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やっぱり君は、嘘をつく
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「はぁーー」
「どうしたの愛梨、そんな大きいため息ついて」
「いや、あれ見てよ…」
智也の席には、女、女、女…女しかいないじゃん。智也、笑ってる…私でもあんな顔見たことないよ?
「よーし愛梨!行ってきな!」
「えっ、でも!」
「愛梨…、明日記念日でしょ?なら今日デート行く約束しなきゃ。…無理にとは言わないけど」
「夏波、わかった。私、行ってくるわ」
「うん!…頑張りなよ、愛梨」
「ありがと!」
私は1歩ずつ智也の席に、智也に近づいていく。
「…智也」
智也はこっちを見向きもしない。もう前とは変わったんだね。…それは私達の関係も?
私はもう一度名前を呼ぶ。
「智也!」
「…何?」
「明日、デート行かない?」
「は?…なんで俺がお前となんか行かないといけないの、俺お前の彼氏じゃねーし」
え、今智也なんて言った…?
‘’俺お前の彼氏じゃねーし”
私は今にも溢れそうな涙を堪えながら、教室を飛び出した。
「私は彼女じゃなかったか…」
気づいたら屋上にいた。どうやって屋上に来たかなんて覚えていない。
…やっぱり智也は…私の彼は、嘘をつく。前の仲良かった頃から、私のことなんて好きじゃなかったのかもね。その時から嘘ついてたのかもね。
私は1人乾いた笑みをこぼした。
足元に広がる小さな雫には、気づかなかった。
気づかなかった、ふりをしていた。
「どうしたの愛梨、そんな大きいため息ついて」
「いや、あれ見てよ…」
智也の席には、女、女、女…女しかいないじゃん。智也、笑ってる…私でもあんな顔見たことないよ?
「よーし愛梨!行ってきな!」
「えっ、でも!」
「愛梨…、明日記念日でしょ?なら今日デート行く約束しなきゃ。…無理にとは言わないけど」
「夏波、わかった。私、行ってくるわ」
「うん!…頑張りなよ、愛梨」
「ありがと!」
私は1歩ずつ智也の席に、智也に近づいていく。
「…智也」
智也はこっちを見向きもしない。もう前とは変わったんだね。…それは私達の関係も?
私はもう一度名前を呼ぶ。
「智也!」
「…何?」
「明日、デート行かない?」
「は?…なんで俺がお前となんか行かないといけないの、俺お前の彼氏じゃねーし」
え、今智也なんて言った…?
‘’俺お前の彼氏じゃねーし”
私は今にも溢れそうな涙を堪えながら、教室を飛び出した。
「私は彼女じゃなかったか…」
気づいたら屋上にいた。どうやって屋上に来たかなんて覚えていない。
…やっぱり智也は…私の彼は、嘘をつく。前の仲良かった頃から、私のことなんて好きじゃなかったのかもね。その時から嘘ついてたのかもね。
私は1人乾いた笑みをこぼした。
足元に広がる小さな雫には、気づかなかった。
気づかなかった、ふりをしていた。
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