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第十五節・再び相見える二人
第264幕 再会の戦い
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じりじりと俺は司との距離を詰めていく。魔方陣で攻撃してもいいが、司がどんな能力の勇者かどうかいまいちよくわかってない。得意な距離で戦った方が良いと判断したというわけだ。
逆に司はにやにやしながら俺から遠ざかるように足を使っていた。
互いの様子を見ながら仕掛けるタイミングを図っていると……先に動いたのは司だった。
「おらぁ! 死ねよ、グレリアァァ!」
声と同時に……弾が俺の目前に迫ってきた。
「なっ……!」
武器を抜いてなかった俺は、咄嗟に『身体強化』の魔方陣に更に魔力を込めて、なんとか上体を逸らして回避した。
そのまま『炎』『矢』で魔方陣を展開して、司に向けて放つのだが……。
「おせぇ!」
いつの間にか詰め寄っていた司に驚いた俺は、放たれた蹴りを片腕で受け止め、地を這うようにしゃがみながら回転し、その勢いで残った片足を刈り取るように蹴りを放つ。
司はそれを退くように後ろに飛び、再度俺との距離を取って再び先ほどと同じように対峙する。
「ぐ、あ、ぁ、あああ!」
僅かな時間に密度の濃い攻防を取った俺は、後ろの方で悲鳴が聞こえて、ちらっとそっちに視線を向ける。
そこには右太もも辺りに三つほど小さな穴のような傷が出来てるカッシェの姿があった。どうやら飛んできた銃弾に当たったのだろうけど……一体いつ攻撃された?
銃で撃てば必ず音が出る。それは大小関わらずだ。
それに、ここには司以外の敵が確認できない。
「おおっと、あまり避けたら手元が狂うぞ? 変なところに当たるかもなぁ?」
「……お前がやったのか?」
「さあなー。俺が答えると思うか? だけど、お前が動く度にそいつはじわじわとなぶり殺しになるかもなぁ。嬉しいだろう? グレリアァァ!」
狂った笑いを浮かべてる司に苛立ちを感じながら、今の状況を冷静に判断する。
こいつがそう言うからには、何か仕掛けがあって、それでカッシェを攻撃してるというわけだ。
彼に避難するように目配せをすると、弾が瞬時に現れ、そのまま地面に突き刺さった。
「……余計な事、考えるんじゃねぇぞ。俺はいつでもそこの的を狙えるんだからなぁ!」
「グ、グレファ……すまない」
舌打ちしそうになる現状をどうにか飲み込んで、司がいつの間にか握っていた銃に注目する。
恐らく物を瞬間移動するのが司の力なのだろう。昔、ナイフを投げた時も似たような事が起こっていた。
こうなっては手詰まりに近い。なにをしても奴はカッシェを攻撃するだろう。
そして……俺が死ねば、攻撃を再開させる。
どっちを選んでも嫌な後味を残す事になる。そんな事を考えてる間に、右足に熱い痛みを感じた。どくどくと痛みが流れ出るような感覚に囚われ、苦々しく司を睨みつける。
「おっと、怖い怖い……。いいか? そのまま。動くんじゃないぞ?」
にたにたと嫌らしい笑みを浮かべてくる司は、決して俺に近づこうとしない。さっきは自分から向かってきたのに、警戒するようにある程度距離を取ってる。
笑いながら楽しむように手に握った銃で一発、二発と撃ってくる。一つは俺の頬を掠め、もう一つは左肩を撃ち抜いてきた。
「ぐっ……!」
「はっ! ひっ、ひひひ、ざまぁないな! だけどよ、俺が今まで受けてきた屈辱は、こんなもんじゃなかったぜぇ?」
明らかに楽しんで撃ってくる司は、もはや小悪党と言っても差し支えない笑い声を上げている。
いい加減、こいつの好き勝手にさせるわけにはいかない。そう思いつつも俺が出来る手は限られてる。それは……カッシェに攻撃される事を覚悟で攻勢に出るか。しかし……。
「グレファ!!」
どうしようかと思考を巡らせていると、突如としてカッシェが大声で叫んできた。
「頼む……! お前が奴を討て! 俺の事なんか放って――ぐあぁぁっ!」
「バカが! 何余計なこと言ってんだよ!!」
命の限りの叫び声を上げるカッシェ。だが、それを遮るように司の射撃が放たれ、彼は左腕を撃ち抜かれていた。
そのまま致命傷を避けるように次々と銃弾を浴びせた後、壊れたような笑いを浮かべていた司は改めて俺に向き直ってきた。
「は、はっはっはっ! やれるわけないよなぁ? お前はぁ! 仲間思いの偽善者だもんなぁ!」
「……違うな」
「ああ?」
「俺が守るのは覚悟ない者だけだ。覚悟がある者に、守ることなど必要ない……!」
カッシェ、ありがとう。お前のおかげで俺も決心がついた。なんで俺がカッシェの助けに入らずにただ立っていたか、司は気付いていない。いいや、この男は決して気付くことはない。
何しろそれだけ視野を広く持てる男だったら、既に自分の置かれた状況がわかっているはずだからだ。
「へっ、こいつの命はどうなってもいいってわけか? 薄情だなぁ。グレリアよぉ」
「いい加減、俺の名前を呼ぶのはやめろ。吐き気がする」
随分と気安く呼んでくれる。薄ら笑いを浮かべ、相変わらず自分の優位を信じて疑ってない。お前のその慢心が命取りだ。
こっちの準備はカッシェのおかげで既に整っている。見せてやる……覚悟を持った男が作った勝機の一手というやつをな……!
逆に司はにやにやしながら俺から遠ざかるように足を使っていた。
互いの様子を見ながら仕掛けるタイミングを図っていると……先に動いたのは司だった。
「おらぁ! 死ねよ、グレリアァァ!」
声と同時に……弾が俺の目前に迫ってきた。
「なっ……!」
武器を抜いてなかった俺は、咄嗟に『身体強化』の魔方陣に更に魔力を込めて、なんとか上体を逸らして回避した。
そのまま『炎』『矢』で魔方陣を展開して、司に向けて放つのだが……。
「おせぇ!」
いつの間にか詰め寄っていた司に驚いた俺は、放たれた蹴りを片腕で受け止め、地を這うようにしゃがみながら回転し、その勢いで残った片足を刈り取るように蹴りを放つ。
司はそれを退くように後ろに飛び、再度俺との距離を取って再び先ほどと同じように対峙する。
「ぐ、あ、ぁ、あああ!」
僅かな時間に密度の濃い攻防を取った俺は、後ろの方で悲鳴が聞こえて、ちらっとそっちに視線を向ける。
そこには右太もも辺りに三つほど小さな穴のような傷が出来てるカッシェの姿があった。どうやら飛んできた銃弾に当たったのだろうけど……一体いつ攻撃された?
銃で撃てば必ず音が出る。それは大小関わらずだ。
それに、ここには司以外の敵が確認できない。
「おおっと、あまり避けたら手元が狂うぞ? 変なところに当たるかもなぁ?」
「……お前がやったのか?」
「さあなー。俺が答えると思うか? だけど、お前が動く度にそいつはじわじわとなぶり殺しになるかもなぁ。嬉しいだろう? グレリアァァ!」
狂った笑いを浮かべてる司に苛立ちを感じながら、今の状況を冷静に判断する。
こいつがそう言うからには、何か仕掛けがあって、それでカッシェを攻撃してるというわけだ。
彼に避難するように目配せをすると、弾が瞬時に現れ、そのまま地面に突き刺さった。
「……余計な事、考えるんじゃねぇぞ。俺はいつでもそこの的を狙えるんだからなぁ!」
「グ、グレファ……すまない」
舌打ちしそうになる現状をどうにか飲み込んで、司がいつの間にか握っていた銃に注目する。
恐らく物を瞬間移動するのが司の力なのだろう。昔、ナイフを投げた時も似たような事が起こっていた。
こうなっては手詰まりに近い。なにをしても奴はカッシェを攻撃するだろう。
そして……俺が死ねば、攻撃を再開させる。
どっちを選んでも嫌な後味を残す事になる。そんな事を考えてる間に、右足に熱い痛みを感じた。どくどくと痛みが流れ出るような感覚に囚われ、苦々しく司を睨みつける。
「おっと、怖い怖い……。いいか? そのまま。動くんじゃないぞ?」
にたにたと嫌らしい笑みを浮かべてくる司は、決して俺に近づこうとしない。さっきは自分から向かってきたのに、警戒するようにある程度距離を取ってる。
笑いながら楽しむように手に握った銃で一発、二発と撃ってくる。一つは俺の頬を掠め、もう一つは左肩を撃ち抜いてきた。
「ぐっ……!」
「はっ! ひっ、ひひひ、ざまぁないな! だけどよ、俺が今まで受けてきた屈辱は、こんなもんじゃなかったぜぇ?」
明らかに楽しんで撃ってくる司は、もはや小悪党と言っても差し支えない笑い声を上げている。
いい加減、こいつの好き勝手にさせるわけにはいかない。そう思いつつも俺が出来る手は限られてる。それは……カッシェに攻撃される事を覚悟で攻勢に出るか。しかし……。
「グレファ!!」
どうしようかと思考を巡らせていると、突如としてカッシェが大声で叫んできた。
「頼む……! お前が奴を討て! 俺の事なんか放って――ぐあぁぁっ!」
「バカが! 何余計なこと言ってんだよ!!」
命の限りの叫び声を上げるカッシェ。だが、それを遮るように司の射撃が放たれ、彼は左腕を撃ち抜かれていた。
そのまま致命傷を避けるように次々と銃弾を浴びせた後、壊れたような笑いを浮かべていた司は改めて俺に向き直ってきた。
「は、はっはっはっ! やれるわけないよなぁ? お前はぁ! 仲間思いの偽善者だもんなぁ!」
「……違うな」
「ああ?」
「俺が守るのは覚悟ない者だけだ。覚悟がある者に、守ることなど必要ない……!」
カッシェ、ありがとう。お前のおかげで俺も決心がついた。なんで俺がカッシェの助けに入らずにただ立っていたか、司は気付いていない。いいや、この男は決して気付くことはない。
何しろそれだけ視野を広く持てる男だったら、既に自分の置かれた状況がわかっているはずだからだ。
「へっ、こいつの命はどうなってもいいってわけか? 薄情だなぁ。グレリアよぉ」
「いい加減、俺の名前を呼ぶのはやめろ。吐き気がする」
随分と気安く呼んでくれる。薄ら笑いを浮かべ、相変わらず自分の優位を信じて疑ってない。お前のその慢心が命取りだ。
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