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さよなら
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私が、ここからいなくなる…?
突然言われた言葉に、頭がついて行かない。だが、予知夢を見ていた人に言われたのだから、信じないわけにはいかない。もし本当に自分がここからいなくなってしまうのだとしたら、夏凛にはどうしても聞きたいことがあった。
「私がここからいなくなったら、どうなっちゃうの?」
「…俺はここまでしか夢を見ていないんだ。でも、いなくなる方法は知っている。あの光だ。」
やっぱりいなくなってしまうのには変わりはないのか。どうなってしまうのかわからない。生きているのか、死んでいるのかということさえも…
だが、それが普通なことなのだと思う。
「前に別れて、再開してここにお前がいることには変わりはないんだ。夏凛がここからいなくなっても、また会えるんだよ!絶対俺が見つけるから!だからお前は心配することなんかないって。俺を信じて。」
「…本当に………?」
「あぁ。俺は嘘はつかない。出来ることしか言わない。」
「私は、タクを信じるね」
「あぁ。」
そう言ってタクは、ポケットから綺麗な花柄の包み紙を出した。
「夏凛が寝ている間に、こっそり街に行ってきたんだ。夏凛と街には一緒に行けなかったからな。」
「ありがとう。開けるね。」
そう言って丁寧に包み紙を開けると、中から綺麗な髪飾りが出てきた。
「夏凛に似合うと思って」
少し照れながら言うタクが、とても可愛く思えた。
「ありがとう。…どう?似合う?」
「んー、あんまりだな、俺のセンスが悪かった」
「あぁ!?何だとー!?」
「うそうそ、似合ってる」
「あはは、ありがとう」
そういった後、来てしまった。あの瞬間が…。そう、あの光だ。
「え…もう…きちゃった」
「絶対会いに行くから!待ってて」
夏凛は、タクが泣いているのを初めて見た。
もう…見たくないよ…タクが泣いているところなんて。
「待ってるから!来ないとどうなるかわかってるよね?」
「わかってる。」
「そっか…ありがとう」
光に包まれながら夏凛はこう思った。
タク、大好きだよ。私、あなたが会いに来るまで、待ってるから…
突然言われた言葉に、頭がついて行かない。だが、予知夢を見ていた人に言われたのだから、信じないわけにはいかない。もし本当に自分がここからいなくなってしまうのだとしたら、夏凛にはどうしても聞きたいことがあった。
「私がここからいなくなったら、どうなっちゃうの?」
「…俺はここまでしか夢を見ていないんだ。でも、いなくなる方法は知っている。あの光だ。」
やっぱりいなくなってしまうのには変わりはないのか。どうなってしまうのかわからない。生きているのか、死んでいるのかということさえも…
だが、それが普通なことなのだと思う。
「前に別れて、再開してここにお前がいることには変わりはないんだ。夏凛がここからいなくなっても、また会えるんだよ!絶対俺が見つけるから!だからお前は心配することなんかないって。俺を信じて。」
「…本当に………?」
「あぁ。俺は嘘はつかない。出来ることしか言わない。」
「私は、タクを信じるね」
「あぁ。」
そう言ってタクは、ポケットから綺麗な花柄の包み紙を出した。
「夏凛が寝ている間に、こっそり街に行ってきたんだ。夏凛と街には一緒に行けなかったからな。」
「ありがとう。開けるね。」
そう言って丁寧に包み紙を開けると、中から綺麗な髪飾りが出てきた。
「夏凛に似合うと思って」
少し照れながら言うタクが、とても可愛く思えた。
「ありがとう。…どう?似合う?」
「んー、あんまりだな、俺のセンスが悪かった」
「あぁ!?何だとー!?」
「うそうそ、似合ってる」
「あはは、ありがとう」
そういった後、来てしまった。あの瞬間が…。そう、あの光だ。
「え…もう…きちゃった」
「絶対会いに行くから!待ってて」
夏凛は、タクが泣いているのを初めて見た。
もう…見たくないよ…タクが泣いているところなんて。
「待ってるから!来ないとどうなるかわかってるよね?」
「わかってる。」
「そっか…ありがとう」
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タク、大好きだよ。私、あなたが会いに来るまで、待ってるから…
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