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25章-3 冬期休暇-火種は既に落とされていた
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しおりを挟む「ふむ。できなくもないが、そなたの魔力量を一度に放出することは無理であるぞ」
リブロ神は高魔力者であるユーフィアの魔力にいくら強化しようともその多さに魔脈は耐えれないと言った。
「え?そこまではいいです。ただ、もう少しと思うことが最近よくあるので」
ユーフィアもそこまでは望んでいないようだった。
「いいだろう。そなたに魔道を極める道を指し示そうぞ」
そう言ってリブロ神は姿を消した。····いや、ちょっと待って欲しい。結局何も解決していないのではないのだろうか。そう思ったシェリーは思わず舌打ちをする。
「何をしに出てきたのでしょう」
「あ?お前が以前脅したからだろう?」
シェリーの問いにクロードがリブロ神が言った言葉をシェリーの脅しに耐えれなかったと解釈したのだ。間違いではない。間違いではないが、それは失敬なテロス神を脅しただけで、リブロ神を脅したわけではない。
「あの?先程言っていた高魔力が必要だという件ですが、永久駆動の魔力発生装置を作れますよ?」
その言葉にクロードとシェリーがユーフィアに視線を向ける。永久駆動の魔力発生装置。それは夢のようなものではないのだろうか。
「えーっとですね。構想は元々ありまして、こう六角形の「ユーフィアさん簡単に説明をお願いします」···はい」
ユーフィアはその永久駆動の魔力発生装置の説明をしだそうとしているところをシェリーがぶった斬る。ユーフィアが喜々として説明をしだすと一から説明をしだすので長いのだ。
「魔道具を作ったというところまでいったのですが、一気に大量の魔力を送り込むことで加速回転させるというものです。最高速度まで行くとそこから停止することなく回転し、なんと!魔力を発生し続けるのですよ!」
それで、一気に魔力を放出することが必要だったのだ。恐らくそんなことで手つかずになっている魔道具の数々があるのだろう。
「そういうことなので、国からユーフィアさんに魔道具の作成依頼を出せば全て解決です」
シェリーはイーリスクロムの方に視線を向けてみるが、座っていたはずのイーリスクロムの姿が無かった。いや、ユーフィアの側に居たはずのクストの姿もいつの間にか消えていた。
どこにいるのか、シェリーからはローテーブルの影に隠れて見えないが、二人共床にうずくまっていた。
いや、シェリーとクロードとユーフィア以外の者達が床に跪いているのだ。その中でもカイルはリブロ神の姿が消え去って直ぐにシェリーの側に戻っていた。流石シェリーの側にいて何度も神に出会っていれば、立ち直るのも早くなっているようだ。
「なんで、この前の時もそうだったけれど、神がこの地に姿を顕すのかなぁ。普通は有り得ないことだよ?」
若干震えながらイーリスクロムは先程座っていた席にヨタヨタと戻っていく。そして、クストはユーフィアの側に行き、加護を得られて良かったなと尻尾を大いに振って喜んでいる。それとは正反対にグレイはシェリーに全然動けなかったと、三角の耳がへにょんと垂れ謝っていた。
「あ?神如きにびびんな。肩組んで酒を飲むぐらいの気概でいけ」
クロードは神の前ではその圧倒的な力に地面に膝をつき頭を垂れるしかない者達に肩を組んで酒でも飲めと言う。選ばれし者ではない者達にとっては厳しい言葉だ。しかし、クロードの言い分だと本当に獣王神というものと酒飲み友達のようだ。
「爺様、無理です」
クロードの言葉にクストが反論する。それも致し方がない。
「ああ?何言ってんだ?クスト。お前、獣王神から加護を得てるだろ?酒ぐらい捧げろ」
「え?」
「中途半端だが、獣化できてるのは加護を得ているからだ。火酒がいい。これは良いって気にっていたからな」
「獣王神から加護を?」
困惑気味なクストを一瞥したクロードはイーリスクロムに視線を向ける。
「若王。有り得ないということはない。きちんと現実を受け入れろ。そして、己のやるべきことを判断しろ。この国の一番の敵はなんだ?それは何処にいる?国の外側か内側か。使えるものは何でも使え、ヴァレーニのようにずる賢く生きろ」
クロードはそれの言葉を残して突然消えた。もうこの場には必要ないとい言わんばかりに世界からの強制解除の横槍が入ったのだ。
この国を長年支えてきたクロードの言葉だ。とても重みのある言葉だ。その言葉に今は誰も座っていないソファに向かってイーリスクロムは頭を下げていた。
「クロードさんも強制的に還らされたので、私も帰ります」
シェリーも用が終わったと言わんばかりに立ち上がった。シェリーと共にカイルとグレイも立ち上がる。
「え?結局、僕が呼ばれた意味あった?」
帰ろうとするシェリーに対してイーリスクロムが呼び止める。結局イーリスクロムは報告を受けたのみだった。ならば、議会で報告という形でも良かったのではないのかと。
そんなイーリスクロムをシェリーはクソ虫でも見るような視線を向ける。
「クロードさんから色々助言を受けてそれを言うのですか?」
このクソ狐はいったい何を聞いていたのだろうかという視線だった。
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