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第69話 予想外に……
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狭い穴の中を通り抜けるため、血液を採取するための作戦にはロボットたちはついて来れなかった。
メンバーはアーツとブラン、それとブランの眷属である虫三匹である。
アーツたちはなんとしても恐竜を排除するために、恐竜たちの行動パターンを把握しておきたいのだ。
解析がうまくいけば、恐竜たちを排除できる確率が高くなると、そう信じたいのである。
「奴らがこの地上の支配者であると思わせないためにも、なんとしても奴らの情報を手に入れないとな」
「そうね。あたしたちは絶対に元の場所に帰れるまで諦めないわ」
二人ともやる気十分である。
ノワールを先頭にして穴の中を進んでいくアーツたちだった、突然ノワールが立ち止まってしまう。
「どうしたの、ノワール」
『主、申し訳ない。出口を奴らに固められております』
「なんですって?!」
ブランが驚いている。
「どうしたんだよ、ブラン。何があった」
「アーツ、どうしよう。以前掘ったこの穴の出口、恐竜たちに待ち伏せされているみたい」
「んなバカな。あいつらも学習能力があるっていうのか?」
『おそらくは。この地上でのさばっているのです。餌を確実に確保するために、そのような知恵をつけたのでしょう』
なんとも恐ろしい話である。
確かに恐竜たちの頭はかなりでかい。頭部に占める脳みその割合が小さくても、そのでかさで十分カバーできてしまう。
それゆえ、アーツたち並みに知能を備えていても、何ら不思議ではないのだ。
現に、ブランの眷属になった虫たちは知能が格段にアップしている。この環境下では、もはや何が起きてもおかしくないのだ。
だが、まさか以前の穴の上に先回りされているとは予想外だった。
『推測するに、穴から出てきた獲物を捕らえたことがあるのでしょう。それで、穴から獲物が出てくるものだと学習したのだと思われます。いかが致しましょうか』
ノワールが話す懸念を聞いて、アーツとブランは考える。
「よし、他の場所に向けて穴を掘り進めてくれ。俺たちの目的に合致した方向に向けてな」
『承知致しました。では、水場に近いところに向けて掘り進めます』
アーツからの指示はブランの通訳なしでも通じる。
だが、その逆はブランを通さないと通じない。ブランの能力のせいだとはしても、ずいぶんと面倒なことである。
方針が決まってからというもの、ノワールは一心不乱に地面を掘り進めていく。
アーツヤブランが話し掛けても無視するくらいに集中している。
そうかと思えば、突然またノワールの動きが止まる。
『主、目的の場所に到着しました。ここは水場の近くですので、出る際には周辺にご注意下さい』
「ありがとう。恐竜の方はいないかしら」
『心配無用です。地面の状態からすれば、このあたりは木の根がたくさん生えております。つまり、木々の密集地帯、森林でございましょう。あやつらの図体ではまともに歩けますまい』
「そっか。そこまで計算して掘ってくれていたのね」
ノワールの説明に、思わず感心してしまうブランである。
『ありがとうございます。お褒めの言葉を頂けることは、主の眷属となった我々にとっては至高の幸福でございます』
虫だというのになんというか忠誠を誓う騎士たちのような言い分である。
ノワールの頑丈なあごが、地面への出口をこじ開ける。
長い長いトンネルを抜けて、ようやくアーツたちは地上へと戻ってきた。
顔を覗かせると、そこは確かに森の中にある水場の近くだった。
これは、ノワールたちの話していた蚊の生息環境に合致していそうな風景だ。
「さて、お目当ての虫はいるか……な?!」
地上立ち上がったアーツは、急に自分の上を横切った影にびっくりする。
『おお、目当ての虫がいましたな。運がよろしゅうございますな、主』
「ええ? あれが蚊なの?」
『はい、イエカと呼ばれる種類でございます』
びっくりしていたアーツたちだったが、ノワールたちも人間並みのデカさになっているので、今さらといったところだった。
それにしてもかなりの大きさがある。あの大きさで空を飛ぶ相手に、はたしてアーツたちは対抗できるか。呆然とした様子で空を眺めている。
『何をぼーっとしているのですか。空を飛ぶというのであれば、我を倒したではありませんか。あやつなど、我に比べれば雑魚も雑魚でございます』
発破をかけてくるのは、スズメバチであるオランジュである。
そうだった。アーツたちは自分たちに攻撃を仕掛けてきたオランジュをどうにか撃破しているのである。
鋭い部分を持つこと、高速で空を飛び回ること。この二点が共通しているオランジュと今回のターゲットである蚊である。何を恐れる必要があるというのだろうか。
違いがあるとすれば、鋭い部分がお尻かあごかという違いくらいだった。
「やってやるぜ、この野郎!」
アーツは破れかぶれ気味に、取り出した閃光剣を構える。
ブゥンという音ともに、光の剣身が姿を現す。
「さあ、来いよ。何匹いるか知らねえが、全員俺たちの配下におさめてやるぜ!」
アーツは剣を構えて蚊に対し挑発を行っている。
挑発行為を感じ取ったのか、蚊の羽ばたきが速くなる。
新たな配下を増やすべくやって来たアーツたち。目の前の蚊たちとの戦いがいよいよ始まったのだった。
メンバーはアーツとブラン、それとブランの眷属である虫三匹である。
アーツたちはなんとしても恐竜を排除するために、恐竜たちの行動パターンを把握しておきたいのだ。
解析がうまくいけば、恐竜たちを排除できる確率が高くなると、そう信じたいのである。
「奴らがこの地上の支配者であると思わせないためにも、なんとしても奴らの情報を手に入れないとな」
「そうね。あたしたちは絶対に元の場所に帰れるまで諦めないわ」
二人ともやる気十分である。
ノワールを先頭にして穴の中を進んでいくアーツたちだった、突然ノワールが立ち止まってしまう。
「どうしたの、ノワール」
『主、申し訳ない。出口を奴らに固められております』
「なんですって?!」
ブランが驚いている。
「どうしたんだよ、ブラン。何があった」
「アーツ、どうしよう。以前掘ったこの穴の出口、恐竜たちに待ち伏せされているみたい」
「んなバカな。あいつらも学習能力があるっていうのか?」
『おそらくは。この地上でのさばっているのです。餌を確実に確保するために、そのような知恵をつけたのでしょう』
なんとも恐ろしい話である。
確かに恐竜たちの頭はかなりでかい。頭部に占める脳みその割合が小さくても、そのでかさで十分カバーできてしまう。
それゆえ、アーツたち並みに知能を備えていても、何ら不思議ではないのだ。
現に、ブランの眷属になった虫たちは知能が格段にアップしている。この環境下では、もはや何が起きてもおかしくないのだ。
だが、まさか以前の穴の上に先回りされているとは予想外だった。
『推測するに、穴から出てきた獲物を捕らえたことがあるのでしょう。それで、穴から獲物が出てくるものだと学習したのだと思われます。いかが致しましょうか』
ノワールが話す懸念を聞いて、アーツとブランは考える。
「よし、他の場所に向けて穴を掘り進めてくれ。俺たちの目的に合致した方向に向けてな」
『承知致しました。では、水場に近いところに向けて掘り進めます』
アーツからの指示はブランの通訳なしでも通じる。
だが、その逆はブランを通さないと通じない。ブランの能力のせいだとはしても、ずいぶんと面倒なことである。
方針が決まってからというもの、ノワールは一心不乱に地面を掘り進めていく。
アーツヤブランが話し掛けても無視するくらいに集中している。
そうかと思えば、突然またノワールの動きが止まる。
『主、目的の場所に到着しました。ここは水場の近くですので、出る際には周辺にご注意下さい』
「ありがとう。恐竜の方はいないかしら」
『心配無用です。地面の状態からすれば、このあたりは木の根がたくさん生えております。つまり、木々の密集地帯、森林でございましょう。あやつらの図体ではまともに歩けますまい』
「そっか。そこまで計算して掘ってくれていたのね」
ノワールの説明に、思わず感心してしまうブランである。
『ありがとうございます。お褒めの言葉を頂けることは、主の眷属となった我々にとっては至高の幸福でございます』
虫だというのになんというか忠誠を誓う騎士たちのような言い分である。
ノワールの頑丈なあごが、地面への出口をこじ開ける。
長い長いトンネルを抜けて、ようやくアーツたちは地上へと戻ってきた。
顔を覗かせると、そこは確かに森の中にある水場の近くだった。
これは、ノワールたちの話していた蚊の生息環境に合致していそうな風景だ。
「さて、お目当ての虫はいるか……な?!」
地上立ち上がったアーツは、急に自分の上を横切った影にびっくりする。
『おお、目当ての虫がいましたな。運がよろしゅうございますな、主』
「ええ? あれが蚊なの?」
『はい、イエカと呼ばれる種類でございます』
びっくりしていたアーツたちだったが、ノワールたちも人間並みのデカさになっているので、今さらといったところだった。
それにしてもかなりの大きさがある。あの大きさで空を飛ぶ相手に、はたしてアーツたちは対抗できるか。呆然とした様子で空を眺めている。
『何をぼーっとしているのですか。空を飛ぶというのであれば、我を倒したではありませんか。あやつなど、我に比べれば雑魚も雑魚でございます』
発破をかけてくるのは、スズメバチであるオランジュである。
そうだった。アーツたちは自分たちに攻撃を仕掛けてきたオランジュをどうにか撃破しているのである。
鋭い部分を持つこと、高速で空を飛び回ること。この二点が共通しているオランジュと今回のターゲットである蚊である。何を恐れる必要があるというのだろうか。
違いがあるとすれば、鋭い部分がお尻かあごかという違いくらいだった。
「やってやるぜ、この野郎!」
アーツは破れかぶれ気味に、取り出した閃光剣を構える。
ブゥンという音ともに、光の剣身が姿を現す。
「さあ、来いよ。何匹いるか知らねえが、全員俺たちの配下におさめてやるぜ!」
アーツは剣を構えて蚊に対し挑発を行っている。
挑発行為を感じ取ったのか、蚊の羽ばたきが速くなる。
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