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【最終章】背中とお腹
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しおりを挟む『で、ではお前が今言った“夢”とは何だ?』
『はい、僕の夢は、幅広い年齢層にモノを創造する機会そのものを与える会社を設立したいのです。“夢を叶える為”に利用するデベロッパの為のアプリ及びOSを跨いだ環境作りの製作会社です』
OS? 跨ぐ? でべろっぱって何? や、やベェこいつ、俺のI.Qを超えてやがる。
難し過ぎて何を言っているのか解らねェ……。
あ、ユリアが笑いをこらえてる。俺が解ってないことを含んだ笑みだクソォ!
『あのなぁ、デベソだか何だか知らんが、もっとわかりやすく言えよ』
『ふふふ、お父ちゃん、世代の違いよ。タケシはコンピューターが得意なの、アプリはソフトウェアっていう意味で、デベロッパはIT用語で開発者っていう意味よ』
『夢を訊いているんだ! つ、つまり何だ?』
タケシは申し訳なさそうに説明する。
『プラットフォーム、クロスプラットフォームと言う形容の、作り手を応援するソフト及び環境です』
『そ、そのプラっと降りるホーム何ちゃらと夢がどう関係するんだ?』
『お客さん自身の夢を叶える環境作りそのものが僕の夢であり、ユリアさんの夢と一致しています』
最近の若者はIT何ちゃらで夢を叶える術を持つのか。ナメんな!
『バカにすんなよ、ファミコンなら知っとる!』
『お父ちゃん今どきファミコンって……』
『ユリアは黙っとれ! タケシとやら、俺にユリアとの付き合いを認めて欲しかったらな、結婚を前提とした交際のみだ! お前にその覚悟があるか!?』
タケシは背筋を正し、断言した。
『僕はイジメ地獄から手首を切りました。その命を救ったのは、ユリアさんなのです!』
『自殺か……』
『はい、命を救われたこの恩! 僕は生涯全てを賭けて、ユリアさんを幸せに導く所存であります!!』
ああ……このタケシは、人生その全てをユリアに注ぐのか!
この子、いや男は、己(おのれ)の為ではなく、創作者の為、ユリアの夢の為、ユリア全ての為に命を賭けると言い切ったんだ。
人の欲には上限がない。
ユリアの彼氏か。これ以上高望みしていたらきりがない。
子離れする時が来たな。
『分かった。お前の言った言葉、信念、確かに受け取った!』
『で、では……?』
『交際を許す!』
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