ばかやろう 〜たった1つの愛〜

ネギモバ

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トンズラ

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「コウスケさん帰りましょう!」


ガン!!


ババアが包丁をテーブルに突き刺した。


「ダメだもう遅い! 時間制だから時間はもう始まっている。会計が先だ!」


生まれて初めてのボッタクリ……噂では聞いたことはあるが、こんなに一方的なのか。


「4万は高すぎる! 4千円という話だ!」


「誰が言った?」


「さっきのボーイだ!」


「そんな奴、ここにはおらん! 見ろ!」


酒焼けした声でそう言ったババアは自分がキャンディだと言い、差した指先にはいかにも手作り風の料金表があり、1時間1人2万円と表示されていた。


呼び込みのボーイは最初からボッタクリ前提で俺たちをハメたんだ。


なにがキャンディちゃんだ!


ガン!! ドガ!!


ババアは再び包丁をテーブルに刺し、ソファを蹴った。


「カネ置いてくか? チンコ置いてくか?」


恐い! 青ちゃんにおごると言った手前、悪いことしちゃったなぁ……。


「山口さんに言うぞ!」


青ちゃんが、つい先ほど暴力団の親分山口さんから『困ったときは俺に相談しろ』と言った旨を仄めかす。


その脅しにババアは俺たちが若過ぎると思ったのかデマカセと捉え、『のぞむところだ』と、この店のケツ持ち暴力団の○○組の名前を出してきた。


4万か、ギリギリ持っている。


「分かった、払うよ」


暴力団同士の抗争のきっかけにでもなったら俺はたまったもんじゅない! 4万で済むならその方が良い。


財布から4万円を取り出し、ババアに支払った。


「コウスケさん、僕は納得がいきません!」


青ちゃんはその若さ故の正義感から勢いよくこのボッタクリ店を飛び出した。


まずい! 金を支払ったのに山口さんの居る喫茶店に向かいやがった。


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