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トンズラ
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しおりを挟むラブホの部屋に入ると、ユリコは自分のやりたいプレーをそれとなく俺に指示する。
正確にはやりたいじゃなくて、やられたいプレーだ。
最初に、ユリコは夏だというのにフロには2日入っていないと俺に伝えてきた。でも、むしろ良い香りがする。
更に昨日 大便をしたと俺に言ってきた。
ユリコの言ってる意味がわからない。
いつもなら事を始める前にシャワーを浴びるんだけど、浴びなかった。
お互い全裸になった時、ユリコは自分のバッグからポーチとインスタントカメラ(撮った写真をその場で印刷できるカメラ)を出し、俺に渡す。
彼女は興奮気味で少し飛び跳ねながら、「撮って」と言った。
「いいの?」
「顔をちょっとだけ手の平で隠すから良いよ~」
少し離れて立つユリコは美しい。
どんなに綺麗な外国人モデルなんかもけし飛ぶ。
小さな顔はあどけなさの残る美しさで、名だたる若手女優やアイドルなんか足蹴(あしげ)にできる階級。
脚も細っ! 長っ!
形の良いお椀形のバストに『ウソ!』って思うくらいに細くクビレたウエストも女性らしく柔らかなラインで薄っすらとだけ腹筋が浮かぶ。
これは女性にとって憧れのプロポーションだと、いや、奇跡だと思っていたら本人も承知していて、だからこそ醜くなる前に綺麗な今を残しておきたいらしい。
その気持ちは分かる。
現代だったら3Dプリンターで、この完璧なる美の極みをデータとして残し、実物フィギュアを造りたくなる。
「コウスケ君、あたしのどこが見たい?」
「……え?」
どこでも見せてくれるのか!?
オタマジャクシ製造マシーンの思考回路がフル回転する。
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