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28章 穢れと鬼
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「うぉ!カイル!本気でボールを凍らせて投げてくるな!」
「当てれば良いのだろう?当てれば?そのまま永久に動かなくなれば良い」
「だから、獣化すると感覚がズレるって言っているのに!前に出過ぎだ!ゴラァ!」
「はい。赤ワンコ君。外」
「フォッフォッフォッ」
「いやー楽しいなぁ」
「二人ぐらいしか楽しんでいませんが、参加したいのならしてきていいですよ」
シェリーは紙に書いたメモを見ながら、別の紙に何かを書き出している。
これは恐らく、炎王が創った魔術で隙間を縫うように構築できるか、書き出しているのだろう。
「いや……まぁ……ものは言いようでな」
すでに脱落者がいるコート内を見ながら言う炎王。そもそも一瞬しか姿を見せなかった者もいる現状だ。
カイルとシュロス対クロードとイスラの構図となっている。
「人外の運動会とかあれば、こんな感じになるんだろうなぁと」
「龍人族の炎王が何を言っているのです?それから、ココの部分が不明です」
「ああ、それはだな」
紙に日本語で書き加える炎王。
「何をいちゃついている」
そこに、冷気をまとったカイルが戻ってきた。
「竜の兄ちゃん。外に出たから負けだよ!」
「ヨーコさん。俺はムカつく奴らを仕留めたからそれでいい」
そう、カイルは始まって早々、味方であるリオンと敵陣にいるスーウェンを一撃で仕留めたのだ。
「シュロス君。これはシュロス君の説明が下手っていうことだね」
「なんでだよ!わかりやすくていいだろう!」
相手にボールを当てれば良いという言葉だけでは、敵陣にいるものでも味方の陣にいるものでも構わないということになる。
だから、カイルは文句を言わずに、シェリーの側を離れて参戦したのだ。
過去の英雄と戦っても、何も身になっていない者たちに向かって、イライラ感をぶつけたのだ。
「いや。遊びの中に戦いの要素を入れるのはいいと思うな」
だが、人の姿に戻ったクロードはシュロスの提案に対して、一定の評価をしたようだ。
「気を張っていた時よりも、動きは良かった。竜人の攻撃をあいつは数回避けただろう?」
それは地面と一緒に凍りついているオルクスのことだ。なんだかんだと、カイルの投げる殺人的なボールを避けていたのだ。
「たぶん。あいつは、こういう教え方の方が伸びるぞ」
「では、クロードさん。担当をお願いします」
「は?いやに決まっているだろう!」
クロードは自分で提案するも、即答で否定する。そもそも死人であるクロードが、オルクスのために毎回召喚されるのかという問題がある。
「遊びの中に戦いなど意味があるのかね?」
「楽しむ方が伸びるっていうやつだろう?」
シェリーの書いたメモを見ながらいうオリバー。そう、カイルは炎王に対して怒っているが、その同じテーブルには傍観者のオリバーもいるのだ。
決して二人っきりではなかった。
そしてカイルと言えば、他の番たちを仕留めて、満足した表情でシェリーを抱きかかえている。シェリーが居た場所に座っているのだ。
そう、死んだ魚の目をしたシェリーをだ。
「まぁそれなら、俺の方で何とかするから、佐々木さん。俺のお願いを聞いてくれないか?」
炎王はシェリーの番たちの戦力向上に一役買うので、代わりに己の願いを聞いて欲しいと提案する。
「聞くだけならいいですよ」
「うっ……その目で言われると、本当に聞いて終わりそうじゃないか」
死んだ魚の目をしたシェリーがそう言えば、言葉のままで終わってしまいそうなほど、生気を感じなかった。
「え?俺が叶えてやってもいいぞ!」
「シュロス君は、被害が拡大するから駄目」
シュロスがいるとややこしくなると判断した陽子は、シュロスの首根っこを背後から掴んだまま地面に潜り始めた。
「いやー!地下の第三帝国に引きずり込まれるー!」
「うるさい!地下に第三帝国なんて無いよ!」
「キモい鎧どもに追いかけられるー!」
「シュロス君と変わんないよ」
「酷い」
騒がしいまま地面の下に連行されたシュロスの姿を見て、引きつった顔をするクロード。
「第三帝国は否定したのに、キモい鎧は否定しないのか?」
そんな言葉を残してクロードは消え去った。
シェリーが何も言っていないので強制解除させられたのだろう。
これは炎王の願いを叶えろという白き神の威ともとれる。
そのことに舌打ちをするシェリー。
「シュピンネ族の御仁も居なくなったことだし、俺も地下に戻るか」
そう言ってシェリーのメモを回収して、オリバーは立ち上がった。
これはシュピンネ族の術の件はオリバーに任せていいということなのだろう。
いや、シェリーのスキル創造では行き詰まり、魔術では賄えない複雑さだったということだ。
そして、先程の騒がしさと打って変わり、冷気が漂い静かになった。この場にいるのは、シェリーとカイルと炎王のみとなった。
いや、地面と共に凍りついた者たちも居たのだった。
「当てれば良いのだろう?当てれば?そのまま永久に動かなくなれば良い」
「だから、獣化すると感覚がズレるって言っているのに!前に出過ぎだ!ゴラァ!」
「はい。赤ワンコ君。外」
「フォッフォッフォッ」
「いやー楽しいなぁ」
「二人ぐらいしか楽しんでいませんが、参加したいのならしてきていいですよ」
シェリーは紙に書いたメモを見ながら、別の紙に何かを書き出している。
これは恐らく、炎王が創った魔術で隙間を縫うように構築できるか、書き出しているのだろう。
「いや……まぁ……ものは言いようでな」
すでに脱落者がいるコート内を見ながら言う炎王。そもそも一瞬しか姿を見せなかった者もいる現状だ。
カイルとシュロス対クロードとイスラの構図となっている。
「人外の運動会とかあれば、こんな感じになるんだろうなぁと」
「龍人族の炎王が何を言っているのです?それから、ココの部分が不明です」
「ああ、それはだな」
紙に日本語で書き加える炎王。
「何をいちゃついている」
そこに、冷気をまとったカイルが戻ってきた。
「竜の兄ちゃん。外に出たから負けだよ!」
「ヨーコさん。俺はムカつく奴らを仕留めたからそれでいい」
そう、カイルは始まって早々、味方であるリオンと敵陣にいるスーウェンを一撃で仕留めたのだ。
「シュロス君。これはシュロス君の説明が下手っていうことだね」
「なんでだよ!わかりやすくていいだろう!」
相手にボールを当てれば良いという言葉だけでは、敵陣にいるものでも味方の陣にいるものでも構わないということになる。
だから、カイルは文句を言わずに、シェリーの側を離れて参戦したのだ。
過去の英雄と戦っても、何も身になっていない者たちに向かって、イライラ感をぶつけたのだ。
「いや。遊びの中に戦いの要素を入れるのはいいと思うな」
だが、人の姿に戻ったクロードはシュロスの提案に対して、一定の評価をしたようだ。
「気を張っていた時よりも、動きは良かった。竜人の攻撃をあいつは数回避けただろう?」
それは地面と一緒に凍りついているオルクスのことだ。なんだかんだと、カイルの投げる殺人的なボールを避けていたのだ。
「たぶん。あいつは、こういう教え方の方が伸びるぞ」
「では、クロードさん。担当をお願いします」
「は?いやに決まっているだろう!」
クロードは自分で提案するも、即答で否定する。そもそも死人であるクロードが、オルクスのために毎回召喚されるのかという問題がある。
「遊びの中に戦いなど意味があるのかね?」
「楽しむ方が伸びるっていうやつだろう?」
シェリーの書いたメモを見ながらいうオリバー。そう、カイルは炎王に対して怒っているが、その同じテーブルには傍観者のオリバーもいるのだ。
決して二人っきりではなかった。
そしてカイルと言えば、他の番たちを仕留めて、満足した表情でシェリーを抱きかかえている。シェリーが居た場所に座っているのだ。
そう、死んだ魚の目をしたシェリーをだ。
「まぁそれなら、俺の方で何とかするから、佐々木さん。俺のお願いを聞いてくれないか?」
炎王はシェリーの番たちの戦力向上に一役買うので、代わりに己の願いを聞いて欲しいと提案する。
「聞くだけならいいですよ」
「うっ……その目で言われると、本当に聞いて終わりそうじゃないか」
死んだ魚の目をしたシェリーがそう言えば、言葉のままで終わってしまいそうなほど、生気を感じなかった。
「え?俺が叶えてやってもいいぞ!」
「シュロス君は、被害が拡大するから駄目」
シュロスがいるとややこしくなると判断した陽子は、シュロスの首根っこを背後から掴んだまま地面に潜り始めた。
「いやー!地下の第三帝国に引きずり込まれるー!」
「うるさい!地下に第三帝国なんて無いよ!」
「キモい鎧どもに追いかけられるー!」
「シュロス君と変わんないよ」
「酷い」
騒がしいまま地面の下に連行されたシュロスの姿を見て、引きつった顔をするクロード。
「第三帝国は否定したのに、キモい鎧は否定しないのか?」
そんな言葉を残してクロードは消え去った。
シェリーが何も言っていないので強制解除させられたのだろう。
これは炎王の願いを叶えろという白き神の威ともとれる。
そのことに舌打ちをするシェリー。
「シュピンネ族の御仁も居なくなったことだし、俺も地下に戻るか」
そう言ってシェリーのメモを回収して、オリバーは立ち上がった。
これはシュピンネ族の術の件はオリバーに任せていいということなのだろう。
いや、シェリーのスキル創造では行き詰まり、魔術では賄えない複雑さだったということだ。
そして、先程の騒がしさと打って変わり、冷気が漂い静かになった。この場にいるのは、シェリーとカイルと炎王のみとなった。
いや、地面と共に凍りついた者たちも居たのだった。
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