転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

文字の大きさ
210 / 508
第6章 初任務編

第6章ー⑲

しおりを挟む
 集落を襲って数日後、次の目的地である集落の付近にたどり着いた。向こうで奪えるだけ奪った食糧と金を引っさげ、再びブツを回収する為にやってきていた。暫く集落の女で遊んでいたせいで予定より遅れてしまったが、まあ問題はないか。

 「よし。お前等、いつも通りいくぞ」

 「「おっす」」

 集落の近くまで来ると、タリスターの白い花が生えているのを確認。お目当てのブツは確認したが、回収は一旦保留。仲間に合図を送り、いつもの作業を開始する。

 まずは周囲の状況の把握。タリスターの花がどこまで生えているかや魔物の発生状況を確認するだけでなく、集落に居る人間の数や監視等の配置場所等々、襲う為の用意まで徹底するのがウチのやり方だ。

 闇取引で手に入れた透明化出来るマントの魔道具を頭から被り、足音を立てないようにするブーツを履いて静かに作業を続ける。

 この団を結成して僅か半年ほどしか経っていないが、既に頭の悪い賊共を凌ぐ勢いでブツをものにした。頭の悪い奴は何も考えず突撃するが、それじゃあ騎士団に目を付けられやすくなって捕まるリスクがデカい。顔を知られてたらなおの事支障が出るだろう。

 だが、俺達は違う。馬鹿共と違い、俺達は綿密に調査し、襲えそうだと判断した場所しか襲わない。勿論、襲った後はちゃんと後始末までやるさ。あの集落も俺の魔法で人一人残さず消してやった。あいつ等、言う事を聞けば殺されないと本気で思ってやがってて、ありゃあ笑ってしまったな。悪党がそんな生ぬるい事する訳ねーだろーに。女は使い道はあるにしても、男手はもういらねーしな。

 「ん?」

 集落の様子を確認していると、その場には不釣り合いな格好をした奴が二名。白くて分厚い鎧、あれは騎士団か。どうやらしっかり警戒されているようだな。まあ、あんだけ世間を騒がしていたら騎士団も動かざるを得ないか。

 「あれ二人だけっすかねー? あんな数で俺達から集落の連中守れるってか? 随分と舐められてますね」

 俺の隣で一緒に観察していた仲間の一人が鼻で笑いながら俺に話しかけてきた。確かに、俺達は十五、向こうは二人だ。魔法無しでやり合えば間違いなくこっちが勝つだろうな。

 「だが、向こうの大半は魔法学園を卒業してる優秀な魔法使い共だ。魔法相手じゃ数のゴリ押しはあまり有効打じゃねーな」

 「じゃあ、ここは辞めるんですか? ここまで来たってのに? それに、ブツだって目の前にあるんすよ?」

 舐め切っていた仲間に俺が忠告をすると、不満を零された。まあ、徒歩でここまで来た上、ブツもすぐそこにある。今考えると、あそこでブツを回収出来なかったのは少々痛い。

 「…いや、『アレ』があればなんとかなるだろ」

 「おっ、それじゃあ…」

 だが、問題はない。どれだけ優秀な人材を派遣しようが、俺の魔法があれば奴等とて相手にならん。

 「奪いに行くぞ」

 そう思った俺は、襲撃を決行する。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

魔王を倒したので砂漠でも緑化しようかと思う【完】

流水斎
ファンタジー
 死後、神様に頼まれて転生したが特にチートな加護も無く、魔王を倒すのに十年掛かった。 英雄の一人ではあったので第二の人生を愉しもうかと思ったが、『狡兎死して走狗煮らる』とも言う。 そこで地方で内政に励む事にして、トロフィー代わりに砂漠の緑化を目標に定めた男の物語である。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...