72 / 77
第三章 リオリス魔王国戦争編
第70話 「レグナムグルスの目的」
しおりを挟む
魔王進化で巨大化したレグナムグルスは長い二本の大角の頭、全身鎧のような黒い甲殻に覆われ右手には見事な大剣を握り私達の前に立ちはだかる。
「貴様はもう終わりだ」
「そうか。全力でかかってこい!」
レグナムグルスは大剣を振りかぶり一気に振り下ろす! 私は寸前で刃を両手で挟んで止めるが床のレンガがバキバキ割れて崩れ落ちる。
「部屋はお構い無しか……」
「貴様が死ぬならどうでもいい! どこまで持ちこたえられる?」
床が抜けて私は空中で剣を受け止めている。剣を離して後方に下がると奴が大剣をブンブン振り回し襲いかかってくる!
幾重にも繰り出される剣筋を避けながら攻撃の隙を伺うが見事なまでに見いだせずにいた。
奴は大剣をあきらめ両の拳で私に挑んでくる! 一撃でも当たればかなりの威力だが私は寸前でかわし続けた。
「くそっ! すばしっこい奴め!」
レグナムグルスの動きが一瞬止まる。私は瞬間移動で後方に下がると同時に右手を突き出しデコピンの構えを取る。
「やらせぬ!!」
レグナムグルスは口を開け炎と雷撃の合わさった砲撃を繰り出す! すんでのところで上空へ瞬間移動しかわすが、奴の城は上側が吹き飛んでしまう。
「めちゃくちゃだな……」
「貴様がウロチョロするからだ!!」
「まあ、あとで直せばいいか」
私は奴の側面に移動しつつ再び右手を前に出しデコピンの構えを取る。白い輝きが収束する。
「白色矮星指弾!」
白い衝撃はレグナムグルスに被弾する。城壁を吹き飛ばし遠くまで直進していき白い光は消えていく。巨大な黒い魔王は跡形もなく消え去る。
私は結界の中にいるレイアの元へ近づく。レイアは冷静に私とレグナムグルスの戦いを見ていたようだ。
「これでもまた復活するんだな……」
「タクト……。 そうじゃな」
結界の成分を解析し終えて解除にかかる。結界は私の触れた部分から剥がれ落ちていく。
「レイア、これで自由だ」
「かたじけない。じゃがそろそろ奴が」
「ああ、そうだな」
私とレイアは奴の方に身体を向け復活を待つ。目の前にレグナムグルスの身体が再生していく。人型に戻った奴は悔しがって吐き捨てる。
「くっ! 何という奴だ! 俺をここまで追い込むとは」
「それはお互い様だろ。何回復活したら気が済むんだ」
「俺は不死身なのでな……」
「そうか。それは大変だな」
私は奴に問いただす。
「お前の目的は一体何なんだ? 何がしたかったんだ?」
私の問いに不敵な笑みを浮かべ話し始める。
「目的だと? 俺はこの魔界を統一し支配する! そしてほかの次元界にも我が力を示すのだ!」
「支配か」
何となく腑には落ちたが、傍にいたレイアが教えてくれる。
「奴らしい考えじゃな。ああ見えて国の魔族からは信頼が厚いのじゃ」
「カリスマがあるのか……」
レグナムグルスはさらに続ける。
「それに貴様達が持つ闇の秘宝を手に入れて永遠の闇の力を完成させ、奴に復讐するのだ!」
「奴? 一体誰の事だ?」
「エレノーラとかいうクソ聖女だ! 奴は俺に屈辱を与えとどめもささず去っていった。あいつだけは許せん!」
「は?」
またエレノーラ様か……。一体どれだけ魔界に爪痕を残しているんだあの方は!
「でも命だけは助かってよかったんじゃないのか? 怒らせたら怖いぞ」
「俺は不死身だ。だが奴は俺の殺し方を知っていた。今考えても恐ろしい……」
レグナムグルスの表情が恐れに変わっている。そんな中レイアが私に問いかける。
「タクト、奴は殺しても死なぬ。どうするのじゃ?」
「そうだな。だが反省はしてもらわないとな」
私は奴に対して呪文を唱える。
「漆黒と聖なる裁きをこの者に与えん! ”永遠の牢獄”!」
魔法が発動しレグナムグルスの身体に魔法陣が及ぶ。漆黒《しっこく》の牢獄が出現し奴を閉じ込めていく。
「や、やめろおぉぉぉ!!!!」
レグナムグルスは必死に抵抗するが発動した裁きには抗えない。牢獄が閉められ裁きの時が近づく。
「わらわからも餞別をやろう。 ”永遠の拷問”!」
閉じ込められたレグナムグルスに魔法が発動し苦しみだす。
「ギャアアアアアアア!!! おのれ! おのれえぇぇ!!」
絶叫しながらも私達を睨み悶えている。
「いや、お前が悪いんだから反省しろ! 話し合いで何とかなったかもしれんだろ」
私は奴に言い放つ。苦しみながらも私達に怒りの目を向けている。
「くそぉ! 覚えておれ!!」
「いや、だから反省しろって。 エレノーラ様を呼ぶぞ」
私の言葉に奴は異様に反応し苦しむだけになる。そんなに怖いのか……
「クククッ。奴にも苦手なものがあったのじゃな。愉快じゃ!」
レグナムグルスの反応にレイアがほくそ笑んでいる。今度師匠に会ったら奴の事も聞いてみるか……
「さて、そろそろみんなのところへ戻らないとな。シルヴィアさん達もここで奮闘してくれているし合流しないと」
レイアに話すと緊張がほどけたのか疲れた様子だ。
「助かったら何かお腹がすいてきたぞ。タクト何か持っていないのか?」
「ああ、それなら……」
私はインベントリからメイド達が用意してくれたおにぎりなどの食べ物を出して渡した。
こうしてリオリス魔王国の魔王レグナムグルスは無力化し、皆のおかげで敵軍を鎮圧したリータ魔王国の勝利が確定したのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
「面白いかも!」「続きが読みたい!」「陰ながら応援してるよ!」
ほんの少しでもそう思ってくれた方は、下にある【♡】【エールボタン】をポチッと押すのと、【お気に入り】をしていただけたら嬉しいです!
作者の励みになり、何よりの執筆のモチベーションになります!
「貴様はもう終わりだ」
「そうか。全力でかかってこい!」
レグナムグルスは大剣を振りかぶり一気に振り下ろす! 私は寸前で刃を両手で挟んで止めるが床のレンガがバキバキ割れて崩れ落ちる。
「部屋はお構い無しか……」
「貴様が死ぬならどうでもいい! どこまで持ちこたえられる?」
床が抜けて私は空中で剣を受け止めている。剣を離して後方に下がると奴が大剣をブンブン振り回し襲いかかってくる!
幾重にも繰り出される剣筋を避けながら攻撃の隙を伺うが見事なまでに見いだせずにいた。
奴は大剣をあきらめ両の拳で私に挑んでくる! 一撃でも当たればかなりの威力だが私は寸前でかわし続けた。
「くそっ! すばしっこい奴め!」
レグナムグルスの動きが一瞬止まる。私は瞬間移動で後方に下がると同時に右手を突き出しデコピンの構えを取る。
「やらせぬ!!」
レグナムグルスは口を開け炎と雷撃の合わさった砲撃を繰り出す! すんでのところで上空へ瞬間移動しかわすが、奴の城は上側が吹き飛んでしまう。
「めちゃくちゃだな……」
「貴様がウロチョロするからだ!!」
「まあ、あとで直せばいいか」
私は奴の側面に移動しつつ再び右手を前に出しデコピンの構えを取る。白い輝きが収束する。
「白色矮星指弾!」
白い衝撃はレグナムグルスに被弾する。城壁を吹き飛ばし遠くまで直進していき白い光は消えていく。巨大な黒い魔王は跡形もなく消え去る。
私は結界の中にいるレイアの元へ近づく。レイアは冷静に私とレグナムグルスの戦いを見ていたようだ。
「これでもまた復活するんだな……」
「タクト……。 そうじゃな」
結界の成分を解析し終えて解除にかかる。結界は私の触れた部分から剥がれ落ちていく。
「レイア、これで自由だ」
「かたじけない。じゃがそろそろ奴が」
「ああ、そうだな」
私とレイアは奴の方に身体を向け復活を待つ。目の前にレグナムグルスの身体が再生していく。人型に戻った奴は悔しがって吐き捨てる。
「くっ! 何という奴だ! 俺をここまで追い込むとは」
「それはお互い様だろ。何回復活したら気が済むんだ」
「俺は不死身なのでな……」
「そうか。それは大変だな」
私は奴に問いただす。
「お前の目的は一体何なんだ? 何がしたかったんだ?」
私の問いに不敵な笑みを浮かべ話し始める。
「目的だと? 俺はこの魔界を統一し支配する! そしてほかの次元界にも我が力を示すのだ!」
「支配か」
何となく腑には落ちたが、傍にいたレイアが教えてくれる。
「奴らしい考えじゃな。ああ見えて国の魔族からは信頼が厚いのじゃ」
「カリスマがあるのか……」
レグナムグルスはさらに続ける。
「それに貴様達が持つ闇の秘宝を手に入れて永遠の闇の力を完成させ、奴に復讐するのだ!」
「奴? 一体誰の事だ?」
「エレノーラとかいうクソ聖女だ! 奴は俺に屈辱を与えとどめもささず去っていった。あいつだけは許せん!」
「は?」
またエレノーラ様か……。一体どれだけ魔界に爪痕を残しているんだあの方は!
「でも命だけは助かってよかったんじゃないのか? 怒らせたら怖いぞ」
「俺は不死身だ。だが奴は俺の殺し方を知っていた。今考えても恐ろしい……」
レグナムグルスの表情が恐れに変わっている。そんな中レイアが私に問いかける。
「タクト、奴は殺しても死なぬ。どうするのじゃ?」
「そうだな。だが反省はしてもらわないとな」
私は奴に対して呪文を唱える。
「漆黒と聖なる裁きをこの者に与えん! ”永遠の牢獄”!」
魔法が発動しレグナムグルスの身体に魔法陣が及ぶ。漆黒《しっこく》の牢獄が出現し奴を閉じ込めていく。
「や、やめろおぉぉぉ!!!!」
レグナムグルスは必死に抵抗するが発動した裁きには抗えない。牢獄が閉められ裁きの時が近づく。
「わらわからも餞別をやろう。 ”永遠の拷問”!」
閉じ込められたレグナムグルスに魔法が発動し苦しみだす。
「ギャアアアアアアア!!! おのれ! おのれえぇぇ!!」
絶叫しながらも私達を睨み悶えている。
「いや、お前が悪いんだから反省しろ! 話し合いで何とかなったかもしれんだろ」
私は奴に言い放つ。苦しみながらも私達に怒りの目を向けている。
「くそぉ! 覚えておれ!!」
「いや、だから反省しろって。 エレノーラ様を呼ぶぞ」
私の言葉に奴は異様に反応し苦しむだけになる。そんなに怖いのか……
「クククッ。奴にも苦手なものがあったのじゃな。愉快じゃ!」
レグナムグルスの反応にレイアがほくそ笑んでいる。今度師匠に会ったら奴の事も聞いてみるか……
「さて、そろそろみんなのところへ戻らないとな。シルヴィアさん達もここで奮闘してくれているし合流しないと」
レイアに話すと緊張がほどけたのか疲れた様子だ。
「助かったら何かお腹がすいてきたぞ。タクト何か持っていないのか?」
「ああ、それなら……」
私はインベントリからメイド達が用意してくれたおにぎりなどの食べ物を出して渡した。
こうしてリオリス魔王国の魔王レグナムグルスは無力化し、皆のおかげで敵軍を鎮圧したリータ魔王国の勝利が確定したのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
「面白いかも!」「続きが読みたい!」「陰ながら応援してるよ!」
ほんの少しでもそう思ってくれた方は、下にある【♡】【エールボタン】をポチッと押すのと、【お気に入り】をしていただけたら嬉しいです!
作者の励みになり、何よりの執筆のモチベーションになります!
0
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる