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第118話 三傑決戦・その1
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色鮮寺の奥に延びる山道に、パステル戦士五人とモノトーン三傑とその配下の化け物六体が揃う。数としては5対9。パステル戦士の方が数が少なく不利である。
「よく逃げずにやって来たな、パステル王国の犬どもよ! 褒めてやろう」
そう叫んだのはグーレイである。こてんぱんにやられたとはいえ、一番面目を保っているからだろう。
「さすがに私たちも失敗を重ね過ぎた。悪いが、全力をもってお前たちを潰させてもらうぞ!」
シイロもかなり思い詰めた顔をしている。そのくらいにはモノトーンのボスであるダクネースの怒りを買っているという事になるのだ。その気迫に、パステルピンクたちの体に力が入る。これはパステルピンクたちも相当に覚悟を決めなければならないという事になる。
しかし、正直言ってこの戦いに勝てる要素が考えられなかった。今まで撃退できていたのは、三傑が一人でやって来ていたからだ。さすがに全員ともなれば、まともにやっては勝ち目はないだろう。パステルピンクたちには緊張が漂っていた。
「さあ、これで終いにしようぞ。おぬしらは我らが覚悟の前に沈黙するのだ!」
ブラークが叫ぶ。そして、先陣切ってパステルピンクたちに化け物を伴って襲い掛かってきた。
シイロが大将、グーレイが遊撃、ブラークが斥侯、先陣というのが三傑の本来の役割だ。三人揃ってこそ、その真価を発揮するというわけである。つまり、三人が揃うという事はそれだけ本気という事だ。もう万が一にも負けるわけにはいかない覚悟の表れなのである。
「我らがモノトーン三傑の真の力、その身で味わうがよいぞ!」
シイロの掛け声で、ブラークが動いた。
「わたくしが参りますわ!」
対するのは盾を持つパステルパープルである。タンクとしては未熟ではあるものの、攻撃の術は牽制に向いているので、迎撃に動いたのだ。
「パステルイレーサー!」
パステルパープルが武器である消しゴムを出す。
「パステル・アイシクル・スピアー!」
相手が三人と六体という状況で、視界は極力悪くすべきでないと判断したパステルパープルは、牽制の意味合いで細やかで鋭い氷柱の嵐を巻き起こした。すると、ブラークは化け物を盾にして、攻撃に構わず突進を仕掛けてきた。さすがに全力で生み出した化け物とはいえど、パステルパープルの攻撃に全身が凍り付いて動きが止まってしまった。
「ふっ、凍結付きの攻撃か。攻防兼ね備えておるとは、敵ながら認めざるを得んな」
ブラークは飛び上がってパステルパープルに襲い掛かる。
「だが、この我には通じぬぞ! 大技の後で、隙だらけだぞ!」
墨を鞭のように変化させてパステルパープルへと攻撃を放つ!
「パステルペンシル、フォームチェンジ、ペンシルレイピア!」
そこへパステルブラウンが現れ、武器であるパステルペンシルをレイピアに変化させた。
「パステル・リーフ・スラスト!」
そして、狙いすましたかのようにブラークへと突き技を放つ。短期間だがその間に身に付けた新技だ。思いの強さが力になるとは本当だったのだ。
「ぐぬっ!」
虚を突かれたブラークは、空中に居たためにまともに食らってしまう。しかし、そこはブラークだって覚悟が違う。後ろに吹き飛ばされたとはいえ、それほどダメージにはならなかったようだ。
「やってくれるな。小娘ばかりだと思ってまだ甘く見ていたようだな。我とした事が、まだまだ未熟か……」
ブラークは腹を押さえながら、パステルブラウンの攻撃を称賛した。
「この程度でそこまで驚かれても困るわね。あたいの力はまだこんなものじゃないわよ!」
パステルブラウンは力を込め始める。
「いでよ、パステルパペット!」
「カラフルーっ!」
パステルブラウンが叫ぶと、なんとも可愛らしい化け物が現れた。性質としてはモノトーン側の生み出す化け物と似ている。
「マジェとして活動していた時期のモノトーンを生み出す力、それをパステル戦士としての力に応用させてもらったわ!」
なんと、パステル戦士として目覚めた事で消えたはずの化け物を生み出す術を、見事に復活させてしまったのだ。
「な、なんと?!」
これにはブラークも驚いている。
「これ以上はお前たちの好き勝手にはさせない。あたいにも聖獣としての意地があるんだ!」
パステルブラウンはそう叫んで、パステルパペットをブラークへとけしかける。
「ぬう、本当にこやつらは成長したものよ。我も精一杯の力を持って応えさせてもらおう!」
ブラークも負けじと応戦する。凍り付いた化け物たちに力を送り込み、復活を試みる。だが、そこへ今度はパステルパープルが攻撃を仕掛ける。
「パステルイレーサー、フォームチェンジ、イレーサーシールド!」
持っていた武器を盾に変化させ、それを小型化した。
「パステル・シールド・ブーメラン!」
そして、ブラーク目がけて投げたのだ。イエーロの実演によって見出した盾の新しい技だ。まさか相手も盾を投げるとは思ってもみまい。だが、そこはさすがは三傑のブラーク。不意を突かれようとも二度目は食らわなかった。
「甘いわっ!」
だが、ブーメランは凍り付いた化け物たちを砕き、粉々にして浄化してしまった。
「くっ、おのれ!」
さすがにこれにはブラークは慌てた。すぐさま化け物を新たに召喚しようとするが、パステルブラウンがその暇を与えない。
「そうはいくものですか!」
こうして、パステル戦士と三傑の戦いは幕を開けたのだった。
「よく逃げずにやって来たな、パステル王国の犬どもよ! 褒めてやろう」
そう叫んだのはグーレイである。こてんぱんにやられたとはいえ、一番面目を保っているからだろう。
「さすがに私たちも失敗を重ね過ぎた。悪いが、全力をもってお前たちを潰させてもらうぞ!」
シイロもかなり思い詰めた顔をしている。そのくらいにはモノトーンのボスであるダクネースの怒りを買っているという事になるのだ。その気迫に、パステルピンクたちの体に力が入る。これはパステルピンクたちも相当に覚悟を決めなければならないという事になる。
しかし、正直言ってこの戦いに勝てる要素が考えられなかった。今まで撃退できていたのは、三傑が一人でやって来ていたからだ。さすがに全員ともなれば、まともにやっては勝ち目はないだろう。パステルピンクたちには緊張が漂っていた。
「さあ、これで終いにしようぞ。おぬしらは我らが覚悟の前に沈黙するのだ!」
ブラークが叫ぶ。そして、先陣切ってパステルピンクたちに化け物を伴って襲い掛かってきた。
シイロが大将、グーレイが遊撃、ブラークが斥侯、先陣というのが三傑の本来の役割だ。三人揃ってこそ、その真価を発揮するというわけである。つまり、三人が揃うという事はそれだけ本気という事だ。もう万が一にも負けるわけにはいかない覚悟の表れなのである。
「我らがモノトーン三傑の真の力、その身で味わうがよいぞ!」
シイロの掛け声で、ブラークが動いた。
「わたくしが参りますわ!」
対するのは盾を持つパステルパープルである。タンクとしては未熟ではあるものの、攻撃の術は牽制に向いているので、迎撃に動いたのだ。
「パステルイレーサー!」
パステルパープルが武器である消しゴムを出す。
「パステル・アイシクル・スピアー!」
相手が三人と六体という状況で、視界は極力悪くすべきでないと判断したパステルパープルは、牽制の意味合いで細やかで鋭い氷柱の嵐を巻き起こした。すると、ブラークは化け物を盾にして、攻撃に構わず突進を仕掛けてきた。さすがに全力で生み出した化け物とはいえど、パステルパープルの攻撃に全身が凍り付いて動きが止まってしまった。
「ふっ、凍結付きの攻撃か。攻防兼ね備えておるとは、敵ながら認めざるを得んな」
ブラークは飛び上がってパステルパープルに襲い掛かる。
「だが、この我には通じぬぞ! 大技の後で、隙だらけだぞ!」
墨を鞭のように変化させてパステルパープルへと攻撃を放つ!
「パステルペンシル、フォームチェンジ、ペンシルレイピア!」
そこへパステルブラウンが現れ、武器であるパステルペンシルをレイピアに変化させた。
「パステル・リーフ・スラスト!」
そして、狙いすましたかのようにブラークへと突き技を放つ。短期間だがその間に身に付けた新技だ。思いの強さが力になるとは本当だったのだ。
「ぐぬっ!」
虚を突かれたブラークは、空中に居たためにまともに食らってしまう。しかし、そこはブラークだって覚悟が違う。後ろに吹き飛ばされたとはいえ、それほどダメージにはならなかったようだ。
「やってくれるな。小娘ばかりだと思ってまだ甘く見ていたようだな。我とした事が、まだまだ未熟か……」
ブラークは腹を押さえながら、パステルブラウンの攻撃を称賛した。
「この程度でそこまで驚かれても困るわね。あたいの力はまだこんなものじゃないわよ!」
パステルブラウンは力を込め始める。
「いでよ、パステルパペット!」
「カラフルーっ!」
パステルブラウンが叫ぶと、なんとも可愛らしい化け物が現れた。性質としてはモノトーン側の生み出す化け物と似ている。
「マジェとして活動していた時期のモノトーンを生み出す力、それをパステル戦士としての力に応用させてもらったわ!」
なんと、パステル戦士として目覚めた事で消えたはずの化け物を生み出す術を、見事に復活させてしまったのだ。
「な、なんと?!」
これにはブラークも驚いている。
「これ以上はお前たちの好き勝手にはさせない。あたいにも聖獣としての意地があるんだ!」
パステルブラウンはそう叫んで、パステルパペットをブラークへとけしかける。
「ぬう、本当にこやつらは成長したものよ。我も精一杯の力を持って応えさせてもらおう!」
ブラークも負けじと応戦する。凍り付いた化け物たちに力を送り込み、復活を試みる。だが、そこへ今度はパステルパープルが攻撃を仕掛ける。
「パステルイレーサー、フォームチェンジ、イレーサーシールド!」
持っていた武器を盾に変化させ、それを小型化した。
「パステル・シールド・ブーメラン!」
そして、ブラーク目がけて投げたのだ。イエーロの実演によって見出した盾の新しい技だ。まさか相手も盾を投げるとは思ってもみまい。だが、そこはさすがは三傑のブラーク。不意を突かれようとも二度目は食らわなかった。
「甘いわっ!」
だが、ブーメランは凍り付いた化け物たちを砕き、粉々にして浄化してしまった。
「くっ、おのれ!」
さすがにこれにはブラークは慌てた。すぐさま化け物を新たに召喚しようとするが、パステルブラウンがその暇を与えない。
「そうはいくものですか!」
こうして、パステル戦士と三傑の戦いは幕を開けたのだった。
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