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第8章 魔海の大行進編
第8章ー15
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「うむ! ここの村の魚料理はどれも美味でござるなー!」
「それはようござんした…けど、皆の分もちゃんと残しとけよ?」
あれから三十分ぐらい経過しただろうか。昼飯を買い終え、さっき居たベンチまで戻っている道中だった。どれもこれも美味しそうな料理を目の前にした結果、紙袋二つがパンパンになるぐらい買ってしまった。まあ、正確にいうとマヒロの要求を全て飲んだ結果なのだが。
そのマヒロは自分で持っている袋からフィッシュバーガーのようなものを取り出してモグモグ食べ始めていた。これで三つめだったか。機嫌を取り戻したのは良い事だが、この勢いだと全部食べてしまいかねないな。
「にしても、観光地なだけあって思いの外栄えてんなこの村」
彼女の事はとりあえず置いといて、買い出しをしている最中、このシッター村という村が栄えている事に自分は驚愕させられていた。
港町というのもあってか建物は基本コンクリ製だし、店も飲食店だけではなく、アクセサリーショップやらアパレルショップなんかも多く、普通にショッピングしに来るだけでも楽しめそうだった。観光やレジャー目的らしき人も多いし、はっきり言ってリーヴ村より栄えてると思う。ソワレルからもそんなに遠くないし、物流が進んでいるという事なのだろうか。
「んぐ…ぷはぁ。そういえばサダメ、聞きそびれていたのでござるが」
「ん?」
一人で感心していると、バーガーを食べ終えたマヒロが何か聞きたそうにしていた。腹が減りすぎて忘れていたようだけど、何か大事な話なのだろうか。
「こ、この服、似合ってるでござるか?」
「ッ!?」
すると、マヒロはソンジさんのようにミニスカートの裾を掴み、自分に感想を求めてきた。もしかして、あの時マヒロも参加したかったのか? 自分の感想は軒並み不評だったのに。
「い、いいのか? 俺なんかの感想で?」
さっきの事もあって心配になった自分は念のためにマヒロに確認を取っていた。言っとくが述べる側も反応次第で結構傷つくんだからな。
「無論でござる! 寧ろサダメから感想を聞きたいが故にソンジ殿に合う服を新調して貰ったのでござるから!」
「そ、そうだったのか」
どうやら彼女の今日の服装はソンジさんのチョイスだったようだ。それにしてもわざわざ自分に見せる為にそこまでしてくれたとは。嬉しいような恥ずかしいような変な気分だ。あの空気じゃ言いづらそうだったから言えなかったみたいだけど、そこまでしてくれたのなら言うしかあるまい。
チェック柄で紫色のミニスカートに白いシャツにこの世界の文字がロゴのようにプリントされている。そこまで派手さはないが、私服にしてはちゃんとお洒落な服装だ。
「ど、どうでござるか?」
普段道着とか着てそうなイメージの彼女だが、かなり違和感なく着こなしているように感じる。あと、何故か恥じらう彼女の表情も相まって中々の破壊力がある。
しかしどうしたものか。自分の褒めるセンスがないと知った以上、よさげな言葉が出てこない。参ったな。これならいっそ無難な感想で済ませた方が良さそうか?
「か、可愛いと思うぞ」
そう思った自分は変に飾らない言葉で感想を述べたのだが、妙に気恥ずかしさを感じていた。なんでだろう。シンプルな感想なのに、一番恥ずかしい。
「そ、そうでござるか? えへへ、良かったでござる」
「ッ!?」
おまけに彼女の満面の笑顔を見せられたら急に顔が熱くなってきた。駄目だ。今日の自分はなにか変だ。アラサーだったおっさんが、女子を褒めるだけでなんでこんなドキドキしてるんだ?
そんな妙な違和感を覚えながらも、皆の所へと戻って行った。
「それはようござんした…けど、皆の分もちゃんと残しとけよ?」
あれから三十分ぐらい経過しただろうか。昼飯を買い終え、さっき居たベンチまで戻っている道中だった。どれもこれも美味しそうな料理を目の前にした結果、紙袋二つがパンパンになるぐらい買ってしまった。まあ、正確にいうとマヒロの要求を全て飲んだ結果なのだが。
そのマヒロは自分で持っている袋からフィッシュバーガーのようなものを取り出してモグモグ食べ始めていた。これで三つめだったか。機嫌を取り戻したのは良い事だが、この勢いだと全部食べてしまいかねないな。
「にしても、観光地なだけあって思いの外栄えてんなこの村」
彼女の事はとりあえず置いといて、買い出しをしている最中、このシッター村という村が栄えている事に自分は驚愕させられていた。
港町というのもあってか建物は基本コンクリ製だし、店も飲食店だけではなく、アクセサリーショップやらアパレルショップなんかも多く、普通にショッピングしに来るだけでも楽しめそうだった。観光やレジャー目的らしき人も多いし、はっきり言ってリーヴ村より栄えてると思う。ソワレルからもそんなに遠くないし、物流が進んでいるという事なのだろうか。
「んぐ…ぷはぁ。そういえばサダメ、聞きそびれていたのでござるが」
「ん?」
一人で感心していると、バーガーを食べ終えたマヒロが何か聞きたそうにしていた。腹が減りすぎて忘れていたようだけど、何か大事な話なのだろうか。
「こ、この服、似合ってるでござるか?」
「ッ!?」
すると、マヒロはソンジさんのようにミニスカートの裾を掴み、自分に感想を求めてきた。もしかして、あの時マヒロも参加したかったのか? 自分の感想は軒並み不評だったのに。
「い、いいのか? 俺なんかの感想で?」
さっきの事もあって心配になった自分は念のためにマヒロに確認を取っていた。言っとくが述べる側も反応次第で結構傷つくんだからな。
「無論でござる! 寧ろサダメから感想を聞きたいが故にソンジ殿に合う服を新調して貰ったのでござるから!」
「そ、そうだったのか」
どうやら彼女の今日の服装はソンジさんのチョイスだったようだ。それにしてもわざわざ自分に見せる為にそこまでしてくれたとは。嬉しいような恥ずかしいような変な気分だ。あの空気じゃ言いづらそうだったから言えなかったみたいだけど、そこまでしてくれたのなら言うしかあるまい。
チェック柄で紫色のミニスカートに白いシャツにこの世界の文字がロゴのようにプリントされている。そこまで派手さはないが、私服にしてはちゃんとお洒落な服装だ。
「ど、どうでござるか?」
普段道着とか着てそうなイメージの彼女だが、かなり違和感なく着こなしているように感じる。あと、何故か恥じらう彼女の表情も相まって中々の破壊力がある。
しかしどうしたものか。自分の褒めるセンスがないと知った以上、よさげな言葉が出てこない。参ったな。これならいっそ無難な感想で済ませた方が良さそうか?
「か、可愛いと思うぞ」
そう思った自分は変に飾らない言葉で感想を述べたのだが、妙に気恥ずかしさを感じていた。なんでだろう。シンプルな感想なのに、一番恥ずかしい。
「そ、そうでござるか? えへへ、良かったでござる」
「ッ!?」
おまけに彼女の満面の笑顔を見せられたら急に顔が熱くなってきた。駄目だ。今日の自分はなにか変だ。アラサーだったおっさんが、女子を褒めるだけでなんでこんなドキドキしてるんだ?
そんな妙な違和感を覚えながらも、皆の所へと戻って行った。
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