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SCENE011 改造したら見せびらかしたい
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「こんにちは、ダンジョンマスターのウィンクです」
それから二日後、僕は再び配信を行うことにした。
『こんにちは~』
『ウィンクちゃんだ』
『ダンマスの配信、助かる』
冒頭の呼び掛けからコメントがあって、僕はびっくりしている。
これまでの二回は、いずれも冒頭は静かなものだったんだもん。同接数0は悲しかったなぁ……。
でも、今回は違う。なんと10名もの方が、配信を冒頭から見てくれている。
なるほど、これが『他者の魅了』っていうものなんだね。
ただ、軽度らしくて、ダンジョンポイントが一人当たり20ポイントくらいだった。それでも、700ポイントの加算は大きかったよね。
『ラミアって恐ろしい魔物かと思ってたけど、ウィンクちゃんを見てたら可愛く思えてきた』
「や、やだなぁ、可愛いだなんて」
『いやあ、女の子相手に可愛いっていうのは褒め言葉だと思うんだけど』
視聴者さんからは、そんな言葉が返ってきた。
そうだった。この人たち、僕が元々男の子だったことを知らないんだった。それに、ラミアというのは上半身が女性、下半身が蛇なので、僕の性別も自然と女性っていうことになっちゃうんだよね。う~ん、嬉しいような悲しいような……。
とはいっても、今は配信中。うじうじしてちゃ、飽きられちゃう。
「今回は、ダンジョンをグレードアップしてみましたので、紹介をしていきたいと思います。初めて拡張したので、罠なんかはありませんからね。僕は戦いよりもおしゃべりがしたいんです」
『平和主義のラミアかぁ』
『てか、ウィンクちゃん、僕っ子だったのか』
いや、今それ気が付くかな。前回もずっと『僕』っていってたと思うんだけど。
……前回はモンスターが配信しているってことで大騒ぎになってたから、記憶にも残らなかったってことかな。それなら仕方ないか。
『ラミアってことは魔法も使えたりするの?』
『あっ、気になるな。魅了のイメージしかないけど、それ以外はどうなんだろ』
「魔法ですか? 色々使えるみたいですけれど、僕は今は修行中です。元探索者見習いですから、異世界出身のモンスターに比べると、能力はしょぼいですよ」
『なるほどなぁ』
僕の説明で、視聴者さんたちは納得してくれているみたい。
いろいろと雑談をしていたけれど、ひとまず配信を先に進める。
「入口から途中まではそのままですね。ほぼ真ん中で階層を二つに分けて、そこに階段を増やしました」
『ホントだ。前の配信だと、一番奥まで一本道だったもんな』
このコメントは、全回間違えて最初辺りからいてくれた視聴者さんですね。今回も見てくれているなんて、いい人だなぁ。
『知っているのか?』
『知ってるも何も、全回間違えて入ってそのままほぼ全部見てたからな』
『あなたが神か』
『安っぽい神など要らぬ』
視聴者さん同士で漫才を始めちゃった。そのやり取りに僕はつい吹き出してしまう。
『ウィンクちゃんに笑われた』
『今のやり取りがツボるとはな……』
「ごめんなさい。今の環境だと、なかなかそういうのに触れられないので、つい」
一応言い訳をしておく。
でも、娯楽らしい娯楽がないのは事実だから、なかなかに面白かったと思う。
ひとまず僕は歩きながら、視聴者さんとのやり取りを楽しんでいる。
今日も無事に僕の住むボス部屋まで戻ってこれた。
「あっ、もう奥まで戻ってきちゃいましたね」
『おつおつ』
『こうやって見ると、ダンジョンも奥深いな。他のダンジョンのマスターも、こうやって空間を広げていったんだろうな』
『なんか、ダンジョンマスターを見る目が変わった気がするわ』
すっごくシンプルなダンジョンの中を歩いただけだったけど、視聴者さんたちの反応はいろいろあったみたいだ。
僕もこっち側に立たされて初めて、ダンジョンの大変さっていうのを味わったからね。
一応システム的なことは話してはいけないと、バトラーには止められている。どうしてって尋ねても、そういうものだからとしか返ってこない。ダンジョンの仕組みというのは、なんともいえない裏事情というのがあるみたいだった。
ものすごく言いづらそうなので、僕もそれ以上聞くことはしなかった。教わる相手だし、仲良くやっていきたいもの。
『ところで、ウィンクちゃん』
「はい、何でしょうか」
そろそろ配信を終わろうかと思った時、視聴者さんから声をかけられる。
『今日はバトラーさんいないの?』
「いますよ? 呼びましょうか?」
『ぜひぜひ』
なんだか呼んでほしそうな感じなので、僕はバトラーを呼び出す。
「なんですか、あまり人前に出たくはありませんぞ」
文句を言いながらも、バトラーはドローンの前にやってきた。
『うん、なんだか御利益ありそうな顔だ』
『この配信はあなたのおかげで存在している。拝ませてくれ』
「まったく、人間というものは分かりませんな」
呆れた顔をしているものの、バトラーはまんざらでもなさそうだった。
最終的には照れくさそうにしているバトラーの姿を、僕は微笑ましそうに眺めていた。
「それでは、本日はここまでにします。次回にお会いしたいという方がいらっしゃいましたら、おもてなしくらいはさせてもらいます。一緒にお話ししましょうね」
『俺、探索者適性ない・・・』
『どこか分からんから無理や』
視聴者さんたちからの悲痛な声が聞こえてくるけど、僕はモンスターらしく非情に配信終了をさせてもらう。
配信を終えた僕は、すぐさま行動に移る。今あるポイントを使って、来客を迎えるためのテーブルと椅子を購入する。
「はあ、プリンセスは本当に人がよろしいようですな」
僕の行動に、バトラーはちょっと困った表情をするのだった。
それから二日後、僕は再び配信を行うことにした。
『こんにちは~』
『ウィンクちゃんだ』
『ダンマスの配信、助かる』
冒頭の呼び掛けからコメントがあって、僕はびっくりしている。
これまでの二回は、いずれも冒頭は静かなものだったんだもん。同接数0は悲しかったなぁ……。
でも、今回は違う。なんと10名もの方が、配信を冒頭から見てくれている。
なるほど、これが『他者の魅了』っていうものなんだね。
ただ、軽度らしくて、ダンジョンポイントが一人当たり20ポイントくらいだった。それでも、700ポイントの加算は大きかったよね。
『ラミアって恐ろしい魔物かと思ってたけど、ウィンクちゃんを見てたら可愛く思えてきた』
「や、やだなぁ、可愛いだなんて」
『いやあ、女の子相手に可愛いっていうのは褒め言葉だと思うんだけど』
視聴者さんからは、そんな言葉が返ってきた。
そうだった。この人たち、僕が元々男の子だったことを知らないんだった。それに、ラミアというのは上半身が女性、下半身が蛇なので、僕の性別も自然と女性っていうことになっちゃうんだよね。う~ん、嬉しいような悲しいような……。
とはいっても、今は配信中。うじうじしてちゃ、飽きられちゃう。
「今回は、ダンジョンをグレードアップしてみましたので、紹介をしていきたいと思います。初めて拡張したので、罠なんかはありませんからね。僕は戦いよりもおしゃべりがしたいんです」
『平和主義のラミアかぁ』
『てか、ウィンクちゃん、僕っ子だったのか』
いや、今それ気が付くかな。前回もずっと『僕』っていってたと思うんだけど。
……前回はモンスターが配信しているってことで大騒ぎになってたから、記憶にも残らなかったってことかな。それなら仕方ないか。
『ラミアってことは魔法も使えたりするの?』
『あっ、気になるな。魅了のイメージしかないけど、それ以外はどうなんだろ』
「魔法ですか? 色々使えるみたいですけれど、僕は今は修行中です。元探索者見習いですから、異世界出身のモンスターに比べると、能力はしょぼいですよ」
『なるほどなぁ』
僕の説明で、視聴者さんたちは納得してくれているみたい。
いろいろと雑談をしていたけれど、ひとまず配信を先に進める。
「入口から途中まではそのままですね。ほぼ真ん中で階層を二つに分けて、そこに階段を増やしました」
『ホントだ。前の配信だと、一番奥まで一本道だったもんな』
このコメントは、全回間違えて最初辺りからいてくれた視聴者さんですね。今回も見てくれているなんて、いい人だなぁ。
『知っているのか?』
『知ってるも何も、全回間違えて入ってそのままほぼ全部見てたからな』
『あなたが神か』
『安っぽい神など要らぬ』
視聴者さん同士で漫才を始めちゃった。そのやり取りに僕はつい吹き出してしまう。
『ウィンクちゃんに笑われた』
『今のやり取りがツボるとはな……』
「ごめんなさい。今の環境だと、なかなかそういうのに触れられないので、つい」
一応言い訳をしておく。
でも、娯楽らしい娯楽がないのは事実だから、なかなかに面白かったと思う。
ひとまず僕は歩きながら、視聴者さんとのやり取りを楽しんでいる。
今日も無事に僕の住むボス部屋まで戻ってこれた。
「あっ、もう奥まで戻ってきちゃいましたね」
『おつおつ』
『こうやって見ると、ダンジョンも奥深いな。他のダンジョンのマスターも、こうやって空間を広げていったんだろうな』
『なんか、ダンジョンマスターを見る目が変わった気がするわ』
すっごくシンプルなダンジョンの中を歩いただけだったけど、視聴者さんたちの反応はいろいろあったみたいだ。
僕もこっち側に立たされて初めて、ダンジョンの大変さっていうのを味わったからね。
一応システム的なことは話してはいけないと、バトラーには止められている。どうしてって尋ねても、そういうものだからとしか返ってこない。ダンジョンの仕組みというのは、なんともいえない裏事情というのがあるみたいだった。
ものすごく言いづらそうなので、僕もそれ以上聞くことはしなかった。教わる相手だし、仲良くやっていきたいもの。
『ところで、ウィンクちゃん』
「はい、何でしょうか」
そろそろ配信を終わろうかと思った時、視聴者さんから声をかけられる。
『今日はバトラーさんいないの?』
「いますよ? 呼びましょうか?」
『ぜひぜひ』
なんだか呼んでほしそうな感じなので、僕はバトラーを呼び出す。
「なんですか、あまり人前に出たくはありませんぞ」
文句を言いながらも、バトラーはドローンの前にやってきた。
『うん、なんだか御利益ありそうな顔だ』
『この配信はあなたのおかげで存在している。拝ませてくれ』
「まったく、人間というものは分かりませんな」
呆れた顔をしているものの、バトラーはまんざらでもなさそうだった。
最終的には照れくさそうにしているバトラーの姿を、僕は微笑ましそうに眺めていた。
「それでは、本日はここまでにします。次回にお会いしたいという方がいらっしゃいましたら、おもてなしくらいはさせてもらいます。一緒にお話ししましょうね」
『俺、探索者適性ない・・・』
『どこか分からんから無理や』
視聴者さんたちからの悲痛な声が聞こえてくるけど、僕はモンスターらしく非情に配信終了をさせてもらう。
配信を終えた僕は、すぐさま行動に移る。今あるポイントを使って、来客を迎えるためのテーブルと椅子を購入する。
「はあ、プリンセスは本当に人がよろしいようですな」
僕の行動に、バトラーはちょっと困った表情をするのだった。
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