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SCENE093 ふとした疑問
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気持ち程度だけど、ダンジョンポイントも増えた。なので、そろそろ次のダンジョン改造を施したいところ。
そこで僕は、携帯電話を手に取ることにした。
だけど、僕は谷地さんたちの連絡先を知らない。なので、ダンジョン管理局ともつながりがある衣織お姉さんに電話をすることにした。
『なんだ、瞬か。どうしたんだ?』
電話をかけたら、コール一回で衣織お姉さんが出たよ。早くない?!
「あ、衣織お姉さん。ちょっと今は大丈夫かな?」
『問題ない。今はギルドの中だが、瞬が気にすることではないからな』
「本当に大丈夫?!」
『くどい。私がないといったら問題ないんだ』
衣織お姉さんからはっきりと言われてしまった。なので、僕はその言葉を信じることにする。
『それで、私に電話をしてくるとはどういう用件かな、瞬』
衣織お姉さんは、すぐに僕から用件を聞き出そうとしてきた。なので、僕は正直に用件を話すことにした。
『なるほど、ダンジョンの改造をしたいから、管理局の人から要望を聞いてきてくれないかというわけか』
「うん、僕のダンジョンだから、僕の好きなようにしてもいいんだろうけどさ。見習いの探索者のために場を提供しているから、管理局の方針というのを確認しておきたいんだよ」
『まったく。妙なところで律儀だな、瞬は』
僕が正直に話すと、衣織お姉さんはおかしそうに笑っていた。そんなに笑うところかなぁ。
「衣織お姉さん、僕は本気で悩んでるんだけど?」
『ああ、悪い』
怒れば、衣織お姉さんは素直に謝ってくれた。
『瞬の好きなようにしてもらえばいいと思うよ、私は。ただ、頼まれたからには管理局の方針は聞きに行くとするよ』
「うん、お願いするね、衣織お姉さん」
『任せておけ』
話を終えた僕は、携帯電話の通話を切る。
ふうっとため息をついていると、ラティナさんが近付いてきた。
「ウィンク様、今、何をなされていたのですか?」
「えっと、この携帯電話っていうので、衣織お姉さんと話をしていたんだ」
「まあ、この妙な板でですか?」
ラティナさんが携帯電話を見ながら、驚いた表情をしている。異界にはこういうものはないみたいだ。
「さすがに驚かれるようですな。我も最初は驚きましたぞ」
そこに、バトラーが颯爽と現れる。手には紅茶とお菓子があるので、どうやらお茶会をするつもりのようだ。
ちょうど話すこともできたことだし、ナイスタイミングだと思う。そんなわけで、僕たちはテーブルを囲んでちょっとお話をすることにした。
「実際に見るのは初めてだっけか。衣織お姉さんも、何回か使っていたと思うんだけど」
「えと……、見た覚えはありません。宝石を外されている間は、私は眠った扱いになっていますから。当然ながら、私の意識はありませんので、その間のことは何も分からないのです」
「あ、そっか。なるほどね」
初めて見たというの納得のいく説明だった。
ラティナさんたちゴーレムは、核と呼ばれるものを持っている。その核がある限り、体は何度崩れようとも再生できるらしい。
その核というのは個体によってさまざまで、ラティナさんの場合、乳白色に輝く宝石なんだそうだ。
そんな話をしていると、僕はとあることが頭に浮かんでくる。
「……あれ、ちょっと待って? この間のダンジョン配信の時、セイレーンさんと話をした時にこの携帯電話を使ってなかったっけか?」
「あ……、そうでした。でも、あの時はセイレーン様を相手にして緊張していましたので、よく覚えてなかったみたいです」
ふと思い出した僕が確認をしてみると、ラティナさんはセイレーンさんと話をしたことは覚えているものの、何を持っていたのかは覚えていなかったようだ。
セイレーンさんはラティナさんよりも上位の貴族だもんね。なら、こうなるのも仕方がないか。僕は改めて納得することにした。
「それにしても、この世界の技術ってすごいですね。このように遠方との間で連絡が取りあえるだなんて」
「元の世界にはそういうのはないの?」
「はい、ございません。人や魔物たちを介してやり取りされる手紙だけです」
「そうなんだ。魔法もあるからもっとすごいことをしてるのかと思ったよ」
「ご期待に添えず、申し訳ございません」
僕ががっかりしていると、ラティナさんがすまなさそうに頭を下げてきた。
「わわっ、僕は別にそんなつもりで言ったんじゃないから。意外だったなってだけだから、謝らなくてもいいからね?」
「お気遣い、ありがとうございます」
ラティナさんはまた頭を下げてきた。
うーん、お嬢様ってこんな感じなのかぁ。改めて話をしてみると、なんともやりづらい感じがした。
「ラティナ様は本当に変わられませんな。伯爵がダンジョンマスターとして召喚されて十年。その間、苦労されてきましたでしょうに」
「私はまだ小さかったですからね。お母様やお兄様たちが私には苦労はさせまいとして下さってましたから、その影響もあるかもしれません」
「なんともお優しい家族ですな。ロックウェル伯爵家は、裏表のない家族でほっこり致します」
「ありがとうございます」
バトラーが感心していると、ラティナさんはうっすらと涙を浮かべていたようだ。家族のことでも思い出したのだろうかな。
「ところで、このダンジョンって、将来的に消えるってことはあるのかな?」
「さあ、どうなのでしょうか」
「我らでも把握していることは少ないですからな。我が知る限りは、ダンジョンコアが破壊される以外に消えたという話を聞いたことがございません」
「そっかぁ……」
僕は椅子にもたれて天井を見てしまう。
結局、ダンジョンについては分からないことばかりのようだ。
とりあえず僕は、このダンジョンのシステムを使って、ダンジョンマスターとして過ごすしかないみたいだよ。
そこで僕は、携帯電話を手に取ることにした。
だけど、僕は谷地さんたちの連絡先を知らない。なので、ダンジョン管理局ともつながりがある衣織お姉さんに電話をすることにした。
『なんだ、瞬か。どうしたんだ?』
電話をかけたら、コール一回で衣織お姉さんが出たよ。早くない?!
「あ、衣織お姉さん。ちょっと今は大丈夫かな?」
『問題ない。今はギルドの中だが、瞬が気にすることではないからな』
「本当に大丈夫?!」
『くどい。私がないといったら問題ないんだ』
衣織お姉さんからはっきりと言われてしまった。なので、僕はその言葉を信じることにする。
『それで、私に電話をしてくるとはどういう用件かな、瞬』
衣織お姉さんは、すぐに僕から用件を聞き出そうとしてきた。なので、僕は正直に用件を話すことにした。
『なるほど、ダンジョンの改造をしたいから、管理局の人から要望を聞いてきてくれないかというわけか』
「うん、僕のダンジョンだから、僕の好きなようにしてもいいんだろうけどさ。見習いの探索者のために場を提供しているから、管理局の方針というのを確認しておきたいんだよ」
『まったく。妙なところで律儀だな、瞬は』
僕が正直に話すと、衣織お姉さんはおかしそうに笑っていた。そんなに笑うところかなぁ。
「衣織お姉さん、僕は本気で悩んでるんだけど?」
『ああ、悪い』
怒れば、衣織お姉さんは素直に謝ってくれた。
『瞬の好きなようにしてもらえばいいと思うよ、私は。ただ、頼まれたからには管理局の方針は聞きに行くとするよ』
「うん、お願いするね、衣織お姉さん」
『任せておけ』
話を終えた僕は、携帯電話の通話を切る。
ふうっとため息をついていると、ラティナさんが近付いてきた。
「ウィンク様、今、何をなされていたのですか?」
「えっと、この携帯電話っていうので、衣織お姉さんと話をしていたんだ」
「まあ、この妙な板でですか?」
ラティナさんが携帯電話を見ながら、驚いた表情をしている。異界にはこういうものはないみたいだ。
「さすがに驚かれるようですな。我も最初は驚きましたぞ」
そこに、バトラーが颯爽と現れる。手には紅茶とお菓子があるので、どうやらお茶会をするつもりのようだ。
ちょうど話すこともできたことだし、ナイスタイミングだと思う。そんなわけで、僕たちはテーブルを囲んでちょっとお話をすることにした。
「実際に見るのは初めてだっけか。衣織お姉さんも、何回か使っていたと思うんだけど」
「えと……、見た覚えはありません。宝石を外されている間は、私は眠った扱いになっていますから。当然ながら、私の意識はありませんので、その間のことは何も分からないのです」
「あ、そっか。なるほどね」
初めて見たというの納得のいく説明だった。
ラティナさんたちゴーレムは、核と呼ばれるものを持っている。その核がある限り、体は何度崩れようとも再生できるらしい。
その核というのは個体によってさまざまで、ラティナさんの場合、乳白色に輝く宝石なんだそうだ。
そんな話をしていると、僕はとあることが頭に浮かんでくる。
「……あれ、ちょっと待って? この間のダンジョン配信の時、セイレーンさんと話をした時にこの携帯電話を使ってなかったっけか?」
「あ……、そうでした。でも、あの時はセイレーン様を相手にして緊張していましたので、よく覚えてなかったみたいです」
ふと思い出した僕が確認をしてみると、ラティナさんはセイレーンさんと話をしたことは覚えているものの、何を持っていたのかは覚えていなかったようだ。
セイレーンさんはラティナさんよりも上位の貴族だもんね。なら、こうなるのも仕方がないか。僕は改めて納得することにした。
「それにしても、この世界の技術ってすごいですね。このように遠方との間で連絡が取りあえるだなんて」
「元の世界にはそういうのはないの?」
「はい、ございません。人や魔物たちを介してやり取りされる手紙だけです」
「そうなんだ。魔法もあるからもっとすごいことをしてるのかと思ったよ」
「ご期待に添えず、申し訳ございません」
僕ががっかりしていると、ラティナさんがすまなさそうに頭を下げてきた。
「わわっ、僕は別にそんなつもりで言ったんじゃないから。意外だったなってだけだから、謝らなくてもいいからね?」
「お気遣い、ありがとうございます」
ラティナさんはまた頭を下げてきた。
うーん、お嬢様ってこんな感じなのかぁ。改めて話をしてみると、なんともやりづらい感じがした。
「ラティナ様は本当に変わられませんな。伯爵がダンジョンマスターとして召喚されて十年。その間、苦労されてきましたでしょうに」
「私はまだ小さかったですからね。お母様やお兄様たちが私には苦労はさせまいとして下さってましたから、その影響もあるかもしれません」
「なんともお優しい家族ですな。ロックウェル伯爵家は、裏表のない家族でほっこり致します」
「ありがとうございます」
バトラーが感心していると、ラティナさんはうっすらと涙を浮かべていたようだ。家族のことでも思い出したのだろうかな。
「ところで、このダンジョンって、将来的に消えるってことはあるのかな?」
「さあ、どうなのでしょうか」
「我らでも把握していることは少ないですからな。我が知る限りは、ダンジョンコアが破壊される以外に消えたという話を聞いたことがございません」
「そっかぁ……」
僕は椅子にもたれて天井を見てしまう。
結局、ダンジョンについては分からないことばかりのようだ。
とりあえず僕は、このダンジョンのシステムを使って、ダンジョンマスターとして過ごすしかないみたいだよ。
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