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【第5話】耳がぁぁぁぁああ!!
しおりを挟む私が寝ていた部屋は、入り口から一番近い空き部屋だったらしい。
一通り話が終わり、なぜ地球に突然魔力を持つ人が現れたのか理由もわかり(私がなぜ魔力を持っているのかは謎のままだけど)、ひと段落ついたところでお茶とお菓子を食べながら休憩しよう!ということになった。
ってことで、食堂へ移動する。
なんのお菓子があるのー?クッキーがいい!など、ロロとアミは声を弾ませながら先に走って行ってしまった。
それに続けてみんなも部屋から出る。
「おぉ…」
部屋の外にでると、この家がとても大きいことがわかった。廊下が長くて、片方の壁には言われていたとうり電気ではなく、ろうそくの明かりみたいなのが光っていた。ファンタジーに出てくるような洋風の作りだね。
もう片方には壁がなく、全てガラスの窓になっていた。
いつの間に日が暮れていたのか、外はもう暗くなっていて景色がよく見えない。
代わりに私達の姿が映っていた。ぼーっと、私達と同じ速度で窓の中を歩いている私達を見ながら、前を歩くミカたちの後を追う。
こうして見ると本当にみんな不思議な格好をしているなぁ。コスプレ大会というわけでは無いんだろうけど。異世界…ね。なんだか自分だけ浮いているように見える。
…あれ??
自分だけが……あれ?おかしいな…。先に行ったロロ達が開けたドアの前に着き、食堂に入ろうと言うところで私は違和感に気づいて足を止める。
「リラちゃん…?」
ミカがどうしたの、と私を振り返る。
「なんかね…」
なかなか入ってこない私に気づき、先に入っていたガクやショウ達も何事かとこちらの様子を伺っている。
変なのだ。さっきから、窓にみんなが映っていたのに……
もう一度窓の前に立ち、しげしげと眺める。
「私が…私が、いない…?!」
はぁ?と、私を見ていたガク達の口から声が漏れる。
私は窓から目を離さない。そこに映っているはずの私は映っていなく、そこには知らない少女が映っていた。
「どう言うこと…?」
驚いてる私と、窓に映る少女は私と同じ表情をした。
これは…いったい…
「何驚いてんだよ。お前、いるだろ。」
ガクがまるでとんでもないバカを見るような目でそう言った。
「でも…」
目をこすって、もう一度窓を見る。そこにはまたもや私と同じく訝しげな顔をした見知らぬ少女映っていた。
「やっぱり…!夢?私、こんな見た目じゃなかったよね?」
私が今まで見てきた自分の顔と、今窓に映っている少女は、まるで違う容姿だ。よく見ると、私の顔の作りとは似ているかもしれない。ただ、普通の日本人の私は、黒髪に黒目の一般的な見た目だった。しかし、窓に映っている少女は…!!
まるでコスプレのような薄いピンク色の髪の毛!
左右違う色のオッドアイで右が金色、左が水色!それに…ふつう、耳があるはずのそこには耳がなく、頭の上にケモ耳が!!
恐る恐る自分の耳があるはずのところに手を持っていく。
「…ない。………ない!!私の耳がなぁぁぁーーーーーーい!!」
「はぁ…」
なんで?!え?!どうしよどうしよ!!と、軽くパニック状態になっている私を見て、呆れたようにガクはため息をついた。
「はやく食おうぜ。」
そう言って先に行ってしまう。ミカも少し困ったような顔をして、とりあえず座ろうか、と私の背中を優しく押して中に入った。
驚きながらも、薄々気づいてはた。魔法があり、異世界があるのなら…こう言う事態が起きても不思議ではない…よね?
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