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第一章 王様と暗殺者
-Prologue- アルマースの狼
しおりを挟む昔々、あるところに王様がいました。
王様はとても賢く、民からも愛されていました。
王様には一人の友人がいました。それは、ダイヤモンドの瞳を持つ狼でした。
ダイヤモンドの瞳の狼は「アルマース」という名を貰い、毎晩王様の元を訪れました。
アルマースは王様の知らないことを沢山知っていました。王様はアルマースの話が面白くて、毎晩楽しく語り合いました……………
ドアをノックする音に、少年は本を閉じた。年甲斐も無くこんな絵本を読んでいるのを見られたら、笑われるかもしれないな。本棚の端にそれを押し込むと、凜とした声で返事をする。
一人きりの静かな部屋、少年は机に向かう。散らかった本の山を掻き分けてノートを引っ張り出し、広げた歴史書を見ながら書き付ける。
不意に入り込んだ風にノートのページを捲られ、少年は思わず身震いした後溜息をついた。開け放たれた窓はガタガタと音を立てる。今日は風が強い。
少年は待っている。真冬の夜、窓を開け放って待っている。狼が来るのを待っている。
一人ぼっちの王様は待っている。友人を待っている。いつかこの退屈な日々に色を付けてくれる狼を、少年は待っている。
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