一歩の重さ

burazu

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高校2年編

最強の女流棋士

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 竹田九段との指導対局を終え、梢子は今日の試験は3勝と、勝ち越しを確定する。

 その梢子の強さに研修会員や他の受験生もざわついている。

「すごい……」
「あの子今すぐ女流棋士でも通用しそうよ」

 研修会員や受験生がざわつく中、竹田が声を発する。

「ええっと、研修生並びに受験生の皆さん、ここまで3局消化されたと思いますが、今の所全勝という方はいますか?」

 竹田がそう言うと、梢子を含めた数名が手を挙げる。

「では、その方々で希望する方はもう1人の指導対局を受ける事ができます」

 竹田のその発言に幹事である高田七段が驚きのあまり声をあげる。

「待って下さい!今日の指導対局は私と竹田さんだけだったはずです!」
「まあ、3勝している方々のみなのでね、ちょっと待って下さい、今ご本人を呼んできますので」

 そう言って竹田は1度部屋をでて、その人物を呼びに行った。しばらくするとその人物と共に戻って来るが、その人物には研修生も受験生も驚きを隠せず、最初に声を出したのが高田七段であった。

「宮里さん!竹田さん、一体どういう事ですか⁉」
「宮里さんは今日はイベント用の写真撮影に来ていたので、撮影が終わったと聞いてお誘いしてみたんですよ」
「あの、高田先生、竹田先生が私に研修生の指導対局をして欲しいとお願いされて来たんですがよろしいんですか?」
「ちょ、ちょっと待っていただきたい」

 そう言って高田は竹田を連れて一度部屋を出て廊下で竹田に現在の状況について問いただす。

「竹田さん、どういうつもりですか?偶然撮影で普段は関西を拠点にしている宮里さんがこっちに来ているからといって、彼女に指導対局なんて」
「まあまあ、そう固い事は言わないでください」
「それに彼女が将棋イベントとかなら別ですが、この手の指導対局でも手を抜かない性分だというのはあなたもご存じのはずです」
「ええ、確か関西の研修会で指導対局をしたら研修会員を完膚なきまでに負かした事は私も知っていますよ。まったく普段はおっとりしているのに、将棋だと鬼のようですよ」

 宮里が関西の研修会員の指導対局の際に完膚なきまで負かしたことを知ったうえであえて宮里に指導対局を任した事に更に疑問が浮かんだ高田は更に竹田に疑問をぶつける。

「それが分かってて何故……」
「私はただ暇だからってだけで、今日の指導対局の依頼を受けたわけではないんですよ」
「え?」
「私はね確かめたいんですよ、佐藤梢子さんが女流最強の本気にどこまで戦えるのかをね」

 竹田の真意とは一体?
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