不老不死カクテル47

ネギモバ

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0007 滋賀 サルトビ

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ヒメとBARへ到着すると『カチーーカチカチ』となぜか頭に振動があり、ミレイさんは水着姿でカクテルを飲んでいた。


「いらっしゃいませ、猿飛さんですね」


愛想の良いマスターが出迎えてくれた。


腕が太い、ボディビルでもやってんのかな。


「はじめまして、お洒落なBARでござるなぁ」


「いえいえ、それほどでもありませんー」


ミレイさんに言ったつもりが、謙遜(けんそん)したのはマスターだった。まあいいや。


「ミレイさんとマスター、拙者は忍者なんとか委員会の会長の猿飛でござる。口癖で度々『ござる ござる』と言うが、気にせんでください」


『カチーーカチカチ』


あれ?  またカチカチと鳴った。


「忍者さん、もう帰っていいわよ」


なぬ?  ミレイさん、拙者は今来たばかり。


マスターが手を振りながら言う。


「猿飛さんごめんなさい、カクテル技術を会得した能力者は、なるべくデータを記録しているんです。その為に呼んだのは僕なんです。ミレイさんはSなのでキツい性格。気にしないでゆっくりしていって下さい」


「データとは何でござるか?」


「カクテル世界の精度を限りなく現実世界へ近づける為です。今頭の中で2回目のカチカチと振動があったでしょ。それが1分間のデータ取得完了の合図です」


ぬー?  難しい。


「精度とは何でござるか?」


「ミレイ様の肛門の匂いが分かるってことキャ~☆」


ヒメが言った意味、兄だが分からん。


「は?  匂い?」


マスターはこう説明してくれた。


つまりこのBARでは、人間のフィギュアを造る時に得るデータを進化させた4Dデータだという。


このBARではマスターが配合した気体のカクテルがエアコンから送風され、それを吸い込んだカクテル能力者のデータを身体の内・外 両方から得られる技術。


例えばミレイさん。


美しいスリーサイズはもちろん、吸い込んだカクテルにより、肺活量や腸内細菌・筋肉の質・骨密度・血液・関節の可動範囲・アレルギー特定・脳のI.Qまでデータ化し、果てはDNAをも本部へ送信されるという。


“機械による”『視覚』『聴覚』『嗅覚』『味覚』『触覚』全てをデータとして送信される。


その間1分。


2回目のカチカチが判定完了のシグナルだ。


「猿飛さん、1分経過により、合格です」


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