補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

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冒険者デビュー

お祝い会を楽しんで

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 ギルドがあるからこそ、冒険者の活動が成り立っているとの考えを話すニラダに対して、ギルド長であるカーリソンはまた別の考えを述べる。

「ニラダよ確かに冒険者はギルドよりクエストを受けて、それにより生計が成り立ってるだろうが逆もまたしかりなのだ」
「逆ですか?」
「ギルドから冒険者に支払われる報酬は元々ギルドに支払われている報酬を分配しているに過ぎぬ、いうなればそれがギルドの運営の資金になっている。それはお前にも分かるな?」
「はい」

 ギルドの運営はあくまでもクエストの依頼人がいて、その報酬が資金として成り立たせているとニラダに話すカーリソンだが、カーリソンはさらに踏み込んだ話をする。

「それは冒険者の力なくしては成り立たぬのだ、もっと言えば、優れた冒険者を多く擁するギルドにはクエストの依頼も必然的に多くなるのだ」
「確かにそうですね」
「ゆえに、冒険者とギルドは持ちつ持たれつの関係であるとわしは考えておる」
「優れた冒険者にとってはそうでしょうが、やはり我々のような新入り冒険者にはギルドあっての我々だと思っています」

 ニラダの発言を聞いて、カーリソンは自身がニラダに対して自分がこの話をした理由を話し始める。

「ニラダよ、わざわざわしがこの話をお前にした理由が分かるか?」
「え、理由ですか?」
「ここ最近の活躍の話を聞いているとお前達『成長しあう者達』はとてつもないパーティーになるとわしは踏んでいる、ゆえにお前にこの話をしたのだ」
「あ、はあ、あ、ありがとうございます」
「さあ、そろそろお祝い会の準備ができたころだ、今日のお前達は楽しむ権利がある」

 カーリソンに促されてニラダ達はお祝い会が行われる広間へと移動した。普段はここでギルドの用意した食事や持ち込んだ食事をしており、お祝い会をするにはもってこいの場所なのだ。

「それでは皆さん、まずはパーティー毎に指定されたテーブルにご着席ください」

 受付嬢の促しでそれぞれのパーティーはテーブルに着き、ジャンはニラダ達と同じテーブルに着席する。

「改めまして本クエスト、お疲れ様です、今日はお祝い会で英気を養い、明日以降のご活躍も期待します。それでは乾杯!」
「かんぱーーーい!」

 乾杯を終えてニラダ達も料理を食べ始めるとミヨモが味の感想を話す。

「美味しいね、みんな」
「ああ、頑張った甲斐があったな」
「大変だったけど、その分達成感も大きいわね」

 お祝い会を楽しみ、久しぶりの楽しい時間を過ごす一同で会った。
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