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第6章 初任務編
第6章ー54
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「なっ?!」
火球の火力を駆使して投擲した迅雷の柄が僅かに燃えている。魔法を撃った際に引火してしまったのだろう。だが、都合がいい。これでギリギリまで消えずに居てくれたら向こうに雷を纏ったまま届けられる筈。あとはあの球体を通過できるかどうか次第。
これは自分の推測でしかないが、球体を通過出来れば絶対奴に当てられる。理由は二つある。まず一つ目の理由、それがこの魔法最大のカラクリとなっている。
それは、奴はあの球体と同じ引力を放っているということ。あの魔法は一見ブラックホールのような球体を放つだけの魔法に見えるが、実際は二個の魔法を同時発動しているのだ。一個は球体に、そしてもう一つは奴の身体、もしくは奴の周辺に同じ魔法が発動している。それなら奴が微動だに動かないのも、向こうに彼女の風魔法が当たったのも頷けなくもない。
恐らくだが、球体と奴の間に引力を相殺する空間が存在している。その空間に迅雷を持っていければ…
「いっっっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
と思っていた時には既に迅雷は炎魔法の火力と風魔法の風力を兼ね備えたおかげで球体を突破。自分が予想していた相殺空間に入って行く。あそこまで持っていければ…
「ッ?!」
向こうの引力が発生している領域に入り、迅雷は凄まじい勢いでホープの方へと飛んでいく。風魔法が球体に吸われ、火球の残り火も消えかけているがこの勢いならまだ間に合う。
そして、絶対に当てられる理由はもう一つ。お互い引力を相殺している以上、奴は迂闊には動けない。奴が動けば向こうに変なものを引き寄せてしまうリスクもあるし、バランスが崩れかねない。だからホープは向こうから動けなくなってしまったのだ。まあ、あれだけ強力な魔法が使えるなら下手に動くリスクは取らないだろうが。
だが、今回はそれが裏目に出た。
「ぐああああああああああっ!?」
雷を纏った迅雷の剣先がホープの腹にぶつかり、再び感電して後ろにぶっ倒れる。
「うおっ?!」
「きゃっ?!」
ホープが倒れると、一瞬で黒い球体が消失。消えた瞬間、勢いあまってミオを抱いたまま尻餅をつく自分。巻き添えを食らう彼女は自分と一緒に倒れ込む。
「はあ…はあ…」
倒れ込んだ瞬間、緊張の糸がフっと切れたかのように疲れがどっときた。思わず過呼吸と汗が止まらない。
「はあ…はあ…、あ、アイツは、どう、なった?」
ここで一息吐きたい所ではあるが、まだ油断はできない。呼吸を整えつつ、顔だけなんとか起こしてホープの方を見る。さっきみたいに気絶していなければまた起き上がって来る可能性が高い。こっちはもうかなり体力と魔力を消費してまともに動けない。これ以上の戦闘は厳しいのだが、
「…あ、あぁぁぁ…」
そんな不安を抱きながら向こうの様子を見ていると、ホープは小さく呻きながらも白目を剥いて身体中痙攣させており、立ち上がる余力は感じられなかった。
こうして自分達はホープとの戦いに終止符を打った。
火球の火力を駆使して投擲した迅雷の柄が僅かに燃えている。魔法を撃った際に引火してしまったのだろう。だが、都合がいい。これでギリギリまで消えずに居てくれたら向こうに雷を纏ったまま届けられる筈。あとはあの球体を通過できるかどうか次第。
これは自分の推測でしかないが、球体を通過出来れば絶対奴に当てられる。理由は二つある。まず一つ目の理由、それがこの魔法最大のカラクリとなっている。
それは、奴はあの球体と同じ引力を放っているということ。あの魔法は一見ブラックホールのような球体を放つだけの魔法に見えるが、実際は二個の魔法を同時発動しているのだ。一個は球体に、そしてもう一つは奴の身体、もしくは奴の周辺に同じ魔法が発動している。それなら奴が微動だに動かないのも、向こうに彼女の風魔法が当たったのも頷けなくもない。
恐らくだが、球体と奴の間に引力を相殺する空間が存在している。その空間に迅雷を持っていければ…
「いっっっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
と思っていた時には既に迅雷は炎魔法の火力と風魔法の風力を兼ね備えたおかげで球体を突破。自分が予想していた相殺空間に入って行く。あそこまで持っていければ…
「ッ?!」
向こうの引力が発生している領域に入り、迅雷は凄まじい勢いでホープの方へと飛んでいく。風魔法が球体に吸われ、火球の残り火も消えかけているがこの勢いならまだ間に合う。
そして、絶対に当てられる理由はもう一つ。お互い引力を相殺している以上、奴は迂闊には動けない。奴が動けば向こうに変なものを引き寄せてしまうリスクもあるし、バランスが崩れかねない。だからホープは向こうから動けなくなってしまったのだ。まあ、あれだけ強力な魔法が使えるなら下手に動くリスクは取らないだろうが。
だが、今回はそれが裏目に出た。
「ぐああああああああああっ!?」
雷を纏った迅雷の剣先がホープの腹にぶつかり、再び感電して後ろにぶっ倒れる。
「うおっ?!」
「きゃっ?!」
ホープが倒れると、一瞬で黒い球体が消失。消えた瞬間、勢いあまってミオを抱いたまま尻餅をつく自分。巻き添えを食らう彼女は自分と一緒に倒れ込む。
「はあ…はあ…」
倒れ込んだ瞬間、緊張の糸がフっと切れたかのように疲れがどっときた。思わず過呼吸と汗が止まらない。
「はあ…はあ…、あ、アイツは、どう、なった?」
ここで一息吐きたい所ではあるが、まだ油断はできない。呼吸を整えつつ、顔だけなんとか起こしてホープの方を見る。さっきみたいに気絶していなければまた起き上がって来る可能性が高い。こっちはもうかなり体力と魔力を消費してまともに動けない。これ以上の戦闘は厳しいのだが、
「…あ、あぁぁぁ…」
そんな不安を抱きながら向こうの様子を見ていると、ホープは小さく呻きながらも白目を剥いて身体中痙攣させており、立ち上がる余力は感じられなかった。
こうして自分達はホープとの戦いに終止符を打った。
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