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第六章 2年目後半
第306話 無茶の代償と決意
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ほぼ1日で結界魔法2回の瞬間移動魔法2回は、さすがの私でも調子が悪くなるというもの。
翌日客室で目が覚めたものの、どうにも体がだるくて仕方がなかった。これでは今日もサーロイン王国に戻れそうにはなかった。
(うう、ここまで酷いとは思ってもなかったわね。瞬間移動魔法2回までなら大丈夫だっただろうけど、さすがにこの長距離はきつかったか……)
客室のベッドの天蓋を眺めながら、さすがの私も今さらながらに後悔をしていた。
張った結界はもう1日はもったので、それまで待てばよかった。それならサーロイン王国に戻ってから倒れていた……、いや、倒れるのは嫌だわね。
私はだるいながらにもいつまでも寝ているわけにはいかないと、どうにか体を起こしてベッドを出る。
「失礼致します。お目覚めでしょうか、アンマリア様」
ベッドからいざ立ち上がろうとしたその時、部屋の外から声が聞こえてきた。どうやら私の世話役の侍女があてがわれたようだ。
「はい、目は覚めていますよ」
「左様でございますか。では、お入りしても大丈夫でしょうか」
「どうぞ」
入室の許可を求めてきたので、私は許可を出す。
「失礼致します。本日出立されるまでの間の世話を任されましたスプラと申します。よろしくお願い致します」
扉を閉めたスプラは私にしっかりと頭を下げてきた。
「ありがとうございます。本日はお世話になりますね」
ちょうど調子が良くない感じだったので、私はスプラにいろいろと手伝ってもらう事にした。
まったく、ここまで魔力を消耗したのはテールの呪いを相手にした時以来だわね。
それにしても、思ったより魔力が底をつくのが早い感じがした。女神の恩恵を受けているのだから、もう少しは大丈夫だと思っていたのにね。すっかり普通の体型になってしまった影響もあるのかしらね。
疑問に思う事は多いものの、服を着替えた私は食堂へと向かう事にしたのだった。
スプラに案内されてたどり着いた食堂は、やっぱり王族の食堂だった。私、ただの伯爵令嬢なんですけれどね。この扱いは大概過ぎませんか?
とはいえど王族に逆らえるわけもないので、私はおとなしく席に着いた。昨日もご一緒でしたから、今さらという感じなのよね。
「アンマリアよ、ゆっくり休めたかな?」
パセラ国王が私に声を掛けてくる。
「はい、ゆっくり休めました。ですが、さすがに魔力の消耗が過ぎましたので、まだ本調子ではありません」
「そうか、それは大変だな。だったら今日もゆっくりしていくといいぞ」
「そうですね。お言葉に甘えさせて頂きます」
せっかくなので、そのご厚意に甘えさせてもらう事にする私。さすがに消耗した魔力量が多すぎたのが悪かったものね。
それにしても、やっぱり瞬間移動魔法2回程度で魔力が底をつくようでは、私自身も問題だと考えていた。本格的な魔王対策を考えるのなら、もっと魔力量を増やすか、魔力の消費量を抑えるかをしなければならないだろうからね。今のままじゃ到底太刀打ちできないわ。
うーん、どこから手をつければいいのかしらね。いくら恩恵を増幅させられるとはいっても具体的な効果が分からないし、結局は私たちで試行錯誤するしかないって事よね、はあ……。
(それにしても、結局モモに会わずにこっちに来ちゃったから、きっと今頃は騒いでいるでしょうね。エスカやテールが相手をしているでしょうから、二人を労ってあげなきゃね)
国王夫妻と食事を終えた私は、体を休めるために客室に戻って来ていた。
一応結界の事で国王夫妻からお礼を言われたものの、根本的な解決はまだまだ遠い話だった。
何といっても諜報部がどこまで敵に回っているのかなどの具体的な状況が分からないためだ。ベジタリウス王国内だけの問題じゃないというのがさらに事態を混迷させている。連中はサーロイン王国の内部でも活動しているし、建国祭の事も考えるとミール王国にも潜んでいる可能性がある。問題は山積散在というわけだった。……正直頭の痛すぎる問題だった。敵の姿が見えないんだもの。
私は結局あれこれ考えながら、一日中城の客室の中でゴロゴロとしていた。体調が優れないから書庫に行くのも厳しいのよ。はあ、鍛えなきゃいけないわね……。ひとしきりに反省と決意の繰り返しをする私だった。
翌日、無事に私は回復。
昨夜思い出したかのようにエスカからもらったスマーフォンもどきを取り出した私は、モモの状況の確認ついでに翌日帰る旨を連絡しておいたのだった。便利な道具をすっかり忘れていたわ。
すぐさまエスカから返事が来てたけど、まぁなんとも予想通りの返信が来てたわ。ごめんね、モモ。
朝食を終わらせて挨拶をした私は、世話をしてもらったスプラにも挨拶をしてベジタリウス王城から瞬間移動魔法でサーロイン王国へと戻っていった。
とにかくベジタリウス王国だけに任せておくわけにはいかないわ。なんとしても私たちの方でも敵の正体を暴いてやるわよ。
強く決意をした私は、サーロイン王城の中に跳んだのだった。
翌日客室で目が覚めたものの、どうにも体がだるくて仕方がなかった。これでは今日もサーロイン王国に戻れそうにはなかった。
(うう、ここまで酷いとは思ってもなかったわね。瞬間移動魔法2回までなら大丈夫だっただろうけど、さすがにこの長距離はきつかったか……)
客室のベッドの天蓋を眺めながら、さすがの私も今さらながらに後悔をしていた。
張った結界はもう1日はもったので、それまで待てばよかった。それならサーロイン王国に戻ってから倒れていた……、いや、倒れるのは嫌だわね。
私はだるいながらにもいつまでも寝ているわけにはいかないと、どうにか体を起こしてベッドを出る。
「失礼致します。お目覚めでしょうか、アンマリア様」
ベッドからいざ立ち上がろうとしたその時、部屋の外から声が聞こえてきた。どうやら私の世話役の侍女があてがわれたようだ。
「はい、目は覚めていますよ」
「左様でございますか。では、お入りしても大丈夫でしょうか」
「どうぞ」
入室の許可を求めてきたので、私は許可を出す。
「失礼致します。本日出立されるまでの間の世話を任されましたスプラと申します。よろしくお願い致します」
扉を閉めたスプラは私にしっかりと頭を下げてきた。
「ありがとうございます。本日はお世話になりますね」
ちょうど調子が良くない感じだったので、私はスプラにいろいろと手伝ってもらう事にした。
まったく、ここまで魔力を消耗したのはテールの呪いを相手にした時以来だわね。
それにしても、思ったより魔力が底をつくのが早い感じがした。女神の恩恵を受けているのだから、もう少しは大丈夫だと思っていたのにね。すっかり普通の体型になってしまった影響もあるのかしらね。
疑問に思う事は多いものの、服を着替えた私は食堂へと向かう事にしたのだった。
スプラに案内されてたどり着いた食堂は、やっぱり王族の食堂だった。私、ただの伯爵令嬢なんですけれどね。この扱いは大概過ぎませんか?
とはいえど王族に逆らえるわけもないので、私はおとなしく席に着いた。昨日もご一緒でしたから、今さらという感じなのよね。
「アンマリアよ、ゆっくり休めたかな?」
パセラ国王が私に声を掛けてくる。
「はい、ゆっくり休めました。ですが、さすがに魔力の消耗が過ぎましたので、まだ本調子ではありません」
「そうか、それは大変だな。だったら今日もゆっくりしていくといいぞ」
「そうですね。お言葉に甘えさせて頂きます」
せっかくなので、そのご厚意に甘えさせてもらう事にする私。さすがに消耗した魔力量が多すぎたのが悪かったものね。
それにしても、やっぱり瞬間移動魔法2回程度で魔力が底をつくようでは、私自身も問題だと考えていた。本格的な魔王対策を考えるのなら、もっと魔力量を増やすか、魔力の消費量を抑えるかをしなければならないだろうからね。今のままじゃ到底太刀打ちできないわ。
うーん、どこから手をつければいいのかしらね。いくら恩恵を増幅させられるとはいっても具体的な効果が分からないし、結局は私たちで試行錯誤するしかないって事よね、はあ……。
(それにしても、結局モモに会わずにこっちに来ちゃったから、きっと今頃は騒いでいるでしょうね。エスカやテールが相手をしているでしょうから、二人を労ってあげなきゃね)
国王夫妻と食事を終えた私は、体を休めるために客室に戻って来ていた。
一応結界の事で国王夫妻からお礼を言われたものの、根本的な解決はまだまだ遠い話だった。
何といっても諜報部がどこまで敵に回っているのかなどの具体的な状況が分からないためだ。ベジタリウス王国内だけの問題じゃないというのがさらに事態を混迷させている。連中はサーロイン王国の内部でも活動しているし、建国祭の事も考えるとミール王国にも潜んでいる可能性がある。問題は山積散在というわけだった。……正直頭の痛すぎる問題だった。敵の姿が見えないんだもの。
私は結局あれこれ考えながら、一日中城の客室の中でゴロゴロとしていた。体調が優れないから書庫に行くのも厳しいのよ。はあ、鍛えなきゃいけないわね……。ひとしきりに反省と決意の繰り返しをする私だった。
翌日、無事に私は回復。
昨夜思い出したかのようにエスカからもらったスマーフォンもどきを取り出した私は、モモの状況の確認ついでに翌日帰る旨を連絡しておいたのだった。便利な道具をすっかり忘れていたわ。
すぐさまエスカから返事が来てたけど、まぁなんとも予想通りの返信が来てたわ。ごめんね、モモ。
朝食を終わらせて挨拶をした私は、世話をしてもらったスプラにも挨拶をしてベジタリウス王城から瞬間移動魔法でサーロイン王国へと戻っていった。
とにかくベジタリウス王国だけに任せておくわけにはいかないわ。なんとしても私たちの方でも敵の正体を暴いてやるわよ。
強く決意をした私は、サーロイン王城の中に跳んだのだった。
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