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SCENE097 普段の衣織
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瞬のダンジョンから戻った私は、百鬼夜行の拠点へと移動していた。今回の瞬のダンジョン階層について、一応剛力さんにも話しておきたいからな。
「ふふっ、剛力さんが聞いたら、きっと驚くだろうな。私のように免許持ちなら、廃鉱山ダンジョンよりも簡単にたどり着ける場所だからな」
私は顔をにやつかせながら、横浜市内にあるギルドの拠点へと急いだ。
公共交通機関の乗り継ぎだと途中から足がなくなるので三時間もかかってしまうんだが、自家用車で移動すれば半分よりも早くたどり着けてしまう。こんな距離にあるからこそ、私は瞬のところに素早く駆けつけられるというわけだ。
瞬は私にとっては弟のようなものだからな。これは私にとって義務というわけだ。
休憩も取らずにぶっ通しで運転してきたので、下道だけで移動しても一時間半で到着できた。くそっ、信号が邪魔だな。
ギルドの事務所の駐車場に車を止めた私は、早速、ギルドの建物へと入っていく。
「剛力さん、ただいま戻りました」
私は事務所に入って、すぐに剛力さんのところにやって来た。ギルドマスターへの挨拶は、隊員であれば義務だからな。
「おう、衣織か。相変わらずあちこち移動して忙しそうだな」
笑顔で私を出迎えてくれる。今日も機嫌がいいのかとてもにこにこしている。
「そういう剛力さんは、あの廃鉱山ダンジョンのことはいいんですか?」
「ああ、あっちのダンジョンは今は色が対応している。あそこはあいつのスキルとは相性がいいからな」
「ああ、感知スキルでしたっけか。大丈夫ですかね。調査とかいいつつ、こっそり荒稼ぎしてないですか?」
「可能性は否定できないな」
私が疑問を投げかければ、剛力さんは楽しそうに笑っていた。それでいいのかとは思うが、基本的にギルドは自由だからしょうがないか。
でもまぁ、色ならそこまで外れたことはしないだろうから、そこまで心配はないだろう。あいつとは私も付き合いは長いからな、信じてやろうじゃないか。
「うん? どうしたんだ衣織」
「どうかしましたかね、剛力さん」
「いや、敏捷にデバフが入っているからどうしたのかと思ってな」
さすが剛力さんだな。隠し事というのはできないものだ。
「ああ、瞬のところに新しい部屋ができてですね。そこに入った時にデバフを受けたんですよ」
「なるほどな。さっき配信していた内容はそういうことか」
「配信?」
剛力さんの言葉で、私は自分の携帯電話を慌てて取り出す。
なんてことだ。瞬のやつ、私が運転中に新しい配信をしていたじゃないか。くそっ、ドライブモードにしていたから気が付かなかったぞ。何たる不覚!
瞬の配信を見逃したショックはかなりでかい。私は思わずその場に膝をついてしまう。
「おいおい……。相変わらず、衣織はウィンクにご執心だな……」
「当たり前です! 昔遊んでいた近所の子ですからね。可愛がっていた弟のような瞬が頑張っているんですから、私には見守る義務というのがあるのですよ!」
「あ、ああ、分かった分かった。とにかく落ち着け」
私が熱弁をしていると、剛力さんが私をなだめようと必死になっている。ええい、これが落ち着いていられるかというものよ。
「また衣織さんの暴走ですか?」
「ああ、ちまりか。早くこいつを落ち着かせてくれ」
「しょうがないですね……」
誰が来たかと思ったらちまりじゃないか。
へそ出しミニスカでいかにもギャル風の姿をしているのは、私の高校時代の同級生のちまりだ。ギャル風だが、スキルは魔法に偏っている魔法使いだ。
「はいはい、衣織さん。一緒にアーカイブを見ましょうね」
「あ、ああ、そうだな」
瞬の配信のアーカイブを見ると聞いて、私はついおとなしくしてしまう。
ギャル風の服装はただのキャラづくり。普段は丁寧に振る舞う落ち着いた優等生、それがこのちまりというわけだ。
長年の付き合いのせいか、私の扱いにはすっかり慣れている。それにすぐに従ってしまう私も私だな。
「おや、デバフ付きですか、衣織さん」
「ああ、瞬が新しく追加した部屋に入ると、半減のデバフが一種類付くんだ。六時間で切れるとはいえ、半減は結構きついぞ。力にデバフが入れば、採掘もままならないだろうな」
「ふむふむ、興味ありありですね。私も一度お邪魔してもいいですかね」
「構わないが、瞬を誘惑するなよ?」
「ラミアプリンセスに誘惑って効くんですかね?」
私は脅しのつもりで言ったのだが、ちまりはあんまり気にしていないようだ。
ちなみに、私が散々ウィンクのことを本名で呼んでいるので、瞬=ウィンクというのはギルドの中でもすっかり広がっていた。だから、剛力さんもちまりもすんなり話が通じるというわけだ。
部屋を移動して、大きなモニターを前にして、私たちは先程の瞬の配信のアーカイブを見る。うん、相変わらず可愛いな。
「衣織さんって、このウィンクってラミアプリンセスのこと、実は好きだったりします?」
「何をいうか。弟みたいなやつだという以上の感情はない。だが、不思議と気になって守ってやらねばという感情にさせられるのだ。昔っからな」
「ふぅ~ん」
なんだ、ちまりのやつの反応は……。
気にはなるが、私は瞬の配信のアーカイブを食い入るように見つめている。
うむ、やはりいつ見ても瞬は可愛いものだ。
瞬の配信を見て元気になった私は、デバフが切れるまでの間、剛力さんたちと今後のギルドの方針について話をして過ごした。
「ふふっ、剛力さんが聞いたら、きっと驚くだろうな。私のように免許持ちなら、廃鉱山ダンジョンよりも簡単にたどり着ける場所だからな」
私は顔をにやつかせながら、横浜市内にあるギルドの拠点へと急いだ。
公共交通機関の乗り継ぎだと途中から足がなくなるので三時間もかかってしまうんだが、自家用車で移動すれば半分よりも早くたどり着けてしまう。こんな距離にあるからこそ、私は瞬のところに素早く駆けつけられるというわけだ。
瞬は私にとっては弟のようなものだからな。これは私にとって義務というわけだ。
休憩も取らずにぶっ通しで運転してきたので、下道だけで移動しても一時間半で到着できた。くそっ、信号が邪魔だな。
ギルドの事務所の駐車場に車を止めた私は、早速、ギルドの建物へと入っていく。
「剛力さん、ただいま戻りました」
私は事務所に入って、すぐに剛力さんのところにやって来た。ギルドマスターへの挨拶は、隊員であれば義務だからな。
「おう、衣織か。相変わらずあちこち移動して忙しそうだな」
笑顔で私を出迎えてくれる。今日も機嫌がいいのかとてもにこにこしている。
「そういう剛力さんは、あの廃鉱山ダンジョンのことはいいんですか?」
「ああ、あっちのダンジョンは今は色が対応している。あそこはあいつのスキルとは相性がいいからな」
「ああ、感知スキルでしたっけか。大丈夫ですかね。調査とかいいつつ、こっそり荒稼ぎしてないですか?」
「可能性は否定できないな」
私が疑問を投げかければ、剛力さんは楽しそうに笑っていた。それでいいのかとは思うが、基本的にギルドは自由だからしょうがないか。
でもまぁ、色ならそこまで外れたことはしないだろうから、そこまで心配はないだろう。あいつとは私も付き合いは長いからな、信じてやろうじゃないか。
「うん? どうしたんだ衣織」
「どうかしましたかね、剛力さん」
「いや、敏捷にデバフが入っているからどうしたのかと思ってな」
さすが剛力さんだな。隠し事というのはできないものだ。
「ああ、瞬のところに新しい部屋ができてですね。そこに入った時にデバフを受けたんですよ」
「なるほどな。さっき配信していた内容はそういうことか」
「配信?」
剛力さんの言葉で、私は自分の携帯電話を慌てて取り出す。
なんてことだ。瞬のやつ、私が運転中に新しい配信をしていたじゃないか。くそっ、ドライブモードにしていたから気が付かなかったぞ。何たる不覚!
瞬の配信を見逃したショックはかなりでかい。私は思わずその場に膝をついてしまう。
「おいおい……。相変わらず、衣織はウィンクにご執心だな……」
「当たり前です! 昔遊んでいた近所の子ですからね。可愛がっていた弟のような瞬が頑張っているんですから、私には見守る義務というのがあるのですよ!」
「あ、ああ、分かった分かった。とにかく落ち着け」
私が熱弁をしていると、剛力さんが私をなだめようと必死になっている。ええい、これが落ち着いていられるかというものよ。
「また衣織さんの暴走ですか?」
「ああ、ちまりか。早くこいつを落ち着かせてくれ」
「しょうがないですね……」
誰が来たかと思ったらちまりじゃないか。
へそ出しミニスカでいかにもギャル風の姿をしているのは、私の高校時代の同級生のちまりだ。ギャル風だが、スキルは魔法に偏っている魔法使いだ。
「はいはい、衣織さん。一緒にアーカイブを見ましょうね」
「あ、ああ、そうだな」
瞬の配信のアーカイブを見ると聞いて、私はついおとなしくしてしまう。
ギャル風の服装はただのキャラづくり。普段は丁寧に振る舞う落ち着いた優等生、それがこのちまりというわけだ。
長年の付き合いのせいか、私の扱いにはすっかり慣れている。それにすぐに従ってしまう私も私だな。
「おや、デバフ付きですか、衣織さん」
「ああ、瞬が新しく追加した部屋に入ると、半減のデバフが一種類付くんだ。六時間で切れるとはいえ、半減は結構きついぞ。力にデバフが入れば、採掘もままならないだろうな」
「ふむふむ、興味ありありですね。私も一度お邪魔してもいいですかね」
「構わないが、瞬を誘惑するなよ?」
「ラミアプリンセスに誘惑って効くんですかね?」
私は脅しのつもりで言ったのだが、ちまりはあんまり気にしていないようだ。
ちなみに、私が散々ウィンクのことを本名で呼んでいるので、瞬=ウィンクというのはギルドの中でもすっかり広がっていた。だから、剛力さんもちまりもすんなり話が通じるというわけだ。
部屋を移動して、大きなモニターを前にして、私たちは先程の瞬の配信のアーカイブを見る。うん、相変わらず可愛いな。
「衣織さんって、このウィンクってラミアプリンセスのこと、実は好きだったりします?」
「何をいうか。弟みたいなやつだという以上の感情はない。だが、不思議と気になって守ってやらねばという感情にさせられるのだ。昔っからな」
「ふぅ~ん」
なんだ、ちまりのやつの反応は……。
気にはなるが、私は瞬の配信のアーカイブを食い入るように見つめている。
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