神守の少女、二度目の人生は好きに生きます〜因縁相手は勝手に自滅〜

雪水砂糖

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73 岩城家2(???視点)

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 上から俺に命令が下された。標的は――水無瀬瑞葉と、その弟の光矢。八歳と六歳の姉弟だ。

 うちが主導する水無瀬家の鉱山での不正が暴かれたのだ。奴らは奉仕活動の一環として治癒を行っただけだと聞くが、結果として聖励修道院から派遣していた者たち五人が捕らえられ、その管理者まで芋づる式に捕まってしまった。

 ただ、こちらの正体が露見することはない。自白を試みた時点で命を奪う呪いを施していたからだ。本人の同意がなければ成立しない、強力な契約の呪い――そのおかげで組織は守られている。

 それでも面白くない。こちらとしては、警告の意味も込めて滞在先の別荘を襲ったが、そこはもぬけの殻。

 潜入が容易な別荘と違い、岩城家は辺境の神守らしく堅牢だ。さすがに正面から入り込むのは骨が折れる。だからこそ、俺が呼ばれた。

 たかが八歳と六歳の子どもを仕留めるのに俺が出るとは……と最初は鼻で笑った。だが、岩城家に滞在しているとなれば話は別だ。狙うのはもちろん、当主不在の時。

 幸い、下働きに潜り込ませた者がいて、姉弟の行動は把握できていた。どうやら岩城家の娘と、その師に訓練をつけてもらう予定らしい。

 俺は念のため、精鋭三人を連れてきた。少数ながら、組織の中でも腕の立つ連中だ。しかも今回は、隠密に優れた能力者を同行させている。奴の力なら、俺を含め四人をまとめて隠しながら屋敷に潜入できる。

 ただし欠点もある。あの術は繊細な神力操作を要し、他者を抱え込んで移動するのは遅い。戦闘になれば維持はできないし、神力を見抜ける者が目を凝らせば、輪郭を捉えられてしまう。

 それでも、奇襲のように一気に近づくならほとんど見破られる心配はない――はずだった。

 ――はず、だったのに。

 どうしてこんな事態になっている……?
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