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side魔術師

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 「本日の午後に孕み子様たちが魔術棟を見学される予定だ。見学場所は、温室や実験室、機械室など。皆は、姿を見せないように。」

 「何故、姿を見せてはいけないのですか?」  
 「私たちもお姿を見てみたい。」
 口々に不満が漏れる。

 「騎士団からの願いだ。」

 「騎士団の奴等め、邪魔ばかりして、孕み子様は、みんなの孕み子様だ。」
 「そうだ、なんで騎士団の言うことを聞かないといけないんだ。」

 「実は、孕み子様たちから、この国の人と交流がしたいと言われ、色々な場所を見学してもらい、まず、この国を知ってもらう予定なのだ。最初に泊まっている魔術棟からとなった。そして、明日、昼食に交流会を開きたいと思っている。そのことを騎士団に伝えた時、見学会ではじめに話したりしたら、次の日の交流会でも、話が弾むかもしれない。それは、ずるいと指摘されたのだ。」
 「だから、魔術師が姿を見せないなら、魔術棟見学を一番でもとなった。そして、明日の午前に騎士棟も見学するが騎士たちも姿を見せない約束だ。ニヤリ」
 はあー疲れる。魔術師長なんて、損な役回りだ。脳筋とも連携しないといけないからだ。ルーエルは、ため息をつく。

 「とにかく、姿を見せるな。明日の昼食の交流会で会える。話せる。我慢してくれ。」
 
 「まぁ、仕方ない。姿を見せずに見ればいい。」
 「おっ、名案だ。」
 「あの場所なら、温室が見えるのでは?」

 はあーなんとか、説得できた。だか、片付けをしなければ、汚すぎる。

 「さぁ、孕み子様たちを迎えるために、ここのゴミの山を片付けろ。」
 「嫌われるぞ、ただでさえ、怪しいと思われているのに。」
 「あと、孕み子様たちは、孕み子様と呼ばれることを嫌がっている。交流会の時に自己紹介もあると思うから、孕み子様と呼ぶなよ。内輪だけの呼び方だと覚えておいてくれ。」
 温厚で丁寧なローエルでも魔術棟では、少し口が悪くなる。


 魔術棟のはじの倉庫の中には、むさ苦しいほどの魔術師が、温室が見える窓にへばりついている。こちらからは、温室が見えるが、温室から倉庫は、見えない作りになっているからだ。

 「なかなか来ない。」
 「お前、この前の召還で儀式に参加したから、前譲れよ。」
 「早いもの勝ちだ。」
 「あっ来た。魔術師長が邪魔だ。」
 「おっ見えた。みんなかわいらしい。ほっそりしていて、黒髪が神秘的だ。」
 「「おい、早くどけ」」
 後ろの奴等うるさいぞ、今いいところなのに。
 「あぁ、すごくきれいだ、あの特にほっそりした、身長低めの子が気になる。」
 「3人仲良さそうだ。」
 「俺は、あの大人二人組が良いな。」
 「早くお会いしたいものだ。」

 
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