補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

目指せSランク

見抜かれた考え

　ニラダ達『成長しあう者達』はカーリソンギルド長より指定された時間に冒険者ギルドに集合し、ギルドの中に入るとまずは受付に行き、用件を話す。

「すいません、本日カーリソンギルド長と面談をする事になった『成長しあう者達』なんですが」
「『成長しあう者達』の皆様ですね、少々お待ちください」

　そう言って受付嬢は書類を確認し、確認を終えるとニラダ達に声をかける。

「それでは私に付いてきてください、ギルド長室までご案内します」

　その言葉と共に受付嬢の1人がギルド長室までの案内をすると告げると、ニラダ達はその受付嬢に案内されギルド長室まで向かっていく。

「そういえば、ギルド長室ってどこにあるか分かんなかったよね」
「ええ、一度、ギルドの大広間に姿を見せた事はあったけど、あの時は緊急クエストが起きていたからね」

　ミヨモとティアが話をしているとギルドの奥まで進み、受付嬢はとある部屋の前に止まり、ニラダ達に部屋について告げる。

「皆さま、こちらがギルド長室になりま、まずは私が声を掛けますので少々お待ちを」

　受付嬢は緊張するのか一呼吸置いてからギルド室の扉の向こうにいる、カーリソンギルド長に声をかける。

「あのギルド長、『成長しあう者達』の皆様が、面談にお越しです」
「通せ」

　カーリソンギルド長のたった一言、通せの言葉を聞いた受付嬢は扉を開くとニラダ達にギルド長室に入るよう促す。

「それでは皆様、お入りください」

　ニラダ達が入室すると既に4人分の椅子が用意されており、受付嬢はニラダ達に一言告げる。

「では失礼いたします」

　そう言って、受付嬢はギルド長室をあとにし、扉を閉める。まだ立ち尽くしているニラダ達に今度はカーリソンギルド長が椅子に座るよう促す。

「座ってよいぞ」
「は、はい」

　カーリソンギルド長に促されてニラダ達は緊張しながらも椅子に座り、全員が椅子に座るとまずはカーリソンギルド長が発言する。

「さて、お前達の面談内容だが、S級冒険者であるガンディーの功績や実績にそして現在の活動についてわしに聞きたいそうだな」
「はい、ガンディー氏はいまや数少ない現役のS級冒険者です。彼の軌跡を知る事はこの先の我々の道しるべになると思い、カーリソンギルド長にご教授願いたく、失礼ながら要望させていただきました」

　ティアはあらかじめギルド長との応対を考えており、その内容を口にしたが、カーリソンはまた予想外の発言をした。

「ふっふっふ、いかにも優等生らしい返答だがお前達の魂胆を見抜けぬわしではないぞ」
「え？」
「ニラダよ、お前は自らの師について知りたいのだろう」

　カーリソンはニラダ達の考えを見抜いていたのであった、この面談の行方は？