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0012 岐阜 アオイ
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しおりを挟む今、新宿歌舞伎町で彼氏のタクちゃんと待ち合わせをして、10分ほど早くついちゃった。
タクちゃん早く来ないかなー。
ミスカクテルで3万人の頂点に輝いたアタシ。
ミスカクテルは財善グループ美容部門の社長、ミレイっていう女社長が仕切っている。
アタシは世紀の大発明との裏話があるカクテルの極秘プロジェクトのイメージガールとして選ばれたの。
極秘だからアタシもカクテルが何なのか分からずにいた。
ミレイさんいわく、カクテル能力者って人がいるらしいけど、別に急いでその訳の分からない能力者になる必要はないんだって。
理由は、カクテル能力者になれば時間はいくらでも湧き出るという不思議なことを言われた。
サイカちゃんが電話で言っていたカクテルと、ミスカクテルのカクテルって同じかなぁ?
まあいいわ、彼氏のタクちゃんは超賢いから、来たら訊いてみよう。と思ったら来た。
「んー、早いなアオイ、待ったか?」
天才&ワイルド系タクちゃん。
タクちゃんは34歳。身長180cm。ガッチリした体型で勇ましい感じ。男性モデルにお勧めしたいけど、本人はモデルなんか全く興味がない。
髭がもみ上げと繋がっていてダンディ! 背の高いアタシとも釣り合いがとれていいわー。
頭が良く、人工知能を研究しているの。
「アタシも今来たところー 絶対、たぶん」
「んー、んじゃ行こうか」
「うん」
アタシはタクちゃんの腕にしがみ付きながら、サイカちゃんに誘われたWデートでBARへ向かう。
「んー アオイ、先に言っておく。BARへ着いたらお前の人生は間違いなく一変するぞ。ん」
「一変? タクちゃん、カクテルが何か知ってるの? ってか、今から行くBARも知ってるの?」
「ん」
「何? 何? 教えて!」
「んー、今教えたらオレは死ぬからBARへ着いてのお楽しみだ。ん!」
気になるわー。
教えたら死ぬってどーゆーこと?
喋るだけで死ぬの?
言葉で死ぬなんて、ふつー あり得ないでしょ!?
「絶対? たぶん?」
「ん、絶対」
「ええ!?」
「んー、アオイ、もう1つ言っておく。恋は盲目、好きにしろ。お前は自由だ。ん!」
はぁ? 意味不明……。
ほどなく、財善ビルのBARへ到着した。
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