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84 マミ・ファミリー 混沌軍と戦う (8)

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 洋館のベランダで上空の5名の少女達に超次元妖精波動を
安定的に転移流入させ続けているルミナは、ミネストローネに似た
ルミナ手製の疲労回復兼魔力回復用冷製スープをボトルから
ごくごく飲みながら、一角牛のステーキをばくばく食べ続けている。
ちなみに、ベランダに設置したバーベキュー用炭火コンロで
一角牛ステーキを焼き続けているのは、高級スーツの上に
純白のエプロンを着けたヴィクトル・マクガイヤーであり、
焼きたてを次々にルミナの手元のスタンドテーブルの上の皿に
移しながら、同時に、ヴィクトル自身の傍らのスタンドに設置した
耐熱耐衝撃型モバイルタブレットで、マクガイヤーグループ関連全般
のみならずエルクヴェリア全域の経済状況を随時チェックし、
相互連絡を絶やさず必要に応じて指示を出し続けている。
 
 「…こういう状況でまだステーキ焼くんだ、ヴィクトル君ってば。」と、
しれっと微笑むルミナに、
ヴィクトルが、「…普段は他人に私の焼いたステーキを振舞う機会が
有りませんからね。」と、やや不敵に微笑み、「…この戦いが終わったら、
マミ君やマミ・ファミリーの皆にも振舞いたいものです…。」と、ふと、
もの想う様に。
「神界の勇者様を君呼び?」と、からかう様に微笑みつつ、「…ほんと、
無事帰ってきてもらわないと…。」と、ルミナが、真摯な瞳で、
さらにステーキを頬張る。
 
 一般人であればエネルギーへの変換に時間の掛かるステーキは
急場のエネルギー補給には良くないのだが、
頂上導師たるルミナ・リトゥーン・アクエリナの無敵の胃に
そんな常識は通用しない。
 
ちなみに、ヴィクトルの焼くステーキは、
エルクヴェリア最高のシェフでも敵わない頂点の美味である。
 
ヴィクトルがやや苦笑気味に微笑みつつ、
闘気波動を超次元テレパシーに変換してルミナとフィリスの会話に
割り込み、(『…フィリス君差し当たり心配はいらんよ。
君の師匠は私の焼いたステーキを元気良く食べておいでだ。』)と。 
(『…あ、そうなんですか。』)と、なんとなく「あ、やっぱり」といった感じに
あきれ気味の表情になるフィリスの、その手元に、
超次元転移で各種回復用冷製スープの魔力で浮遊可能な特製ボトルが
届けられる。
ルミナが、(『戦闘の合間でも食事代わりに飲みなさい!、持久戦は補給が
肝心なんだから!』)と、フィリスだけでなく5名の少女全員に告げて、
フレナの、クレイアの、マリンの、ミーユの、それぞれ手元にも
冷製スープのボトルが届く。
 
 (『ありがとうございます!』)と、素直に感謝するフィリス目掛けて
数百機の混沌人型兵器がジャンプキックを一点集中で撃ち込み、
さらに追い打ちで混沌戦艦1000隻の主砲一点集中砲撃が叩き込まれ、
 
それら全てがフィリスが背面から迸らせている虹と水色のオーロラに弾かれ、
発生した爆発エネルギーまで絡ませ融合させてフィリスのオーロラが
全長数十キロの巨大な揺らぎ踊る光の刃となって、
フィリスを攻撃した混沌人型兵器集団と混沌戦艦集団を全て薙ぎ砕いて破壊し、
フィリスは鋭い眼差しのままで冷製スープを飲み始める。
 
 (『ありがたく頂きます!』)と、冷静スープを一気に飲む
フレナ目掛けて、数百隻の混沌戦艦がエネルギーを暴走させ
黒紫の光を放ちながら体当たりを敢行し、さらに1200機を超える
混沌戦闘爆撃機が体当たりで崩壊していく混沌戦艦集団に
無数に超次元ミサイルを撃ち込んで
フレナを中心に飲み込んだ巨大な超次元爆発エネルギーを発生させ、
 
混沌戦艦集団が全て崩壊したその巨大な超次元爆発から超光速飛翔で
離脱した無傷ノーダメージのフレナが、混沌戦闘爆撃機集団目掛けて
超光速突撃しつつ、両翼と左右の黄金剣と両脚からそれぞれ
虹と黄金の超次元波動刃を放ち渦を巻かせて、混沌戦闘爆撃機集団を
全て斬り裂いて爆散させ、さらに無数の混沌戦艦を裂き砕いていく。
 
クレイアを狙う混沌戦艦集団が、100隻ずつでの主砲融合砲撃で
超次元を撃ち抜き、超次元破壊砲撃で超次元重力竜巻を無数に発生させ、
クレイアを飲み込ませて超重力で千切り潰そうとして、
 
(『…感謝します。』)と、ルミナに淡々と応えた一糸纏わぬクレイアが、
超光速飛翔で超次元重力竜巻を巧みに回避しつつ
淡々と右手のボトルからスープを飲みながら、
クレイア自身が創造した13本の虹と蒼黒の光粒子のリボン状の
全長数十キロの超次元断層を
左の手指と左右の爪先で体操の様な仕草で操り、
混沌戦艦集団を逆に撫で斬りにし壊滅させていく。
 
 (『ごちそうになります!』)と、明るく応えたマリンが、
5秒でボトル1個分の冷製スープを飲み干して、敢えて宙で仁王立ちになり、
そのマリン一人目掛けて、
混沌戦艦集団の融合砲撃と混沌人型兵器集団の全力突撃の勢いを込めた
正拳突きの嵐と混沌戦闘爆撃機集団の超次元飛行で発生させる超次元断層の
斬撃の嵐が、叩き込まれて、
 
その、混沌の攻撃全てを、攻撃が生み出す超次元混沌衝撃波動を、
マリンは、無数の、
超光速の超次元拳撃と超光速の超次元蹴撃で、反射し、
混沌戦艦集団と混沌人型兵器集団と混沌戦闘爆撃機集団が
自身が撃ち込んだ攻撃を自身で浴びてことごとく砕かれ裂かれていく。
 
「…鍛え方が足りない…!、なんちゃって。」などと敢えて混沌機械相手に
言ってみていたずらっぽく笑顔になってみたりしているマリンである。
 
 (『…ありがとうございます……!』)と、少し涙ぐみつつ感謝し、
ミーユは、ふと、真摯な瞳で、冷製スープを一気飲みして、
舞と体操と剣技と格闘の仕草を融合させて、超光速飛翔しつつ、 
融合砲撃を続ける混沌戦艦集団は、
左右両手で交互に捌く聖銀大剣の斬撃で発生させる超次元断層刃で
斬り裂いて壊滅させ続け、
融合砲撃は聖銀大剣の超光速斬撃で反射して逆に混沌戦艦集団に
撃ち込み続け、
ジャンプキックの嵐を叩き付け続ける混沌人型兵器集団と、
超次元ミサイルと超次元飛行斬撃の嵐を叩き付け続ける
混沌戦闘爆撃機集団は、
次々と無数に両爪先で蹴り飛ばして、混沌戦艦集団や
混沌人型兵器集団や混沌戦闘爆撃機集団に蹴り込み続けて、
 
あるいは斬り裂かれあるいは自軍兵器と激突させられ続けて、
混沌戦艦集団と混沌人型兵器集団と混沌戦闘爆撃機集団が、
次々に爆破され壊滅させられていく。
 
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