ねえねえそこの獣要素強めのイケ獣人双子さん!私と一緒に『合法&当人合意の上での光源氏計画』とかいかがですか?!

一片澪

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02.つまらない? 平穏な日常の価値を侮るなよ!

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「高杉美鈴さん! おめでとうございます、念願の異世界転移or転生ビッグチャンスでございます!!!」


ぱんぱかぱーんっ♪と口頭で言った目の前の白い淡く発光する球体。それを見て美鈴の口から本気のため息が漏れた。
勘弁してよ本当に……それともあれか? 一度カウンセリングとか受けた方が良いとかそう言うレベル?
球体を完全に無視して布団を探すが無くなっている……というか、この空間は真っ白過ぎて上下も左右も分からない。
これはいくら夢でも本当に精神的にきているのだな、と美鈴が考えていると球体が「違うよ」と明るい声で言って、その朗らかな口調とは裏腹にエグイ現実(?)を伝えて来た。

「君はあの後焼死しました。でも君の魂は異世界向けだから連れて来てあげたんだよっ! 嬉しい? ね、嬉しい?」
「……焼死?」
「うん。君の真下の部屋の男の人がギャンブルで全財産スってやけを起こして部屋に油を撒いてね」
「……それで、その人は?」
「怖くなって一番に逃げたから無事。因みにアパートは全焼したけれど、君以外は全員無事だったよ! 安心して!」

安心出来る要素なんて一個も無いだろうがコイツふざけてんのか?
怒りから無意識に拳を握り締めると球体は慌てたようにぷるぷると震えて美鈴の目の前に数冊のパンフレット的な物を並べだしたではないか。……ねえ、この机と椅子は一体どこから来たの?

「なにこれ?」
「と、特別に選ばせてあげようと思って! ね、見るだけ見てよ! ね? ほら座って座って!」

刺々しい口調になるのは許してあげて欲しい。
しかし美鈴の攻撃的な態度にめげる事無く球体は一つ目のパンフレットを開いた。

「まずはコレ! 君達の世界での一番人気『聖女になって世界を救おう!ご褒美は王子様とのロイヤルウェディング♡』とか、どうっ?!」
「パス、そう言うのは十代とか若い子の管轄。分かる? 私もう四十が見えているの。王族とかそんなの魑魅魍魎の巣窟でしょう? 都合よく利用された挙句に消されて終わりよ。無理無理」

ぽいっと娯楽して読む分には楽しいけれど自分が挑むのは絶対御免被りたい設定のパンフレットを問答無用で投げ捨てたが球体は怒らなかった。
……なんか、ごめん。態度悪いね……なんて相手が引いてくれると美鈴は強烈な罪悪感に襲われちゃうタイプでもある。
しかしそんな美鈴の気持ちの変化なんてちっとも気付いていない球体は次のパンフレットを開いた。

「じゃあコレ! 君みたいなお姉さん世代の支持率が超高い『ドキッ☆男女比10:1の世界で一妻多夫、愛され溺れる逆ハーの世界』は?! 日本人女性ってさ、妙な所で頭固いからこれくらい極端な世界観の縛りが無いと奔放に肉体関係を楽しめない窮屈な人が多過ぎるんだよね。どう? どう? 子供沢山産んで欲しい系の世界だけど出産は鶏卵サイズの球体だから超絶楽だよ!」
「パス!!! そんなのは見ている分には楽しいけれど絶対しんどいから! つーか何その鶏卵サイズの出産って、もう人間ですら無くなってる! ナシナシ!」

悪いなんて思った自分がバカだった。コイツ、やっぱりあんまり好きじゃない。
美鈴がそう思いながら白い眼を向けると球体はまたガサガサと何かを漁って机の上にバサバサと並べて、ようやく目的の物を見付けたようだ。とっておきだよ? なんて言いながら自慢気に出して来る。

「じゃあコレ! 君かなり欲求不満でオナニー激しめでしょう? だから君ならイけると思う!『変態紳士の可愛いペット~今夜も淫紋が甘く疼く~』コレはね、最初捕まって性奴隷候補生として調教スタートだけど直ぐに保護されてそれからはずーっとえっちなめくるめく官能の世界でアナ――「やめろやァ!!!!!」」

とんでもない言葉が出て来そうだったから美鈴は巻き舌で止めた。
人の恥ずかしい部分をしれっと暴露した挙句とんでもないAVですら見ない危険な単語のオンパレードだ、ふざけんな! 確かに欲求不満で、性欲が強い事は認めよう。

だがしかし、自分には『そっち』の開発に関する興味は今・の・所 無 い ! !
バアン、と机を叩くとたまたま手の下にあったパンフレットが見えたので美鈴は視線を奪われた。
『少年監禁』『義弟の誘惑』『女帝君臨』『お尻ヘブン』とかなんとか物騒すぎるラインナップからは意識して目を逸らす事も忘れずに。

「コレ…」
「あ、それ? 悪くは無いけれどとっても平凡で折角異世界に行くのにつまらないかな、って紹介しなかったんだ」

不思議と興味を惹かれて中を見る。
簡単な内容としては『十数年に一度魔獣が大量発生する可能性がある森を離れた位置からログハウスに住んで監視する役目を担う獣人兄弟に拾われてそこで静かに暮らす』と言う物だった。

え……コレ良いんじゃない?
そう素直に思えたので球体に詳しい説明を求めると美鈴が漸く乗り気になった事が嬉しいのか球体が詳しい内容をホログラム? の様な立体映像まで出して教えてくれた。

「ここに住んでいるのは共に先祖返りの虎獣人の双子の兄弟。彼らは力が強過ぎて普通の獣人だと本能が恐れてまともに近付けないんだ。……だから自分達から立候補して『奥の森の番人』として森のログハウスに住んでいるんだよ。この二人なら問題無いけれど危険が伴う上に誰でも出来る仕事じゃ無いから超高給取り。……で、外見はこんな感じ」
「あ……カッコいい」

きゅん、と十年以上ぶりに異性を見て胸が高鳴った。
見た目年齢二十代後半~三十代前半くらいなんだけれどなんというか落ち着きがこちらの日本の標準的な同世代の男性とは全然違って歴戦の猛者感がすごい。

背が高くて胸板が厚い典型的なガチムチだ。……大事な事だからもう一度言おう、ガチムチである。
普段接する男性は皆細い(貧弱寄り)か中年太りしか居なかった為自分の好みを知らなかったがどうやら美鈴は雄っぱいというものにときめきを覚える習性があったようだ。

「今見せているのは『人化』…ええと、ヒトの姿に似せている形態で彼らが一番楽な姿はコレだよ?」
「――はうっ!!!」

ひゅっと変わったホログラムの映像に美鈴は思わず心臓が撃ち抜かれた。

——わ、わ、私……ケモナーの癖も持って居たのかも知れない。美鈴はそう内心で叫んだ。
何かで見たケモ度的尺度で説明すると三かな?! マズルも尻尾もあって、足も獣脚。そして全身がモフモフで覆われているのに二足歩行の私の性癖にジャストフィットOHイエス! なルックスだった。
しかも二人とも白虎らしくその毛並みも実に素晴らしい。

ああ、この逞しい身体の男性に少しでも優しくしてもらえるなら喜んで召使になって洗濯でも掃除でもなんでもやりますなんでもできます。そうです、なんでもやらせてください! だ!!!!!
異論は認めるが、今は聞きたくないから後にしてくれよな!

「ここが良いここ! こ、これでお願いします!」
「え? 急に乗り気だね…ちょっと待ってね、よく見るから」
「うんうん!」

ぶんぶんと何度も頷いて球体の確認を待つ。
すると彼は内容を確認して、ちょっと困った様な空気を纏いつつ言った。

「あちゃあ……ココに行くと君、魔力と平均寿命の関係で幼児化しちゃうよ」
「幼児化?」
「うん。やっぱり厳しいよねえ…… 折角気に入ってくれたのに」

残念だけど、と話を畳もうとする球体に美鈴は閉まり行く終電のドアにスライディングを決める様な勢いで食いついた。
これを逃したら後悔する! と今まで生きて来たうっすい人生経験の中の何かが叫ぶのだ。

「き、記憶は持っていける系ですか?!」
「え? あ、…うん。尚更辛いでしょう?」
「辛くなどございませぬ! これっぽっちも、辛くなど、ございませぬ!!!!!」

あ……そ、そうなんだ、と球体が明らかに引くくらいに美鈴は強く言った。

「詳しい設定を! どうか、どうか詳しい設定を教えてください!!!」

今まで怒って刺々しい態度だった美鈴が急に机に頭を付けて頼みだしたもんだから球体はかなり驚いていたけれどそれでも包み隠さず教えてくれた。……意外と優しいね、ごめんね色々八つ当たりして。美鈴は声に出してそう詫びたが、球体は気にしなくて良いよ! とふるふるするだけで許してくれた。


「えっとね、この双子は諦めて平気な振りをしてるけど本当はすごく寂しいんだ。だから君を見付けたら保護して出来る限り可愛がりたいと思うのは間違いない。……でも自分達じゃ絶対に育てられないと思っているから街の人間に預ける方向で動くと思うよ」
「阻止してください、あなたの力で。多少倫理を捻じ曲げてでも」
「……すごいいきなり食いついてるね。……ううんと、じゃあとっても厳しい真冬に出会う事にしよう。ログハウスは冬の間の下山がすごく大変だから春になるまでは、って事で話が一度は纏まると思う」
「ありがとうございます。その間に媚びて媚びて媚びまくってずっと養って貰える様に努めます」

びしっと決め顔で言い放つと球体は少しの沈黙の後「いっそ清々しいね君」と言った。
美鈴はそんなに褒めるなよ、照れるだろ…なんて心の中だけで呟いて彼の説明の続きを聞く。

「でもね、この二人は時折街に補給に行く以外は一生ログハウスでの番人生活を続けるつもりだよ? 折角異世界に行くのに森の中で良いの? まあ成長したら好きに出来るだろうけれど、それなら最初からもっと良い受け入れ先を用意出来るんだよ?」
「生涯私とガチムチもふもふだけの夢の楽園って事ですね? ありがとうございます」
「いきなりすごいポジティブだね」

困惑を通り越した球体はもう呆れていた。
それでも美鈴は個人的にすんごぉーく、大事な事を聞く。念の為! ね、念の為ね。

「そちらの世界にロリコンの概念はありますか?」
「基本的には無いよ。どこでも異常者はいるけれど、幼児に対する性加害は私刑に処されても問題にされない位嫌悪されているね」
「……ちぇ」

思わず心の素直な声が漏れた美鈴に球体は「ちぇじゃないの!」とごくごく常識的な叱責をした。
それでもすぐにでもね? とちょっと悪戯な声を出す。

「あっちの世界は異世界からたまに君みたいな異世界人が落ちて来るんだ。だから『落ち人』の存在は広く認知されている」
「はい!」
「そして『落ち人は外見と精神の年齢がズレている場合が多い』というのもまた……有名な話だ」

きらん、と球体が怪しく光った。
顔のパーツがあるのならきっとその口元はお代官様のように悪い弧を描いていたに違いない。

「それは……つまり?」

ごくり、と喉が鳴る美鈴を球体は真っすぐ見詰めて言った。

「無邪気な子供のフリをしたまま大人になるのを待つか、成熟した大人の女性の心を宿した子供である事を前面に打ち出していくかは……君が決めて良い事だよ」
「最&高かな?」
「ふふふ、後あっちの世界だと一応成人は十六歳って事になってはいるけれど、女性は初潮が来た段階で大人の女性として扱われるから……忘れずに覚えておいてね?」

おいおい。
おいおいおいおい最高かよ。
美鈴の中で過去保健体育で習った一文が脳裏を過る。

――日本における平均初経年齢は12歳前半で、遅くとも満17歳までにほとんど(98~100%)の女性が初経を経験すると言われています。

てってれー!!!!!

「もしもーし? 絶対妙な事考えてるだろうから言うよ! 良いかな? ここはすごく大事だからちゃんと聞いてね? 獣人はそもそも基本的に情が深い。……もっとはっきり言うと独占欲と執着が人間の比じゃないんだ。軽々しく飢えて渇いた獣の心に入り込んでやっぱり違ったバイバイ! なんて無理だから、ちゃんとそこだけは見極めて行動するんだよ」
「わかりました! ありがとうございます」

――じゃあ、決まりで良いんだね?

そう確認して来た球体に美鈴は一切の迷いもなく頷いて叫ぶ。

「逆合法ロリ幼女で、お願いしまァッすッッ!!!!!!」
「いや声でかいな……」

森暮らしいいじゃないか! やった事は無いけれど、文明がどの程度かも良く分かっていないけれど異世界人はたまに落ちて来るらしいし、魔法だって普通にあるみたいだからきっとうまく行くよ!!! うん!

ぱあっと光って球体との別れを察した美鈴は咄嗟に再度叫ぶように言った。


「球体、ありがとう!!!」


聞こえたかどうかを判断する事は出来ないけれど自分なりにお礼が言えた事に満足して美鈴は眠る様に意識をそっと手放したのである。




***
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