転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

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第7章 期末試験編

第7章ー60

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 「ぐっ?!」

 彼から発せられるプレッシャーがひしひしと肌に伝わってくる。間違いない、オーヴェン先生よりも先に私を殺すつもりだ。

 正直怖い。でも、彼に人殺しはさせたくない。だから、私がなんとかして説得して止めてみせる。力づくじゃ根本的な解決にはならないし、私の実力じゃ彼には到底敵わない。そもそも、先生の足止めもしないといけないから戦う余裕なんて残ってない。

 四重の防風カルテット・プリンドは、乱気流の城壁タービュ・ランパートみたいに自在にサイズを変えたりは出来ない。人一人入れるのが限度のかなり限定的な使い方をする防御魔法。だけど、四方に風を巻き起こす故、あっちよりかは耐久性はその分上がる。この魔法なら先生を足止めにするのに最適だと判断した。といっても、もって数分ぐらいだろうけど。

 その間に彼を説得させ、協力してゴールに向かわせる。それが私の考えた作戦、というのもあるけど、彼の葛藤する表情を見て黙ってはいられなかった。

 アラガは魔王を殺す事に並々ならぬ執念を燃やしている。それはいい。けど、彼のやり方には疑問を抱かざるを得なかった。

 そこまでして魔王を殺したい理由とはなんなのか、どうしてサダメを目の敵にしているのか。そんなことを考えているうちに、彼の事を知りたくなっている自分が居た。

 きっと、私なんかでは測り知れない程辛い過去を背負っているのかもしれない。私だって辛い経験はしてきているけども。

 辛い思いをしているのなら話を聞いてあげる、それが心のケアに繋がるってお父さんも言ってた。

 「あ、貴方はどうして…」

 「黙れ!!」

 「きゃっ!?」

 彼の話を聞こうと、こっちから声を掛けてみる。が、彼は怒声で威圧するだけで話にならない。どういう訳か、彼の身体から氷魔法がダダ洩れている。怒りのあまり自分の魔法を制御出来ていない? これはちょっとばかしマズい気がしてきた。

 どうしよう。話を聞くどころか聞く耳すら持ってくれない。今の彼は私を殺すことしか頭にないの? だとしたら話しかけるのは逆効果?

 いや、向こうが固く閉ざしている以上こっちから話しかけなきゃ駄目だ。どうにか話すきっかけを作らないと。

 「これが最終警告だ。その魔法を解除して俺の前から消え失せろ! じゃなきゃ、お前を本気で殺す!!」

 「…」

 そんな事を考えている中、彼は私に警告を出してきた。恐らく反論したら殺されるし、無視しても殺しに来る。要するに、考えている時間は残り少ない。駄目だ。思いつかない。こういう時、なんの話をすれば…

 「…わ」

 いいのか。焦る最中、答えは無意識に出ようとしていた。
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