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12 マミ ヴァルテの総大主教と話す

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***
 
 
 散っていくカオスキマイラの巨体を中心に迸る虹色の光に撃たれて、
カオスパイソンの群れも、容赦無く消滅させられていき、
 
 最期のカオスパイソンが消えると同時に、マミの展開していた異次元空間も
解除されて、4人とも元の大聖堂大広間に戻り、穏やかに白い床に着地する。
 
 床に横たえられている総大主教の色香に満ちて悩ましく豊満な胸元辺りに、
重ね合わされたミーユとフレナの手がかざされて、
放たれている神聖波動と竜気波動の共鳴が、総大主教を癒している。
 
 総大主教の、瞳が、開く。
「総大主教様!、良かった…!」ミーユが、安堵に、微笑む。
「救出成功、かな。良かった…!」マミも、安心した表情で、微笑む。
 
 「…神界の勇者様で、あらせられますか…。」総大主教の瞳に、
憂いが過ぎっている。「…どうして、私を、危険を冒してまで、
御救い下されましたか…?」絶世の美女のこの上なく美しい声音に、陰が。
「危険なんて、そんな事…!」マミが、思わず少し頬を染めて、
少し慌てつつ。「…この通り、傷一つ負ってませんし、
ただ、出来る事をやっただけで…!」
 
 「…ヴァルテに仕える身でありながら、カオスに支配され、
人間族と竜族の間に戦争を起こさせる手先として利用されてしまうとは…。 
今の私に、総大主教の資格など、有りはしません…。」と、
総大主教が、打ちひしがれて。
 
 「!!っ、そんな!!、総大主教様…!!」ミーユが、つらそうに。
 
 「元気を出して下さい、総大主教様…!」マミが、少し苦く、それでも
微笑みつつ。「…おれのガッディスブレインには解るんです。
総大主教様だったからこそ、おれがここに辿り着くまで、あなたが
完全にカオスに支配されてしまう事も無く、あなたから開戦命令が
発せられてしまう事も無く、ここまで持ちこたえられてたんだって…!。
もし戦争が始まってて、ミーユとフレナが戦場で出会う様な事に
なってたら…!!、あなたのおかげで、おれは、間に合えたんです…!!」
 
 「…勇者様…」思わず、総大主教の瞳に、涙が浮かぶ。
 
 「マミでいいですよ。」苦笑気味に少し微笑んで、
マミが、真摯な瞳で、「総大主教様には、人間族の軍三個旅団の臨戦態勢を、
解いて頂かないといけません!。あなたがカオスから解放されて、
あなたを起点として広がっていた洗脳波動が消えているはずですから、
あなたの命令で臨戦態勢の解除は可能なはずです!」と。
 
 「…お言葉ですがマミ様…」総大主教が戸惑う。「…無論臨戦態勢を
解く事自体は望む所なのですが…、…竜族の戦闘軍団の方々が
臨戦態勢にある以上、こちら側だけが戦わないとなれば、
神聖騎士団の少女達を危険に晒してしまいます。
当面警戒態勢だけは解く訳にも…」
 
 「その事でしたら、総大主教様、」と、フレナが微笑む。「あの山脈自体が
マミ様の展開した超次元結界によって封じられていますから、
竜族軍にとっても当面の戦闘目的の達成のしようが有りません。
これから直ちに竜族側の洗脳波動の起点に向かって迅速に対処すれば、
竜族側の臨戦態勢も解除可能です。御心配には及ばないかと…。」
 
 「あの山脈自体を、結界で…!!?」驚愕する総大主教が、ふと、
フレナの正体を明確に意識して、「…フレナ殿下…、あなた様が、
なぜここに…!?」
「勇者様のお導きです。」と、フレナが、穏やかに。
 
 (…これは……!!!)総大主教の感知能力が、
フレナの言葉通りに山脈を覆っている超次元結界を
感知する。「…偉大なる、勇者様…。」
「偉大なんて、そんな…!」マミが、戸惑いつつ苦笑して。「…おれは、
たまたまもらった力で、やりたい事をやっているだけです。可愛い女の子が
好きで、フレナとミーユに殺し合いなんてさせたくないから、
殺し合いを止める為に出来る事をしてる、本当に、それだけなんです。」
 
 「…あなたは、立派な方ですよ、マミ様…。」総大主教が、
穏やかに、微笑む。
ミーユも、思わず、安心した様に微笑む。
「そんな…。」思わず、マミが、照れくさそうに頭をかいて、
 
 不意に、マミの鋭い視線が、天井の方に向いて、
 
 5体の、黒紫の人影が、落ちてくる。
 
 「…メタルアンデッドの暗殺特化バージョンか…!、サイボーグ体を
カオスで強化はしてあるけど…、5体共機能停止済み…!?」マミが、
不審げな表情になり、ミーユも、フレナも、総大主教も、
やや茫然と、唇を噛み締める。
 
 そこへ、一人の人影が、飛び下りてくる。
 
 血色を感じられない白過ぎる肌が露わな、年齢11歳相当の美少女である。
少し冷たい印象の眼差し。フレナやミーユに比べると乳房の丸みも
尻の丸みも控えめだが、プロポーションはとても美しい。
瞳は紫で、やはり紫の髪をツインテールに纏めていて、胸元と腰回りに
紫のハイレグビキニアーマーを纏い、首元と、両膝より少し上から
両足の爪先にかけて、両肘より少し上から両手の指先にかけての、
計5か所にも、紫のパーツアーマーを装備している。
 
 「暗黒魔族…?」紫ツインテールの美少女の種族を見抜いて、
首をかしげる様な表情のマミの傍らで、
「クレイアちゃん…!?」と、フレナが。
「知ってるの!?、フレナ!?」と、マミが言うのに応えて、
「クレイア・リュンクスちゃん。謎の傭兵って裏社会じゃ結構有名に
なってるらしいの。よく陰で、私利私欲の為に人を殺す様な陰謀家を
暗殺してるって、わたしも一回その現場に居合わせた事あるけど。」と、
フレナが。
「…そのクレイアさんが、何でここに…!?」と、ミーユが、
少し不審げな表情になって、戸惑う。









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