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398 結局はアンジュの所為
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「もう、どうしろっていうのよ!」
苛ついたようなロゼの声が響き渡っている。
「こういう時はアンジュちゃんの盾やリュミエール神父様の結界の方がいいのよね」
それに対してリザネイエは落ち着いていた。いや、向かってくるなにかに向かって槍を振るって弾き返している。
そして動けないロゼを守るように、どこから取り出したのか刀を振るう緑龍。いや、刀というよりは刀身の幅が広いので、柳葉刀のようだ。
何が向かってくるのか。風の刃だ。それもクナイのように細く鋭い透明な刃が、とめどなく三人を襲っているのだ。
どこからというものではなく、全方向から風の刃が飛んでくるのだ。
「さっきから変な音が聞こえるし!飛ぶ木もないし、ここから見える木はもう全部切り倒したのに!アンジュのバカ!」
ロゼはアンジュの言っていることが間違いだったと、文句を言っているのだ。
そう、ロゼたちがいる廊下から部屋を隔てた庭には、もう花をつけた木など存在しない。
そしてロゼの聖痕で出した魔鼠は役目を終えたと言わんばかりに消え去っていた。
ということは、ここで動けない理由は、全方向から、謎の攻撃を受けているからだった。
ただ、何かを弾く音が聞こえてくるのだ。『ばらりからり』と。
「気味が悪いのだけど!何!この音!」
「弹琵琶的法师」
緑龍が、来た方向を指して何かを言った。しかし、その方向には何もいない。
「だから、何を言っているかわからないの!そこに何かいるってわかったのなら倒してきてよ!」
ロゼが苛立ちのまま緑龍に言った。しかし緑龍はリザネイエの方を見て、どうするのかという視線を投げかける。
アンジュにロゼを守るように言われた手前、この場所を離れてもいいのかという意味だ。
「いいわ。とにかく、この謎の攻撃を止めてほしいわ」
リザネイエの言葉に緑龍は頷き、ロゼの側を離れ、廊下を駆け出す。十メートル戻ったところで、動きを止めることなく柳葉刀を振り切る緑龍。
その背後の空間から崩れ落ちるように現れたのは、黒い袈裟をまとった目がない僧だった。それも皮膚に黒い墨で文字を書いているという異様な風貌だ。
そしてその手には弦を撥で弾く丸みを帯びた楽器をもっている。琵琶を弾く僧……琵琶法師だ。それも体中に経を書き、姿を消していたらしい。
「うっわ!なに?あの異形?人っぽいのに皮膚に変な紋様がある」
そんなことを知らないロゼは遠くで倒れた琵琶法師の姿を見て引いていた。
「はぁ……でも攻撃が止んだわ。見えない攻撃に対処するのは流石に……」
安堵のため息を吐いた瞬間。上からぱらりと木くずが落ちてきた。
それに気がついたリザネイエは上を見るも、時は既に遅し。
頭上にあった屋根は取り払われ、そこから木の根が落ちていた。
いや、赤い花と白い花を咲かせた木が上から落ちてこようとしていたのだ。
「木……木が飛んでる……」
「ここまで近づかれるまで気が付かなかったなんて……」
木が飛ぶという非常識に、気配を感じなかった木に、二人は動揺し次の行動に移るのが遅れてしまった。
そもそも木に気配があるのか怪しいものだ。
その状況を離れたところで目にする緑龍。身体が変化するように形を変えようとするも、上から落ちて来ようとする二本の木の方が、ロゼとリザネイエに先に接触するだろう。
木の根がロゼに触れ、絡め取ろうとしたとき、その動きを止めた。
そして根っこの先から黒ずんでいく。
「え?なに?」
木の根に囲まれたロゼには全く状況がわからない。
「もしかして、私が木を腐らすほどの何かを出しているとか言わないよね!」
状況的にはロゼに触れたために、木の根の先が黒ずんでいるように見えなくもない。しかし、枝の先からも黒ずんでいき、白や赤い花ががくごとボトボトと落ちていっている。
そしてその枯れていっている二本の木は青い炎を噴き出した。いや、緑龍が龍の姿となり、木を燃やしたのだ。
「これは……アンジュちゃんの花の所為だわ」
青い炎に巻かれている木の側。リザネイエの視線の先には、天井があったであろう場所に茨に絡められた紫色の花があった。
それも花を支えている茨に新たな紫色の蕾がいくつも生えている。聖花と言われているが、植物の概念を超えた何かとしか思えない生態だった。
「うわ!茨に蕾がたくさん……助かったからいいけど、これ放置していたら、そこら中で咲き始めるとかないよね?」
上から灰が降ってくる中、周りを見渡すロゼ。
ロゼの足元から生えてきて、大きな部屋をまたいで、庭に続く茨の道。
よく見ると、トゲではない何か芽のような物が出てきていた。
「聖花の花畑ね。誰も見たことはないでしょうね」
「リザ副部隊長。それ死ぬからですよね?はぁ、アンジュの術って、なんでどれも物騒なのかな?」
「アンジュちゃんだものね」
「全てアンジュだからって言えば片付くのでしょうけど、そのアンジュのお陰で、まともな聖痕を得られなかったのですよ!」
「逆を言えばアンジュちゃんのお陰で聖痕を得たとも言えるわね」
「リザ副部隊長の普通には使えない聖痕でもですか?」
「……まぁ……そうね……」
ロゼの指摘に言葉を濁すリザネイエだった。こうして、ここにはいないアンジュのお陰で、紅梅と白梅を倒すことができたのだった。
苛ついたようなロゼの声が響き渡っている。
「こういう時はアンジュちゃんの盾やリュミエール神父様の結界の方がいいのよね」
それに対してリザネイエは落ち着いていた。いや、向かってくるなにかに向かって槍を振るって弾き返している。
そして動けないロゼを守るように、どこから取り出したのか刀を振るう緑龍。いや、刀というよりは刀身の幅が広いので、柳葉刀のようだ。
何が向かってくるのか。風の刃だ。それもクナイのように細く鋭い透明な刃が、とめどなく三人を襲っているのだ。
どこからというものではなく、全方向から風の刃が飛んでくるのだ。
「さっきから変な音が聞こえるし!飛ぶ木もないし、ここから見える木はもう全部切り倒したのに!アンジュのバカ!」
ロゼはアンジュの言っていることが間違いだったと、文句を言っているのだ。
そう、ロゼたちがいる廊下から部屋を隔てた庭には、もう花をつけた木など存在しない。
そしてロゼの聖痕で出した魔鼠は役目を終えたと言わんばかりに消え去っていた。
ということは、ここで動けない理由は、全方向から、謎の攻撃を受けているからだった。
ただ、何かを弾く音が聞こえてくるのだ。『ばらりからり』と。
「気味が悪いのだけど!何!この音!」
「弹琵琶的法师」
緑龍が、来た方向を指して何かを言った。しかし、その方向には何もいない。
「だから、何を言っているかわからないの!そこに何かいるってわかったのなら倒してきてよ!」
ロゼが苛立ちのまま緑龍に言った。しかし緑龍はリザネイエの方を見て、どうするのかという視線を投げかける。
アンジュにロゼを守るように言われた手前、この場所を離れてもいいのかという意味だ。
「いいわ。とにかく、この謎の攻撃を止めてほしいわ」
リザネイエの言葉に緑龍は頷き、ロゼの側を離れ、廊下を駆け出す。十メートル戻ったところで、動きを止めることなく柳葉刀を振り切る緑龍。
その背後の空間から崩れ落ちるように現れたのは、黒い袈裟をまとった目がない僧だった。それも皮膚に黒い墨で文字を書いているという異様な風貌だ。
そしてその手には弦を撥で弾く丸みを帯びた楽器をもっている。琵琶を弾く僧……琵琶法師だ。それも体中に経を書き、姿を消していたらしい。
「うっわ!なに?あの異形?人っぽいのに皮膚に変な紋様がある」
そんなことを知らないロゼは遠くで倒れた琵琶法師の姿を見て引いていた。
「はぁ……でも攻撃が止んだわ。見えない攻撃に対処するのは流石に……」
安堵のため息を吐いた瞬間。上からぱらりと木くずが落ちてきた。
それに気がついたリザネイエは上を見るも、時は既に遅し。
頭上にあった屋根は取り払われ、そこから木の根が落ちていた。
いや、赤い花と白い花を咲かせた木が上から落ちてこようとしていたのだ。
「木……木が飛んでる……」
「ここまで近づかれるまで気が付かなかったなんて……」
木が飛ぶという非常識に、気配を感じなかった木に、二人は動揺し次の行動に移るのが遅れてしまった。
そもそも木に気配があるのか怪しいものだ。
その状況を離れたところで目にする緑龍。身体が変化するように形を変えようとするも、上から落ちて来ようとする二本の木の方が、ロゼとリザネイエに先に接触するだろう。
木の根がロゼに触れ、絡め取ろうとしたとき、その動きを止めた。
そして根っこの先から黒ずんでいく。
「え?なに?」
木の根に囲まれたロゼには全く状況がわからない。
「もしかして、私が木を腐らすほどの何かを出しているとか言わないよね!」
状況的にはロゼに触れたために、木の根の先が黒ずんでいるように見えなくもない。しかし、枝の先からも黒ずんでいき、白や赤い花ががくごとボトボトと落ちていっている。
そしてその枯れていっている二本の木は青い炎を噴き出した。いや、緑龍が龍の姿となり、木を燃やしたのだ。
「これは……アンジュちゃんの花の所為だわ」
青い炎に巻かれている木の側。リザネイエの視線の先には、天井があったであろう場所に茨に絡められた紫色の花があった。
それも花を支えている茨に新たな紫色の蕾がいくつも生えている。聖花と言われているが、植物の概念を超えた何かとしか思えない生態だった。
「うわ!茨に蕾がたくさん……助かったからいいけど、これ放置していたら、そこら中で咲き始めるとかないよね?」
上から灰が降ってくる中、周りを見渡すロゼ。
ロゼの足元から生えてきて、大きな部屋をまたいで、庭に続く茨の道。
よく見ると、トゲではない何か芽のような物が出てきていた。
「聖花の花畑ね。誰も見たことはないでしょうね」
「リザ副部隊長。それ死ぬからですよね?はぁ、アンジュの術って、なんでどれも物騒なのかな?」
「アンジュちゃんだものね」
「全てアンジュだからって言えば片付くのでしょうけど、そのアンジュのお陰で、まともな聖痕を得られなかったのですよ!」
「逆を言えばアンジュちゃんのお陰で聖痕を得たとも言えるわね」
「リザ副部隊長の普通には使えない聖痕でもですか?」
「……まぁ……そうね……」
ロゼの指摘に言葉を濁すリザネイエだった。こうして、ここにはいないアンジュのお陰で、紅梅と白梅を倒すことができたのだった。
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