ばかやろう 〜たった1つの愛〜

ネギモバ

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涙のハトぷっぷ〜

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見舞いも兼ねて、母にユリコを初めて紹介した1年半ほど前。


大腸ガンで入院している母の病室で、妊娠の報告をした。


俺もこうなったら地元名古屋に戻るしかないと、ユリコと相談し、今住む大阪から名古屋に引っ越しをした。


最初こそ初孫ができると喜んでいた母だが、母の病気にも新しい命にも金がかかる。


だから俺は掛け持ちで働き詰めだったこともあって、身重ではあるが、母の着替えなどの軽い面倒をユリコに任せていた。


ところがある日、ユリコは母と馬が合わないと俺に漏らした。


うちにも嫁姑問題は例に漏れず、母も弾けた性格のユリコのことを「子どもが子どもを産むなんて、可哀想な赤ちゃんだよ」と吐露。


ガンとはいえ体調の良くなる波もあり、入退院を繰り返す母と同じアパートに住めば、金銭面では助かるが、両者とも断固拒否。だから住まいは別々。


薄々分かっていたんだ。予想できた。


母も気が強いが、ユリコの脳ミソは電光石火だもん。そりゃあ火花が散るわ。


本心ではないと思うが、母は「別れなさい」と俺に言い、ユリコも日頃の蓄積した怒りが爆発し、母のいない時にこう言い放つ。


「死に損ないのクソババァ!! 最大限に苦しんで苦しんで苦しみ抜いて最短で死ね!!」


俺は初めてユリコの頬を平手打ちした。


自分の親だからではなく、人には言っていいことと悪いことがある。


ユリコもカッとなって言い過ぎたことを理解できないほどバカじゃない。冷静さを取り戻して「言い過ぎた、ごめん」と頭を下げた。


その後、モヤモヤ感は残るが前に進むべく、やるべき事をやる。


初めてユリコと出逢った頃、ユリコは大富豪の娘だと俺に言っていた。


だが7年も一緒に暮らしていたら、その嘘を嫌でも見抜く。


テーブルマナーなんか貧乏育ちの俺より知識がない。


結婚式も金がないからいずれ貯金ができたら盛大にやろうと約束し、更にユリコの親族への挨拶と、入籍するための手続きをしにユリコの出身地である北海道へ行って驚愕の事実を知る。


ユリコは孤児だった。


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