!」
プラエフェクト将軍は生前ラース当主に向けた怒りをシェリーに向けて言い放った。本当に八つ当たりだ。
シェリーにわかるはずもない言葉を投げかけられたが、シェリーはプラエフェクト将軍の魔剣を弾き返し言った。
「それはスピリトゥーリ様の言葉の意味を履き違えたからですよ。女神ナディア様は信仰を失えば力を衰える神々の怒りが向けられる貴方に対して哀れんだ。愚か者だと」
「ラース!!!!」
そして、例え全ての氷の刃を避けたとしてもプラエフェクト将軍の魔剣が襲って来るはずだ。
しかし、シェリーはその無数の氷の刃の前でも表情に変わりはなくいつもどおり無表情である。
ただ、いつもどおりの姿だ。そして、一言呟く。
「『白き業火の灰燼』」
シェリーを中心に白い炎が燃え広がった。白き炎が氷の刃を燃やし尽くしていく。
全ての氷の刃が白き炎に包まれた。シェリーの白き炎が結界の内側を舐めるように蹂躙していく。その炎が揺らめき、白き炎の中から禍々しい魔力を纏った魔剣がシェリーに向かってきた。プラエフェクト将軍が炎の中を抜けてシェリーに魔剣を振るってきたのだ。
その剣をシェリーは受け流し、黒刀を向け攻撃をするが、弾かれ、振るわれ、往なし、突きつけられ、魔剣と魔刀で互いを互いでぶつけ合う。
その間でもプラエフェクト将軍は炎の刃を風の刃を氷の刃を放ち続ける。それをシェリーは結界で、または白い炎で撃ち落とす。
武器を振るいながら、魔術も放ち続ける。これがプラエフェクト将軍の戦い方だ。エルフ族の特有の魔力の多さに加え、凶悪な魔剣を扱いきる武力を持つことで、世界を蹂躙したのだ。
「なんか。すげー」
結界の外で見ていたオルクスの感想だ。ただ、それしか言えないようだ。
「これが猛将プラエフェクト将軍の力。あの複数の魔術の連続技。あんな使い方はありえない」
スーウェンからすれば、プラエフェクト将軍の魔術の使い方が普通ではない使い方のようだ。
「はぁ、なんだか頭が痛くなってきたわ。この部屋であれほど動けるなんて、それも宙に浮いているし」
オーウィルディアは頭が痛いと片手で頭を押さえている。そう、シェリーが宙に、最小の盾の上に立っているということは、攻撃しているプラエフェクト将軍も宙に浮いているということだ。
恐らく今は廃れてしまった浮遊の魔術を使っているのだろう。
浮遊の魔術を使いながら、複数の属性の魔術を連発し、魔剣の制御も行い攻撃をしている。それはスーウェンが信じられないという表情をするはずだ。
「これは流石に私では無理だったな」
そんな事を言いながら、ミゲルロディアが弟のオーウィルディアいる場所にやってきた。今までミゲルロディアは結界の反対側にいたのだ。
超越者と呼ばれる者の力を間近で見て、自分では手に負えないと感じたのだろう。
彼らはシェリーとプラエフェクト将軍の戦いを部屋の端で見ていた。カイルはただ一人結界の側で二人の戦いの成り行きを見ていた。その手には大剣が握られている。いざとなれば、全力で結界を叩き斬るつもりなのだろう。
赤き炎の結界の中では二人の猛攻が続いていた。
「小娘。まだ、本気を出さないのか?」
プラエフェクト将軍がシェリーに向かって、剣を振りながらそんな事を言った。シェリーの本気。
「5人で戦っているときは、なりふり構わず魔術を連発して、その魔眼もつかっていたが、使わないのか?」
「魔眼を使う必要性を感じません。それに、将軍も本気を出していませんし、ただ、この場で互いがなりふり構わず力を奮えば部屋を壊す事になるではないですか」
魔眼を使う必要が感じられないと言ったシェリーの言葉にプラエフェクト将軍は笑った。声を上げて高々に笑った。
「ハハハッ!必要性を感じない?俺如きではということか!」
プラエフェクト将軍は笑いながら怒っていた。怒りを顕にするプラエフェクト将軍に対しシェリーは淡々と答える。
「私は将軍を負かしたラースの当主ではないですよ」
「そうだ!あいつもそう言ったのだ!俺に魔眼を使う必要は無いと!馬鹿にしたように言い切ったあのラース!」
シェリーはその言葉にため息を吐く。恐らく馬鹿にはしていないだろう。ラースの魔眼はチートの中のチート物だ。逆らう者でもその意思に反して従わせることができるものだ。
その魔眼の使い手にもよるが、プラエフェクト将軍に平伏せと命じれば、将軍は従うしかない。
だが、シェリーは魔眼を使う必要性を感じないと言ったのは事実だ。これは手合わせだ。そんな魔眼を使う行為は意味をなさない。
プラエフェクト将軍が言っているラースの当主のことはわからないが、彼も何かしらの思いがあって、プラエフェクト将軍に魔眼を使う事に意味がないと思ったのだろう。
「ラース!!何が女神のお言葉だ。何処が俺が哀れなんだ!答えろ!ラース!!」
プラエフェクト将軍は生前ラース当主に向けた怒りをシェリーに向けて言い放った。本当に八つ当たりだ。
シェリーにわかるはずもない言葉を投げかけられたが、シェリーはプラエフェクト将軍の魔剣を弾き返し言った。
「それはスピリトゥーリ様の言葉の意味を履き違えたからですよ。女神ナディア様は信仰を失えば力を衰える神々の怒りが向けられる貴方に対して哀れんだ。愚か者だと」
「ラース!!!!」
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