理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

目の前の事

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 休憩時間が終了し、俺達は午後の診療にとりかかる。

 3人で力を合わせて午後の診療をこなし、時々はスキルの使用が必要な患者がいるが、怪我をしてすぐのスキル使用なら筋力の低下もなく長期のリハビリは必要ない。

 そういえばザリアンさんは後遺症が治癒魔法で治しきれなくてずっとそれを危惧しながら研究を続けていたんだな。

 その研究自体もあの人が一時的に倒れてストップしてから何年たったか分からないけど今になって俺がこの世界に転移してきたんだよな。

 そうすると俺がこの世界に転移してきたのは単なる偶然じゃなく、何か特別な力が働いたって事なのか?

 ……、いやでも俺があの日マンホールに落っこちたのはどう考えても偶然というか俺の完全なミスだからな。

 そういう意味じゃあマンホールが開いていたのだって不運というかヒューマンエラーだしな。

 それにもし俺以外があのマンホールに落ちたらどうなっていたんだ?少なくともザリアンさんの話を聞く限り異世界から転移してくるというのはそうそうなさそうだが。

 まあ考えても仕方ない、帰る方法はどうにかして見つけたいが、ここで永住する事も視野に入れるって決めたしな。

 そうこうしている内に、午後の診療時間も終えて、ミーザが俺に声をかける。

「はあ、今日の午後の診療も終わったね、さ、早く食べに行こうよ」
「あわてるなよ、ちゃんと整理したら行くからさ」

 そう言って、俺は自分の留守の間と今日の午後からの診療分の診断書をしっかりと分けて後で見やすくするように整理して机にしまうと2人に声をかける。

「それじゃあ行こうか」
「はい」
「待ってました!」

 診療所に鍵をかけ、俺達は夕食を食べに開いている店を目指す。

 やっぱりここにするか、ここは診療初日にも行ったし、メニューも多いからな。

 店に入ると店員に案内されてテーブルに座るとまず飲み物を注文する。

 飲み物が届くと、ミーザが乾杯の音頭を取り始める。

「ユーイチに任せると長くなりそうだからあたしがするね、とりあえずユーイチの本が買い取ってもらえることになったからおめでたいってことでかんぱーい!」

 返す言葉もございませんが、ちゃんと俺の教本買取を祝ってくれるから素直に嬉しいな。

 今後もし教本の内容に他の治癒士達も興味を示せば俺に製本の依頼が来るかもしれないな。まあ原稿はあるし、印刷所に頼めばすぐにできはするが。

 この世界に来たのが偶然であれ、何かの力が働いたであれ、俺がしたことで少しでもこの世界でのいわゆる医療職の人達の知識がより拡がって、治癒魔法も発展すれば俺が来た意味はあるかもな。

 俺としてはいつか診療所も大きくして、俺の世界でいう病院規模にできればとも思っているがそれは遠そうだな。

 とにかく明日からも目の前の事をこなさないとな。
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