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救われる心
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プレツにあるミッツ教団の教会内で、ギンは自らがルワール王国に仕えていた領主の子という事を打ち明けていた。
更に両親と2人の兄は国内で勃発した内乱で命を落とし、自らが父に仕えていたブレイクのツテでコッポまで逃げ延びていたことも話した。
思わぬギンの告白に一同は戸惑うが、そんな中ルルーがギンに声をかける。
「ありがとうギン、話しにくかったと思うけど話してくれて」
「いや、話さなければとは思っていたが中々タイミングがつかめなくてな、むしろ司祭殿やお前たちが話すタイミングを作ってくれたから今しかないと思った」
「でも、そんな過去をいきなり話そうなんて思わないでしょう。前にエイムが言っていたように私達の事を仲間だと思ったからなんでしょう?」
「否定はしない」
ギンの言葉を聞いて少し口元が緩みながらルルーが言葉を発する。
「あなたらしい返答ね、余計な心配は無用のようね」
ルルーの発言を受け、司祭が言葉を発する。
「ギン殿、申し訳ありませんでした。それから心遣い感謝いたします」
「よしてください、司祭殿が謝る必要はありません。司祭殿や皆さんのおかげで話しておかなければならないことを話せたし、わずかだが帝国に抵抗する手がかりにもなりえる情報も得たんです」
「ギン殿……」
「今、俺達にとって大事なのは帝国の侵攻を止めることなんです。俺は今その力に少しでもならなくてはと思っています」
司祭の謝罪と礼の言葉に対し、ギンは強い言葉を放ち、更に自分の思いを話す。
「……もしかしたら俺は今までただ逃げていただけかも知れません。自分の過去や帝国、戦争から、ですがブライアンのように本来なら戦う必要のない者が危険を顧みずこの戦いに参加したり……」
「ギン……」
ギンはブライアンの心意気を感じたことを打ち明け更に言葉を続ける。
「エイムはご両親の元を離れ、俺の頼みを果たそうとしてくれている。それにあれほど強力な帝国との戦いにも引かずにいる」
「ギンさん……」
「だから俺もこれ以上逃げるわけにはいかないんです」
ギンの言葉を受け、エイムが言葉を発する。
「ギンさん、私はギンさんは逃げてなんていないと思います」
「エイム」
「ギンさんは依頼がなくても危険を承知でブライアンさんやルルーさんを助けたり、前にも話したけどいつも前面にでて戦ってくれてます」
エイムの言葉をギンは黙って聞いており、更にエイムは言葉を続ける。
「それに忘れていませんか?最初に帝国との戦いを決意したのはギンさんなんですよ。私達はギンさんの言葉を受けて戦うことにしたんです。怖くないって言ったら嘘になります。でもギンさんの強い決意に私は勇気をもらったんです」
「勇気……か、俺がお前に……」
「そうですよ、むしろ頑張りすぎるところもあって心配になるくらいです」
「エイム、まだあのことを気にしているのか」
ギンの言葉にエイムは少し口を尖らせて話す。
「やっぱり1度ああいうことがあると、例え反省してもまたやるんじゃないかと心配にはなりますよ」
「だから魔導書を買って魔法を習得したんじゃないか」
「うーん、やっぱり心配ですね」
突如気の抜けたやりとりになり周囲の空気も変わり、ヨナがルルーに尋ねている。
「あいつら、さっきまで真剣に話していると思ったら急にどうしたの?」
「エイムが前にギンが無茶したことを思い出してそのことの話をしたの。それでギンもなんか緊張の糸が切れたみたい」
「まさかエイム、それを狙って?」
「いや、あの子は真面目だから本音を言ったら、少しギンの方がいたたまれなくなったんじゃない」
孤独の道を歩んでいたギンにとってエイムや仲間達との出会いは大きな救いになっていた。
ギン自身は今日ほどそれを感じたことはなかった。
続く。
更に両親と2人の兄は国内で勃発した内乱で命を落とし、自らが父に仕えていたブレイクのツテでコッポまで逃げ延びていたことも話した。
思わぬギンの告白に一同は戸惑うが、そんな中ルルーがギンに声をかける。
「ありがとうギン、話しにくかったと思うけど話してくれて」
「いや、話さなければとは思っていたが中々タイミングがつかめなくてな、むしろ司祭殿やお前たちが話すタイミングを作ってくれたから今しかないと思った」
「でも、そんな過去をいきなり話そうなんて思わないでしょう。前にエイムが言っていたように私達の事を仲間だと思ったからなんでしょう?」
「否定はしない」
ギンの言葉を聞いて少し口元が緩みながらルルーが言葉を発する。
「あなたらしい返答ね、余計な心配は無用のようね」
ルルーの発言を受け、司祭が言葉を発する。
「ギン殿、申し訳ありませんでした。それから心遣い感謝いたします」
「よしてください、司祭殿が謝る必要はありません。司祭殿や皆さんのおかげで話しておかなければならないことを話せたし、わずかだが帝国に抵抗する手がかりにもなりえる情報も得たんです」
「ギン殿……」
「今、俺達にとって大事なのは帝国の侵攻を止めることなんです。俺は今その力に少しでもならなくてはと思っています」
司祭の謝罪と礼の言葉に対し、ギンは強い言葉を放ち、更に自分の思いを話す。
「……もしかしたら俺は今までただ逃げていただけかも知れません。自分の過去や帝国、戦争から、ですがブライアンのように本来なら戦う必要のない者が危険を顧みずこの戦いに参加したり……」
「ギン……」
ギンはブライアンの心意気を感じたことを打ち明け更に言葉を続ける。
「エイムはご両親の元を離れ、俺の頼みを果たそうとしてくれている。それにあれほど強力な帝国との戦いにも引かずにいる」
「ギンさん……」
「だから俺もこれ以上逃げるわけにはいかないんです」
ギンの言葉を受け、エイムが言葉を発する。
「ギンさん、私はギンさんは逃げてなんていないと思います」
「エイム」
「ギンさんは依頼がなくても危険を承知でブライアンさんやルルーさんを助けたり、前にも話したけどいつも前面にでて戦ってくれてます」
エイムの言葉をギンは黙って聞いており、更にエイムは言葉を続ける。
「それに忘れていませんか?最初に帝国との戦いを決意したのはギンさんなんですよ。私達はギンさんの言葉を受けて戦うことにしたんです。怖くないって言ったら嘘になります。でもギンさんの強い決意に私は勇気をもらったんです」
「勇気……か、俺がお前に……」
「そうですよ、むしろ頑張りすぎるところもあって心配になるくらいです」
「エイム、まだあのことを気にしているのか」
ギンの言葉にエイムは少し口を尖らせて話す。
「やっぱり1度ああいうことがあると、例え反省してもまたやるんじゃないかと心配にはなりますよ」
「だから魔導書を買って魔法を習得したんじゃないか」
「うーん、やっぱり心配ですね」
突如気の抜けたやりとりになり周囲の空気も変わり、ヨナがルルーに尋ねている。
「あいつら、さっきまで真剣に話していると思ったら急にどうしたの?」
「エイムが前にギンが無茶したことを思い出してそのことの話をしたの。それでギンもなんか緊張の糸が切れたみたい」
「まさかエイム、それを狙って?」
「いや、あの子は真面目だから本音を言ったら、少しギンの方がいたたまれなくなったんじゃない」
孤独の道を歩んでいたギンにとってエイムや仲間達との出会いは大きな救いになっていた。
ギン自身は今日ほどそれを感じたことはなかった。
続く。
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