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28章 穢れと鬼
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「いいか。さっさとあの怪しい魔術をなんとかしろ!」
クストはいつまでも上空にある怪しい光る陣を指しながら言う。日が落ちてしまったので、余計に西区第二層の上空に怪しいものがあるのが余計に目立ってしまっていた。
「それをオリバーに言ってきてください。第六師団長さん」
シェリーはオリバーに言うように示唆する。
「ちっ!」
シェリーに言われたクストは舌打ちをしながら、オリバーの元に向かっていった。
共に討伐戦を戦った仲だろうか。躊躇なくクストはシェリーに背を向ける。
「おい。カークス魔導師長」
「ナヴァル第2058突撃部隊長か」
昔の名で呼び合う二人。
「何の用だね?」
「研究馬鹿は変わらないな。取り敢えず、これをなんとかしろ!第六師団にクレームが入ってくるんだ!そこに大魔女がいるならそっちに聞け!」
「残念ながら、新たに作られた魔術なものでね。ああ、そう言えばコレが、島を守る結界がこの王都にあると言っているのだが、回収をしてもいいかね?」
「あ?結界?何か聞いたことがあるな。たぶんそっちは第三師団の管轄だ」
その話は黒狼クロードが言っていたことだろう。ナヴァル家の祖先の手記に残された結界の残骸のことだ。
「で?何故、そんなものが必要なんだ?今存在しないということは、壊れた魔道具関連のことだろう?」
「もともとあった防御結界を再構築してみるのも面白いと思ってな」
「お前はそういうヤツだよ。はぁ、一度文句を直接言いたかった」
クストはため息をつきながら、オリバーを睨みつける。そして離れたところにいるシェリーを指し示した。
「あのナオフミの娘なら、教育をきちんとしておけ!あれの非常識をそのまま受け継いでいるじゃないか!」
一度も勇者ナオフミと暮らしたことがないシェリーだが、異世界の常識を持った者同士同じ扱いをされていた。
「俺に子育ては無理だね」
ズバッと言い切るオリバー。確かに息子のルークはシェリーが育てたので、教育というものは魔術のことぐらいだろう。
しかもそれも、師と弟子という関係に近かった。
「そういうヤツだっていうのは、分かっていたが、言いたかっんだ……はぁ」
クストが保護者であるオリバーに文句を言いたかったのも理解できる。何かとシェリーが起こす問題の被害にあってきたのが、第六師団と第五師団だからだ。
「壊れた結界のことは第三師団の管轄だが、その辺りはそこの嬢ちゃんが関わっているから、そっちに頼めば良い。あとそれをさっさと消せ!」
そう言ってクストは副師団長のルジオーネと共に帰って行った。
第0師団の采配を任されたシェリーが第三師団長を引っ張り込んだのだ。しかし、現状シェリーが女神ナディアによって、二ヶ月間離れていたため、放置されている状態だった。
「あっ!そう言えば陽子さんに言われて、上水の件は対応しておいたぞ!」
シュロスはドヤ顔でシェリーの方に親指を立てながら言う。そして陽子と言えば、クストが現れてその姿をダンジョンの中に隠してしまっていた。
「それから壊れたヤツもだいたい直しておいたぞ」
どうやら、シュロスは個人的に第0師団長のツヴェークと接触したのか、壊れた魔道具を直していたようだ。
「何を勝手にやっているのですか!碌でもない魔道具はこわれたままでよかったと思います」
「えー!」
「シェリー。その結界はどこにあるのだね?」
無表情のままシュロスの行動をぶった切るシェリーに、オリバーが近づいてきた。どうやら、上空の結界から別のことに興味が移ったようだ。
「一つは第一層の壁の中」
「ほぅ。では壁を壊せばいいということか」
オリバーは今にでも壁を壊しに行こうとしているように言う。しかし、これは文句を言われる所業だ。
「最近は第五師団長が常駐していることが多いから、文句を言われると思うけど」
そう、何故か第五師団長のヒューレクレトが門を守っていることが多い。
「では一つということは、別のところにもあるのだね」
「さぁ?クロードさんからは第一層の塀がある場所に結界の残り香のようなものがあったとしか聞いていない。あとは第二層の辺りというだけで、どことは聞いていない」
ほぼ消えかけていた結界があったという話をしていた。その時にもう一箇所は完全に無かったとしか話さなかった。
ただ、第二層の何処かとは言っていなかったが、クロードが調べられたということは、オリバーならすぐに調べらることだろう。
「そう言えば、その結界の維持に人の心が原動力というのは本当のことですか?」
「それ、以前も言っていたわね。できなくもないでしょうけど、私は無理だと思うわ」
シェリーはシュロスに聞いたのだが、それにエリザベートが答える。人の心という曖昧な物を力とするなど無理だと。
「ん?人が住まうかぎり永久稼働するなら、人からエネルギーを得るほうが効率的だろう?守るのはそこに住まう人なんだから」
だが、シュロスはあっけらかんと言葉にする。
「因みに、心の強さが結界の強固さにつながる仕様だぞ!佐々木さん!膝折れる!それ折れるから!」
シュロスにヒザ蹴りをされているシェリー。
「あの結界の陣に人の心の作用ってところあったかしら?」
首を傾げながら、地面に結界の陣を描き出すエリザベート。
「三角の数とか説明されたが?どの部分か不明だったな」
その陣を示しながらいうオリバー。
「おい!シェリーに近づくなと言っているだろうが!」
シュロスに絡むシェリーを抱きかかえながら威嚇しているカイル。
「空に浮いているやつ早く消した方がいいと陽子さんは思うよ」
地面から頭だけを出していう陽子。
こうして、騒がしく夜が更けていったのだった。
クストはいつまでも上空にある怪しい光る陣を指しながら言う。日が落ちてしまったので、余計に西区第二層の上空に怪しいものがあるのが余計に目立ってしまっていた。
「それをオリバーに言ってきてください。第六師団長さん」
シェリーはオリバーに言うように示唆する。
「ちっ!」
シェリーに言われたクストは舌打ちをしながら、オリバーの元に向かっていった。
共に討伐戦を戦った仲だろうか。躊躇なくクストはシェリーに背を向ける。
「おい。カークス魔導師長」
「ナヴァル第2058突撃部隊長か」
昔の名で呼び合う二人。
「何の用だね?」
「研究馬鹿は変わらないな。取り敢えず、これをなんとかしろ!第六師団にクレームが入ってくるんだ!そこに大魔女がいるならそっちに聞け!」
「残念ながら、新たに作られた魔術なものでね。ああ、そう言えばコレが、島を守る結界がこの王都にあると言っているのだが、回収をしてもいいかね?」
「あ?結界?何か聞いたことがあるな。たぶんそっちは第三師団の管轄だ」
その話は黒狼クロードが言っていたことだろう。ナヴァル家の祖先の手記に残された結界の残骸のことだ。
「で?何故、そんなものが必要なんだ?今存在しないということは、壊れた魔道具関連のことだろう?」
「もともとあった防御結界を再構築してみるのも面白いと思ってな」
「お前はそういうヤツだよ。はぁ、一度文句を直接言いたかった」
クストはため息をつきながら、オリバーを睨みつける。そして離れたところにいるシェリーを指し示した。
「あのナオフミの娘なら、教育をきちんとしておけ!あれの非常識をそのまま受け継いでいるじゃないか!」
一度も勇者ナオフミと暮らしたことがないシェリーだが、異世界の常識を持った者同士同じ扱いをされていた。
「俺に子育ては無理だね」
ズバッと言い切るオリバー。確かに息子のルークはシェリーが育てたので、教育というものは魔術のことぐらいだろう。
しかもそれも、師と弟子という関係に近かった。
「そういうヤツだっていうのは、分かっていたが、言いたかっんだ……はぁ」
クストが保護者であるオリバーに文句を言いたかったのも理解できる。何かとシェリーが起こす問題の被害にあってきたのが、第六師団と第五師団だからだ。
「壊れた結界のことは第三師団の管轄だが、その辺りはそこの嬢ちゃんが関わっているから、そっちに頼めば良い。あとそれをさっさと消せ!」
そう言ってクストは副師団長のルジオーネと共に帰って行った。
第0師団の采配を任されたシェリーが第三師団長を引っ張り込んだのだ。しかし、現状シェリーが女神ナディアによって、二ヶ月間離れていたため、放置されている状態だった。
「あっ!そう言えば陽子さんに言われて、上水の件は対応しておいたぞ!」
シュロスはドヤ顔でシェリーの方に親指を立てながら言う。そして陽子と言えば、クストが現れてその姿をダンジョンの中に隠してしまっていた。
「それから壊れたヤツもだいたい直しておいたぞ」
どうやら、シュロスは個人的に第0師団長のツヴェークと接触したのか、壊れた魔道具を直していたようだ。
「何を勝手にやっているのですか!碌でもない魔道具はこわれたままでよかったと思います」
「えー!」
「シェリー。その結界はどこにあるのだね?」
無表情のままシュロスの行動をぶった切るシェリーに、オリバーが近づいてきた。どうやら、上空の結界から別のことに興味が移ったようだ。
「一つは第一層の壁の中」
「ほぅ。では壁を壊せばいいということか」
オリバーは今にでも壁を壊しに行こうとしているように言う。しかし、これは文句を言われる所業だ。
「最近は第五師団長が常駐していることが多いから、文句を言われると思うけど」
そう、何故か第五師団長のヒューレクレトが門を守っていることが多い。
「では一つということは、別のところにもあるのだね」
「さぁ?クロードさんからは第一層の塀がある場所に結界の残り香のようなものがあったとしか聞いていない。あとは第二層の辺りというだけで、どことは聞いていない」
ほぼ消えかけていた結界があったという話をしていた。その時にもう一箇所は完全に無かったとしか話さなかった。
ただ、第二層の何処かとは言っていなかったが、クロードが調べられたということは、オリバーならすぐに調べらることだろう。
「そう言えば、その結界の維持に人の心が原動力というのは本当のことですか?」
「それ、以前も言っていたわね。できなくもないでしょうけど、私は無理だと思うわ」
シェリーはシュロスに聞いたのだが、それにエリザベートが答える。人の心という曖昧な物を力とするなど無理だと。
「ん?人が住まうかぎり永久稼働するなら、人からエネルギーを得るほうが効率的だろう?守るのはそこに住まう人なんだから」
だが、シュロスはあっけらかんと言葉にする。
「因みに、心の強さが結界の強固さにつながる仕様だぞ!佐々木さん!膝折れる!それ折れるから!」
シュロスにヒザ蹴りをされているシェリー。
「あの結界の陣に人の心の作用ってところあったかしら?」
首を傾げながら、地面に結界の陣を描き出すエリザベート。
「三角の数とか説明されたが?どの部分か不明だったな」
その陣を示しながらいうオリバー。
「おい!シェリーに近づくなと言っているだろうが!」
シュロスに絡むシェリーを抱きかかえながら威嚇しているカイル。
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