トラウマ抱えた冴えない男は、異世界で魔王を妻にします

ワスレナ

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第三章 リオリス魔王国戦争編

第70話 「レグナムグルスの目的」

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 魔王進化で巨大化したレグナムグルスは長い二本の大角の頭、全身鎧のような黒い甲殻こうかくおおわれ右手には見事な大剣を握り私達の前に立ちはだかる。

「貴様はもう終わりだ」

「そうか。全力でかかってこい!」

 レグナムグルスは大剣を振りかぶり一気に振り下ろす! 私は寸前でやいばを両手ではさんで止めるが床のレンガがバキバキ割れて崩れ落ちる。

「部屋はおかまい無しか……」

「貴様が死ぬならどうでもいい! どこまで持ちこたえられる?」

  床が抜けて私は空中で剣を受け止めている。剣を離して後方に下がると奴が大剣をブンブン振り回しおそいかかってくる!

 幾重いくえにもり出される剣筋けんすじけながら攻撃のすきうかがうが見事なまでに見いだせずにいた。

 奴は大剣をあきらめ両の拳で私に挑んでくる! 一撃でも当たればかなりの威力だが私は寸前でかわし続けた。

「くそっ! すばしっこい奴め!」

 レグナムグルスの動きが一瞬止まる。私は瞬間移動で後方に下がると同時に右手を突き出しデコピンの構えを取る。

「やらせぬ!!」

 レグナムグルスは口を開け炎と雷撃の合わさった砲撃を繰り出す! すんでのところで上空へ瞬間移動しかわすが、奴の城は上側が吹き飛んでしまう。

「めちゃくちゃだな……」

「貴様がウロチョロするからだ!!」

「まあ、あとで直せばいいか」

 私は奴の側面に移動しつつ再び右手を前に出しデコピンのかまえを取る。白いかがやきが収束する。

白色矮星指弾ホワイトドワーフ・フィンガー!」


 白い衝撃はレグナムグルスに被弾する。城壁を吹き飛ばし遠くまで直進していき白い光は消えていく。巨大な黒い魔王は跡形もなく消え去る。

 私は結界の中にいるレイアの元へ近づく。レイアは冷静に私とレグナムグルスの戦いを見ていたようだ。

「これでもまた復活するんだな……」

「タクト……。 そうじゃな」

 結界の成分を解析し終えて解除にかかる。結界は私の触れた部分からがれ落ちていく。

「レイア、これで自由だ」

「かたじけない。じゃがそろそろ奴が」

「ああ、そうだな」

 私とレイアは奴の方に身体を向け復活を待つ。目の前にレグナムグルスの身体が再生していく。人型に戻った奴は悔しがって吐き捨てる。

「くっ! 何という奴だ! 俺をここまで追い込むとは」

「それはお互い様だろ。何回復活したら気がむんだ」

「俺は不死身なのでな……」

「そうか。それは大変だな」

 私は奴に問いただす。

「お前の目的は一体何なんだ? 何がしたかったんだ?」

 私の問いに不敵なみを浮かべ話し始める。

「目的だと? 俺はこの魔界を統一し支配する! そしてほかの次元界にも我が力を示すのだ!」

「支配か」

 何となくには落ちたが、そばにいたレイアが教えてくれる。

「奴らしい考えじゃな。ああ見えて国の魔族からは信頼が厚いのじゃ」

「カリスマがあるのか……」

 レグナムグルスはさらに続ける。

「それに貴様達が持つ闇の秘宝を手に入れて永遠の闇の力を完成させ、奴に復讐ふくしゅうするのだ!」

「奴? 一体誰の事だ?」

「エレノーラとかいうクソ聖女だ! 奴は俺に屈辱くつじょくを与えとどめもささず去っていった。あいつだけは許せん!」

「は?」

 またエレノーラ様か……。一体どれだけ魔界に爪痕つめあとを残しているんだあの方は!

「でも命だけは助かってよかったんじゃないのか? 怒らせたら怖いぞ」

「俺は不死身だ。だが奴は俺の殺し方を知っていた。今考えても恐ろしい……」

 レグナムグルスの表情が恐れに変わっている。そんな中レイアが私に問いかける。

「タクト、奴は殺しても死なぬ。どうするのじゃ?」

「そうだな。だが反省はしてもらわないとな」

 私は奴に対して呪文を唱える。

漆黒しっこくと聖なるさばきをこの者に与えん! ”永遠の牢獄エターナル・プリズン”!」

 魔法が発動しレグナムグルスの身体に魔法陣が及ぶ。漆黒《しっこく》の牢獄が出現し奴を閉じ込めていく。

「や、やめろおぉぉぉ!!!!」

 レグナムグルスは必死に抵抗するが発動したさばきにはあらがえない。牢獄が閉められさばきの時が近づく。

「わらわからも餞別せんべつをやろう。 ”永遠の拷問エターニティオブトーチャー”!」

 閉じ込められたレグナムグルスに魔法が発動し苦しみだす。

「ギャアアアアアアア!!! おのれ! おのれえぇぇ!!」

 絶叫しながらも私達をにらもだえている。

「いや、お前が悪いんだから反省しろ! 話し合いで何とかなったかもしれんだろ」

 私は奴に言い放つ。苦しみながらも私達に怒りの目を向けている。

「くそぉ! 覚えておれ!!」

「いや、だから反省しろって。 エレノーラ様を呼ぶぞ」

 私の言葉に奴は異様に反応し苦しむだけになる。そんなに怖いのか……

「クククッ。奴にも苦手なものがあったのじゃな。愉快ゆかいじゃ!」

 レグナムグルスの反応にレイアがほくそんでいる。今度師匠に会ったら奴の事も聞いてみるか……



「さて、そろそろみんなのところへ戻らないとな。シルヴィアさん達もここで奮闘してくれているし合流しないと」

 レイアに話すと緊張がほどけたのか疲れた様子だ。

「助かったら何かお腹がすいてきたぞ。タクト何か持っていないのか?」

「ああ、それなら……」

 私はインベントリからメイド達が用意してくれたおにぎりなどの食べ物を出して渡した。




 こうしてリオリス魔王国の魔王レグナムグルスは無力化し、皆のおかげで敵軍を鎮圧ちんあつしたリータ魔王国の勝利が確定したのだった。



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