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第38話 油断ならない季節
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月日が経つのは早いもので、あっという間に師走を迎える。
この時期ともなると、外の寒さは異常で、マーメイドである私にはさらにダメージがきてしまう。
「ううっ、風が完全に冷たくなってきたわ」
小学校に通うために家の外に出たら、吹いた風に思わず身震いをしてしまう。
「まったく、寒がりね」
「あれっ、真鈴ちゃん?」
外に出た私を待っていたのは、海斗の妹の真鈴ちゃんだった。
「あれ、お兄ちゃんは?」
「お兄ちゃんなら朝練よ。この間負けたのが悔しいみたいで、ついに朝にも自主練をするようになっちゃったのよ」
「はぁ……。お兄ちゃんってば頑張るなぁ」
真鈴ちゃんが教えてくれた内容を聞いて、私は思わず感心してしまう。でも、あれから半月以上経つのに、今頃からなのかとちょっと疑問に感じてしまう。
もう一度真鈴ちゃんに問いかけると、いやそうな顔をしてため息をつきながらも教えてくれる。
「寒いから体を動かしたいんですって。おかげで、私があなたを集団登校の集合場所まで送らなくちゃいけなくなったわ。なんでこんなことしなきゃいけないのよ……、ぶつぶつ」
真鈴ちゃんは文句を言っているものの、こうやって来てくれるんだから優しい子だと思う。嫌だったらそもそも無視するだろうしね。
まあ、海斗のことが好きみたいだから、逆らえないんだろうなぁ。ちょっと笑えてきちゃうわ。
「……なによ」
「ほへ?」
「なに、私を見て笑ってるのよ。失礼ね」
「あはは、ごめん」
不機嫌そうに頬を膨らませている真鈴ちゃんが可愛くて、私はさらに笑ってしまう。
「ああ、もう! やっぱり断わればよかったわ!」
その状態のまま、腕を組んで顔を背けてしまう。でも、やっぱり可愛いわね。
ちょっと険悪な雰囲気だったけれど、真鈴ちゃんは結局、私を集合場所まで送り届けてくれた。
こういうのをツンデレっていうのかしらね。うふふふ。
私を送り届けて中学校へと向かっている真鈴ちゃんの後ろ姿を、私は微笑ましく思いながら見送った。
それにしても、厚手のタイツを穿いているというのに、私はかなり寒さを感じていた。
マーメイドって、思った以上に寒さに対して弱いようだ。
寒さはこれから本格的に強まっていくというのに、はたして大丈夫なのだろうかと心配になってくる。
人間の時はそんなに感じた覚えはないんだけど、種族の違いっていうのはやっぱり大きいみたいだわ。
「はあ~、生き返るぅ~……」
小学校に到着して教室に入った私は、ついそんな言葉を漏らしてしまう。
「もう、何を言っているのよ、波白さん」
「なんだか年寄りくさく聞こえますよ、波白さん」
なんだかんだですっかり友人となった平川さんと海堂くんからツッコミを受けてしまう。そんなに年寄りくさいかなぁ、このセリフ。
「だってぇ……。外は寒くて凍えそうなのに、教室に入ったら暖かいじゃないの。だから、なんだかホッとしちゃってね」
「気持ちは分からなくはないけど、ねえ……?」
「うん、生き返るはないと思うよ」
「えー……」
二人からダメ出しをされて、私は不満そうに机に突っ伏してしまう。
だって、外は寒すぎて、マーメイドの私にはつらすぎたんだもの。はあ、このくらいの暖かさが続かないかなぁ。
私は突っ伏したまま、両足をバタバタとさせていた。
「う~ん、波白さんって結構寒がりだったっていうことなのかしらね」
「そういうことなんでしょうね。僕も寒いのは苦手なので、気持ちは分からなくはないですけど」
首を傾げながらも、二人とも最終的には私のことを理解してくれたみたいだわ。
はあ、寒いのって本当に苦手だわ……。
ところが、私にはもうひとつ別の罠が待ち構えていた。
「ふわぁ……、眠い……」
二時間目まではなんとか耐えたんだけど、暖かさのあまり、私は強い眠気に襲われていた。
だけど、根は真面目な学生として、こんなところで寝るわけにはいかなかった。
はあ、どうやって乗り切ろうかしら。
私は机に突っ伏してしまう。
次の瞬間、私はすやぁっと意識を失ってしまったようだった。
「はっ!」
私が大声とともに目を覚ますと、一斉に周りから視線を向けられてしまう。
「どうかしましたか、波白さん」
「ほえ?」
寝ぼけていた私は声をかけられて、ぼーっとした顔で周りを見回している。
「よく眠れていたようですね。三時間目が始まってから二十分ほど経過しています。あとで友だちにでもその間のことを教えてもらって下さいね」
「ふへっ。は、はい……」
先生から優しく言われて、私は顔を真っ赤にしながら自分の席に座り直す。
うん、まあ……。おおよそ三十分間、私は寝てしまっていたみたいだ。
しばらくみんなから笑われたけれど、先生からはあんまり咎められることはなく、授業はそのまま続いていた。
ああ、やっちゃったわ。
今日だけならいいけれど、今後も続くようだったら、私どうしたらいいんだろう。
どうやら、マーメイドの私にとって、冬というのは悩みを提供してくれるとんでもない季節のようだった。
ううう、ヘルプミー……。
この時期ともなると、外の寒さは異常で、マーメイドである私にはさらにダメージがきてしまう。
「ううっ、風が完全に冷たくなってきたわ」
小学校に通うために家の外に出たら、吹いた風に思わず身震いをしてしまう。
「まったく、寒がりね」
「あれっ、真鈴ちゃん?」
外に出た私を待っていたのは、海斗の妹の真鈴ちゃんだった。
「あれ、お兄ちゃんは?」
「お兄ちゃんなら朝練よ。この間負けたのが悔しいみたいで、ついに朝にも自主練をするようになっちゃったのよ」
「はぁ……。お兄ちゃんってば頑張るなぁ」
真鈴ちゃんが教えてくれた内容を聞いて、私は思わず感心してしまう。でも、あれから半月以上経つのに、今頃からなのかとちょっと疑問に感じてしまう。
もう一度真鈴ちゃんに問いかけると、いやそうな顔をしてため息をつきながらも教えてくれる。
「寒いから体を動かしたいんですって。おかげで、私があなたを集団登校の集合場所まで送らなくちゃいけなくなったわ。なんでこんなことしなきゃいけないのよ……、ぶつぶつ」
真鈴ちゃんは文句を言っているものの、こうやって来てくれるんだから優しい子だと思う。嫌だったらそもそも無視するだろうしね。
まあ、海斗のことが好きみたいだから、逆らえないんだろうなぁ。ちょっと笑えてきちゃうわ。
「……なによ」
「ほへ?」
「なに、私を見て笑ってるのよ。失礼ね」
「あはは、ごめん」
不機嫌そうに頬を膨らませている真鈴ちゃんが可愛くて、私はさらに笑ってしまう。
「ああ、もう! やっぱり断わればよかったわ!」
その状態のまま、腕を組んで顔を背けてしまう。でも、やっぱり可愛いわね。
ちょっと険悪な雰囲気だったけれど、真鈴ちゃんは結局、私を集合場所まで送り届けてくれた。
こういうのをツンデレっていうのかしらね。うふふふ。
私を送り届けて中学校へと向かっている真鈴ちゃんの後ろ姿を、私は微笑ましく思いながら見送った。
それにしても、厚手のタイツを穿いているというのに、私はかなり寒さを感じていた。
マーメイドって、思った以上に寒さに対して弱いようだ。
寒さはこれから本格的に強まっていくというのに、はたして大丈夫なのだろうかと心配になってくる。
人間の時はそんなに感じた覚えはないんだけど、種族の違いっていうのはやっぱり大きいみたいだわ。
「はあ~、生き返るぅ~……」
小学校に到着して教室に入った私は、ついそんな言葉を漏らしてしまう。
「もう、何を言っているのよ、波白さん」
「なんだか年寄りくさく聞こえますよ、波白さん」
なんだかんだですっかり友人となった平川さんと海堂くんからツッコミを受けてしまう。そんなに年寄りくさいかなぁ、このセリフ。
「だってぇ……。外は寒くて凍えそうなのに、教室に入ったら暖かいじゃないの。だから、なんだかホッとしちゃってね」
「気持ちは分からなくはないけど、ねえ……?」
「うん、生き返るはないと思うよ」
「えー……」
二人からダメ出しをされて、私は不満そうに机に突っ伏してしまう。
だって、外は寒すぎて、マーメイドの私にはつらすぎたんだもの。はあ、このくらいの暖かさが続かないかなぁ。
私は突っ伏したまま、両足をバタバタとさせていた。
「う~ん、波白さんって結構寒がりだったっていうことなのかしらね」
「そういうことなんでしょうね。僕も寒いのは苦手なので、気持ちは分からなくはないですけど」
首を傾げながらも、二人とも最終的には私のことを理解してくれたみたいだわ。
はあ、寒いのって本当に苦手だわ……。
ところが、私にはもうひとつ別の罠が待ち構えていた。
「ふわぁ……、眠い……」
二時間目まではなんとか耐えたんだけど、暖かさのあまり、私は強い眠気に襲われていた。
だけど、根は真面目な学生として、こんなところで寝るわけにはいかなかった。
はあ、どうやって乗り切ろうかしら。
私は机に突っ伏してしまう。
次の瞬間、私はすやぁっと意識を失ってしまったようだった。
「はっ!」
私が大声とともに目を覚ますと、一斉に周りから視線を向けられてしまう。
「どうかしましたか、波白さん」
「ほえ?」
寝ぼけていた私は声をかけられて、ぼーっとした顔で周りを見回している。
「よく眠れていたようですね。三時間目が始まってから二十分ほど経過しています。あとで友だちにでもその間のことを教えてもらって下さいね」
「ふへっ。は、はい……」
先生から優しく言われて、私は顔を真っ赤にしながら自分の席に座り直す。
うん、まあ……。おおよそ三十分間、私は寝てしまっていたみたいだ。
しばらくみんなから笑われたけれど、先生からはあんまり咎められることはなく、授業はそのまま続いていた。
ああ、やっちゃったわ。
今日だけならいいけれど、今後も続くようだったら、私どうしたらいいんだろう。
どうやら、マーメイドの私にとって、冬というのは悩みを提供してくれるとんでもない季節のようだった。
ううう、ヘルプミー……。
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