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工業簿記編
chapter21 「本社工場会計」って何!?
しおりを挟むある日の部活のない放課後。
私は教室で、友だちの紗代と話をしていた…
「それでね、美琴ちゃん。違う話なんだけど…」
「なになに~♪」
「先週の土日から、私、工場でバイトを始めたじゃない?」
「確か、コンビニ弁当を作っている工場だったよね♪」
「それそれ。どうやらその工場の売上が好調らしくて、私以外にも次々に新しいバイトが雇われているの!」
「終いには、忙しすぎて本社から正社員の人がヘルプに入っている位なんだけど、その正社員さんに支払われる給料って、工業簿記上じゃどう処理するのかなぁ…と思って」
「確かに…もうそろそろ、先輩が迎えに来るはずだから、先輩に聞いてみようか?」
”プップッ…”
「美琴、待たせたな…おっ!今日は紗代も一緒か。元気か?」
「はいっ」
「ねぇねぇ先輩。「工場が忙しすぎて、本社の社員がヘルプに入った時、その社員に支払われる給料」は、工業簿記上でどう処理するのか、分かる?」
「どうして、また急に…」
「私、先週から工場でバイトしていて、今その工場がそんな状況なので、どうなるのかなぁ、と思って…」
「なるほどな…まだ、戸山先生の選択簿記で、そこまで話が進んでいないんだな…こんな時に使う勘定科目が、工場では「本社」、本社では「工場」という勘定科目なんだ」
「「本社」勘定に…「工場」勘定?」
「そう。例えば、工場の資金が不足していて、本社から現金1,000,000円を工場に移した場合に、本社と工場の会計がそれぞれ独立している場合に「本社」と「工場」という勘定科目が使われて処理をする」
「今の例の場合、本社から工場に現金を移した訳だから、本社的には、現金はどうなった?」
「本社からは現金が無くなっていますね!」
「そう。つまり…
(借方(左側))??? 1,000,000
/
(貸方(右側))現金 1,000,000
になる訳だ」
「もしかして…その???に入るのが「工場」だったりしますか?」
「正解!本社の仕訳は…
(借方(左側))工場 1,000,000
/
(貸方(右側))現金 1,000,000
となる訳だ!」
「てことは、工場側から考えると、現金を本社からもらった訳だから…
(借方(左側))現金 1,000,000
/
(貸方(右側))本社 1,000,000
っていう仕訳だったりして…」
「その通り!」
「こういった会計処理を「本社工場会計」と言うが、ポイントは「どこの仕訳(工場or本社)なのか?」「その場所から見た時に、何が増減したのか?」「本社では「本社」、工場では「工場」という勘定科目は使わない!!」の3つだな!」
「ちなみに、紗代の工場の例の場合で、例えばその社員の給料が100,000円、本社と工場での勤務の割合がそれぞれ50%だったとして…」
「本社側は…
(借方(左側))給料 50,000
工場 50,000
/
(貸方(右側))現金100,000」
「工場側は…
(借方(左側))賃金 50,000
/
(貸方(右側))本社 50,000
といった仕訳を行うことになる」
「その社員さんが工場で働いた50%分だけ賃金になって、最終的に製造原価に入れるという訳ですね♪」
「そういうこと。それじゃ、ここで例題。「工場の水道光熱費30,000円を、本社が現金で立て替え払いした」この仕訳を、それぞれの立場で答えなさい♪」
「え~と…本社的には、工場のために現金を支払っていて、これは本社工場会計で、本社の仕訳に本社は使わないから…
(借方(左側))工場 30,000
/
(貸方(右側))現金 30,000」
「で、工場的には、水道光熱費を本社が自分の替わりに払ってくれて経費が発生している。本社工場会計で工場の仕訳に工場は使わないから…
(借方(左側))水道光熱費(経費)30,000
/
(貸方(右側))本社 30,000
かな…」
「2人とも良くできました♪」
「なるほど!先輩が言っていた3つポイントさえ抑えてしまえば、本社工場会計は難しくないですね♪」
「そういうこと」
「しかも、全経簿記検定1級工業簿記では、仕訳の問題で高い確率で本社工場会計の問題が1問は出題されているんだ」
「仕訳の問題は1問4点だから、俺の言った3つのポイントを抑える意味は大きいと思うぞ!」
「確かに!!」
「先輩!1級工業簿記の受験日近くになったら、また教えて下さい♪」
「りょ~かい!」
「いつの間にか夕方になってしまったな…それじゃ、帰ろうか?」
「はいっ!」
「先輩。ありがとうございました♪」
chapter22 に続く
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