理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

国王の帰還

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 会談を終えて領主様に挨拶してから王宮へと帰る事を俺に告げたダリアス陛下は、領主様に仕える執事長のバンさんに領主様の部屋まで案内されて、部屋の前に到着するとバンさんが扉越しに中にいる領主様に声をかける。

「領主様、陛下がミヤシタ様との会談を終え、お帰り前のご挨拶をなさりたいとの事ですが」

 バンさんの呼びかけに領主様は慌てて、部屋から出るとまずはバンさんを叱責する。

「バンよ、何を考えておるのだ!陛下を連れまわすとは失礼に値するぞ!」
「止めろバートン!余がバンに案内するよう懇願したのだ」
「ですが陛下、おしゃっていただければこちらから参りましたのですが」
「無理を通したのは余のほうだ、ならばこちらから帰りの挨拶に出向くのは当然であろう」

 王様自ら帰りの挨拶に来たことに恐れ多いという表情をしている領主様だったが、帰るという言葉に反応し、それについて尋ねる。

「もうお帰りになられるのですか?せめて1泊していかれてはいかがでしょうか?」
「気持ちはありがたいが、今回も無理を通して会談を開いたので、できる限り早く戻らねばならぬのだ」
「そうでしたか、それでどのようにお話はまとまりましたか?」
「具体的な事はまとめて文をよこす。大まかな内容はユーイチ・ミヤシタにあらかじめ聞いておけばよい」

 王様が領主様に俺から話を聞くよう指示を出すと王様は帰る事を領主様に告げる。

「それではこれにて失礼する」
「はっ!ですがせめてお見送りだけでもさせてはいただけませんでしょうか」
「構わぬ、おい馬車の出る準備を!」
「はっ!」

 そう言って護衛の人に停車させてある馬車が出発できる準備をするよう命じ、先に馬車の所へと向かわせて俺達も王様と一緒にゆっくりと馬車の場所まで移動する。

 俺達が馬車の見えるところまで到着すると既に馬車はいつでも出発できるよう準備されており。王様は領主様や俺達に帰りの挨拶をする。

「見送り、ご苦労、それではこれにて失礼するぞ」
「はっ!お気を付けを」
「あの、お気を付けを」

 俺と領主様が帰りの挨拶に返答をすると王様は颯爽と馬車に乗り込み、そのまま馬車は出発する。

 会談の時間は短かったが、俺にとってはなんとも濃い時間となった。

 診療所の事、過去の転移者の事、入院施設の事、学校設立で、俺をその講師へと推薦する話、そしてミミの過去の話。

 いろいろな話を聞かされたが、何か動きがあるまでは今まで通りに診療所の仕事を続けていくしかない。
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